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珈琲島とGLITCH COFFEE & ROASTERSの記憶

珈琲島
コスタリカ ドンパブロ
焙煎コンクールで2019年優勝した方が焙煎したであろう珈琲豆だ。
https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/yamagata/region/yamagata-20191206102945
ドリップした印象は膨らまない本当に膨らまないで驚いた。たぶんだけど焙煎がとても浅いのだと思う。
コーヒーの味はフレッシュで丸い酸味と甘さに香ばしさが残る美味しいコーヒー。明るいけど刺々しくはない、やわらかさがあるコーヒーだ。


最近の流行りは間違いなく浅く焙煎したコーヒーで、スペシャリティコーヒーという品評会で高い評価を受けた豆が好まれ、また新しく台頭してきたコーヒーショップも、そういったコーヒーをサービスしている。
その中には刺激的で私にはトゲトゲしく眩い鮮烈な酸味を押しだすコーヒーもあり、時には生焼けで胃が痛くなる全部は飲めないようなコーヒーもある。
有名どころだと清澄白河のアライズやブルーボトルコーヒーに船橋のフィロコフィアのコーヒーは燦めく酸味が特徴的で私には眩しすぎた。香りを大事にしていて焙煎したての芳醇で香味溢れる甘く蕩けるような芳ばしさは本当に魅力的だ。だけどちょっと私の身体には合わないし個性をひきだそうとツンケンし過ぎていると感じてしまい美味しいとは思えなかった。甘いお菓子とも合わない。


そんな具合に新しいコーヒーの流行には些か辟易していたところがあったのだけども、胸焼けしたり強すぎるカフェインと奮戦しつつ色々と今のコーヒー屋さんを飲んでいく内に、華やかな香りと酸味を残しながらもトゲトゲしさがなく焼けている芯を射抜いているコーヒーに続けて出会えた。

それが珈琲島とグリッジコーヒーロースターだった。グリッジのエチオピアのグジ(ウォッシュド)は飲みやすい軽さと明るさと酸味があり後味の珈琲の芳ばしさも残していて正直驚かされた。ちゃんと美味しく楽しめる一息つけるコーヒーだ。
全く期待していなかったし、いつものサードウェーブのすっぱい派手なだけでまとまりのない大学生みたいなダサイコーヒーの味かと斜に構えていたのだけも、実際飲んだらちゃんと考えられて作られたコーヒーだ。好きなコーヒーかと言われると、たまに飲むならいいかなくらいなんだけど、でもコーヒーとしたらちゃんとしてるし好きな人は好きなんだと思う。
今の人気のコーヒー屋さんもちゃんとコーヒーを考えて今のコーヒーを作って提供しているんだと、偉そうないいようだが感心したし嬉しかった。
柔らかく軽く明るくシティポップが似合う都会的で身軽なコーヒーも本物が既に生まれつつあるのだろう。私が知らないだけで私の好みではなくても今のコーヒーも豊かで活気と情熱に愛に溢れている。
コーヒーが好きな人が増えて浅いのも深いのもコーヒーの世界が広がるのはとっても幸せなことだ。

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