心は柔らかく見えて型に嵌まったまま次の住処を探す。川の流れるように忘れているのに、忘れられないのはずっと続いているから。ふる里の海まで、水は気紛れに見えて世界の形に忠実にダンスする。通いなれた橋、一筋の波光。幾度の優しい光に染まる未来へ。心細くて手を握った、気紛れで暖かい冬の日。

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