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「鎌倉学び舎」ができるまで⑨〜問題解決能力について〜

今回は

鎌倉学び舎における

「問題解決能力」の育成

について綴りたいと思います。


「学童保育施設」として

子どもたちが放課後を豊かに過ごす

お手伝いをしようと考えたとき

その可能性の大きさに

わくわくしました。


全国学童保育連絡協議会(2007)によれば

低学年が小学校で過ごす時間は

年間約1100時間

であるのに対して

学童保育で過ごす時間は

年間1600時間

にもなるそうです。


学童保育で過ごす時間は

実は小学校よりも

長いのです。


その時間を

子どもたちの

今と未来を

より豊かにするための

時間にできたら。


これからの

グローバル化、流動化していく時代を

生きる子どもたちにとって

どんな力が武器になるだろうか。


精査していく中で

将来どんな職業に就くとしても

「問題解決能力」

はとても重要であると

考えました。


そこで

鎌倉学び舎では

「問題解決能力」を育成することを

1つの柱にしようと

考えました。


そのために

当初は「講座」として

プログラムを組んで

「問題解決能力」育成のための

時間をつくろうと

考えていました。


しかし、

子どもたちと一緒に

生活する中で

その毎日の

生活の場こそ

「問題解決能力」育成のための

題材の宝庫だと

思うようになりました。


そして、

時間を限定して

「問題解決能力」を育成するよりも

むしろ

日々の生活の中で育成した方が

子どもたちにとって

本当に必要な

生きた「問題解決能力」を

育成できるのではないかと

考えるようになりました。


生活の中で

「問題解決能力」を育成するのは

とても大変なことです。


どの瞬間も

気を抜けません。


なぜなら、

ちょっとした子どもの

つぶやきの中に

「問題解決能力」育成の種が

潜んでいたりするからです。


とても小さな問題から

とても大きな問題まで。

生活の中では

さまざまなレベルの問題が

起こります。


それをどうやって

解決し

乗り越えていったら良いのか。

見逃さずに

考えるきっかけとなるような声かけをしたり、

一緒に考えたり。

時には、問題解決のための

専門的な方法を

小学生にわかる形で

説明したり。


そういう毎日の小さな積み重ねが

子どもたちの思考回路をつくり

自然な形で

「問題解決能力」が育っていっています。


その力が

鎌倉学び舎での生活場面で

発揮されることもあれば、

小学校や家庭で発揮されることも

あるようです。


鎌倉学び舎は

少人数制ということもあり

一人ひとりを

本当に丁寧に見ています。


一人ひとりの

発達段階や

考え方

感性

背景

その時の状態

学校など学び舎以外のところでの

できごとの影響

など

さまざまなことを

考慮に入れながら

その瞬間に

その子にとって

一番良いと考える

接し方や

声かけを

心がけています。


ですから

どの瞬間も

頭の中は、

フル回転。

心の中は、

真剣です。


鎌倉学び舎で過ごす

全ての子どもたちが

しなやかに

問題解決能力を

獲得してくれたら…。


そして自分の人生を切り拓くための

武器になれば…。


それが私たちの願いです。


【附記】
2022年現在はこれに加えて探究学習プログラムの時間も取り入れています。


(つづく)


【参考文献】

全国学童保育連絡協議会編,2007,『よくわかる放課後子どもプラン』,ぎょうせい





子育てにまつわるあれこれを綴っていきます。専門知識に基づいたことから日々の中で感じたことまで。保育系大学専任講師を経て、現在は、学童保育施設代表、子育て支援施設主宰、教育研究所所長、保育園理事。博士(教育学)。小学生の一男一女の子育て中。