折り紙の船

虫が群がる街灯に照らされて
あらわになる建物の形
今夜はどこで眠る

全てが勝利に変わる日
そんな日もあったかも知れない
全てが勝利の日々
そんなものは毛虫のように潰れた
やりすぎたのかも知れない
見すぎてしまったのかもしれない

切り刻まれたようなマネキン
首が転がっている
跪いて赦しを乞い
不当に獲得した生命

建前上繰り出される祭り
手頃な友達
手頃な思いやり
まるで君ん家の庭のよう

折り紙の船
凍えた海へ漕ぎ出す
折り紙の船
罪と欲望を乗せて

ゴミ溜めにしけったスナックと弾丸
涙も悲しみも蛆虫虱がたかり
忘れるさ　消え失せるさ