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それ聞く意味ある?
立場上、面接に参加することが多くなった。
人と話すことは得意ではない、もっと言えば人に質問するのが苦手なので、できれば参加したくない。
自分の意見ひとつでその人の人生が変わると思うと怖くて仕方ない。
でも仕事だ、そんな事言っていられない。
面接対応に参加するようになって様々なことに気付けるようになったのは自分のスキルを上げるうえで大変勉強になっている。
それと同時に疑問も湧く。
それは面接を受ける人に向けて質問を投げかける時だ。
「精神科の既往歴はありますか?」
「結婚、妊娠、出産の予定はありますか?」
人がいないから募集をしているので、聞きたい気持ちはわかる。
特に妊娠出産は、長期に渡り休みを取る必要があるから確認はしておきたいよね。
でも、それは人それぞれじゃん。
その言葉が相手を傷つけてるかもしれないじゃん。
私なんて世の中からしたら、いい歳なのに結婚もしていなければ出産もしていない。
結婚してなければ「結婚しないの?」と言われ
年齢で結婚しているを前提に「奥様」扱いされて
子どもはいないと答えると「いないんですか?」
と不思議そうにされる。
それなのに馬鹿正直に「結婚も出産もします」と答えると面接で落とされるのだ。
世の中の采配で結婚どころか、子ども産むタイミングまで決められるのは未だに解せぬ。
なんなんだよ、どうしたいんだよ。
そして「精神科の既往歴はありますか?」
この質問は「結婚してないんですか?」「出産の予定はありますか?」と同じくらい「仕事に関係あるんですか?」と聞きたくなる。
聞き方にも問題あると思うが、私からしてみたら既往歴があると不都合でもあるのですか?という事だ。
人間生きれていれば生きづらいと感じることは多々ある。
どん底まで落ちて、どうにかここまで生きてきた私は、未だに職場に適応障害があることを伝えてない。
「精神科の既往歴ありますか?」この質問を隣で聞くたびに「この会社は理解がないんだな」と感じてしまうのだ。
「はい、あります」と伝えたら、もうそれで「この人は精神科に行っている人」とレッテルを貼られて、就職のスタート地点にも立たせてもらえなくなる。
その会社にもよる、とは思うが私の知っている限り「既往歴がある」=「面倒ごと」扱いになり腫れ物として、やんわり採用を断られる。
そういう場面を何度か見てきたことがある。
今私が管理職につけているのは適応障害を隠して、世間一般の「普通の人」として扱ってもらっているからだと思ってる。
「言っても公平に扱ってくれるよ」と思う人はその職場を大切にしてほしい。
少なくとも私は、適応障害があっても「無理をしない」「ストレスを溜め込む働き方をしない」とコントロールすることで管理職になれた。
(たまたまそのポジションが空いただけなんだけどね。)
メディアに取り上げられる精神疾患者は奇異の目で見られる事が多い。
「不眠症だから」「鬱病だから」など色んな病名が飛び交い、その度に「〇〇だから」と言われる。
片方だけで物を見るのはやめてほしい。
不眠症だからって全員が「眠れない」とイライラして人を傷つけるわけじゃない。
適応障害だからって負荷のかかる仕事を任せられないわけじゃない。
病名はあくまで病名で、その人を形作る全てじゃない。
そう思うし、そう伝えても「既往歴」という言葉で全て片付けられてしまう。
「あの人はメンタルあるよね」と言われると「私も適応障害ですけど何か?」と答えたくなる。
結婚しようとしまいと、既往歴があろうとなかろうと、それだけで人を見るのはやめてほしい。
センシティブなことに厳しくなったこのご時世でも未だに「聞いて何が悪い?」と理解出来ずに質問する管理職の多さに辟易する。
私は会社や社会が嫌う「未婚・子なし,既往歴あり」の地雷人間だが、もし私が申告したら今の地位を与えてくれた会社はどう思うか、どう対応するか見てみたい気持ちはある。
見てみたい気持ちはあるが、あいにく私はチキンなので今後も申告することはない。
申告したから何なんだ。
申告して状況が良くなる事はないのだから。
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