SIGMA fp ダイヤル・ボタン換装サービスを利用してみた話
なんだか色々すごかった。
SIGMA fpはとても良いカメラだ。
でも背面ダイヤルの“ゆるさ”は好きじゃない。
反応しなかったりプラスとマイナスが行ったり来たりと、少なからずストレスに感じるレベル。
そういうところも個性だよね。
君の魅力の一つだよ。
抜けているところも可愛いと思えるくらいに割り切った付き合い方をしている自負はあるけれど、欠点を直してくれたらきっともっと愛せると思うんだ。
「お金払うから性格直してよ」と言うようで気が引ける?
とは思っていない。
お金は全てを解決する万能ツールではないけれど、大体のことはお金で解決できる。特にカメラに関しては。
こんなサービスがあるなら新規の製造ロットからfpにもfp Lのダイヤルとボタン付ければ良いじゃんと思ってしまう僕はSIGMAへの信仰心とfpに対する愛が足りないのか。
御布施の機会を与えて頂き感謝至極でございます。
SIGMA fp ダイヤル・ボタン換装サービスは、fpのゆるゆる背面ダイヤルとうっかり触ってしまいがちなMODEボタンと気付くといつの間にか外れているマイク端子カバーをfp Lのものと交換してくれる有償サービス。
外観クリーニングとセンサークリーニングとファームウェアアップデートもしてくれるらしい。
致命的ではないんだけど改善できたら嬉しいなと思うところを直してくれる。
WEBで申し込みを済ませて会津工場に直送するかSIGMAの受付センターへ持ち込んで修理を依頼することになる。
持ち込んできた。
事前にメールのやり取りで持ち込みの時間帯を予約する。
土曜日の午後、とても天気の良い日だった。
宅配便の集荷窓口のような場所でカメラを渡して受領書を受け取っておしまい。
かと思ったら全然違った。
個室を案内されお茶をいただいた。
修理依頼するときは付属品の類は全て外しておく。
ボディキャップと液晶保護フィルムは付けたまま預けた。
少しお話しをさせていただき、確認書類にサインをして受付票を受け取る。
帰り際にいろいろ頂いてしまった。
これ頂いてしまって良いんですか?
ホスピタリティが高いなあ。
ポンとカメラを渡してすぐ帰るイメージだったからギャップが大きかった。
帰り道はとても気分が良かった。
約2週間くらいかかると案内があるけれど、実際はもっと早く仕上がるみたい。クリスマス頃までに届けばいいやという心持ちだった。
土曜日に預けて4日目。
木曜日の夜にはもう自宅に戻ってきた。
早い。
箱の中には会津の空気が入っていた。
多分。
里帰りから帰ってきたfp。
おかえり、早かったじゃないか。
ここからは強くなって帰ってきたfpを見ていこう。
問題の背面ダイヤル。
見た目は変わらない。
回してみるとクリック感が若干強くなった気がする。
電源を入れて動作を確認してみると、動く。ちゃんと動く。
普通のことが嬉しい。
これだけでお願いした価値があった。
そしてよく見てみると、修理前後で貼り革の模様が違う。
ということはどういうこと?ユニットごと交換したのかな?
元々傷がついていたりテカリがあったわけじゃないんだけど、新しくしてもらったようだ。
MODEボタンが低くなっている。
クリック感は変わらず。
誤って押してしまうという事象は記憶にある限り発生したことはなかったので、正直このボタンは変えなくてもよいと思っていた。
操作感に影響はないので個人的には地味な変更といった印象。
写真で見て分かるように液晶保護フィルムが一度剥がされて付け直されている。わざわざ剥がして液晶クリーニングしたの?そこまでやらなくてもと思うけど、折角の機会だから傷だらけのフィルムは新調しよう。
マイク端子カバー。
形状が若干変わった。
このカバーは気付くと捲れているので交換の効果に期待したい。
ファームウェアが5.00から5.02にアップデートされていた。
僕は不精なのでメジャーアプデート時にしか更新しないことが多い。やってもらえるなら嬉しいサービス。
預けるときから返って来るまで驚きっぱなしのSIGMAのホスピタリティ。
そもそも換装サービスなんてものがあることが稀有だと思う。メーカー側に儲けが出ているとは思えない。
ユーザと向き合う/付き合う姿勢が感じられる。
サービスによる感動というものは顧客の予想を超えたところにあるんだなと実感した。
修理対応なんてものはもちろん個別対応なので、持ち込みに行ったら何かもらえるとかいうものではないと思う。
それでも今回の対応は一人のユーザをしてSIGMAという会社をもっと好きになるきっかけになったし、fpを長く使っていこうという思いも強くなった。
パーツ交換という作業ではなく、思い出に残る体験としての換装サービスになった。
fpのゆるゆる背面ダイヤルにストレスを感じている人は是非ご利用を。
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