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数学の魅力と四次元立方体

数学の面白さについてだらだら考える

もともと僕は数学が苦手だ。

実際、中学校までの数学の成績が主要科目で最も低かったことが、それを雄弁に物語っている。大学でも数学は何度も何度も落単した。しかも僕の場合、数学をやると脳を使い過ぎてかなり疲れてしまうことが多いのだ。

素養があるのはむしろ生物学と化学の方だろうことは過去の経験から分かっている。そして、生物学や化学もやっていて面白い。自然科学の知識を体系にならって論理的に理解し、覚えていく作業はとても楽しいものだ。それ自体に生きがいも感じることも前にも述べたとおりである。

それでも、僕には数学はものすごく楽しい。

実際に、やっていて得られる単純な楽しさは数学の方が生物学や化学よりも大きいのである。もっとも数学は僕には素養がないから、生きがいになっているかどうかは生物学や化学とは比較が難しいが、楽しさが大きいというのは重要な要素だと思う。
どうやら僕は得意な分野と楽しいと思う分野が少し異なっているらしい。経験から頷ける方も多いだろう。

もしかしたら、苦手だからこそ克己心が出てきて楽しいのかもしれない。数学の勉強をしていて、苦手だというこの自己認識を少しずつ消していく課程の中に、僕はやりがいを感じているのだろう。

そこには過去の自分を乗り越えたいと思う心が働いているように思うのだ。これは必ずしも全ての人に備わっているものではないし、備わっている方がいいというものでもない。だけど、僕の数学に関しては、これがあって良かったと思っている。
話が少し逸れた。次は僕の感じる数学の面白さの、最も重要だと思われる理由を述べる。

空間に興味があって四次元立方体を描く

実は僕は時空、特に空間の概念に元来強い興味を持っている。
高校のころに興味のあまり四次元の立方体の描き方を自分で編み出し、授業も聴かずそれを何度も繰り返しノートに落書きした。なかなか描くのが難しい(下の図も久々に描いてみて難しかった)のだが、初めて描けた時はよく分からないながらも感動したものだ。

おそらく分かりきった描き方だと思われる方も多いと思うが、ここに少しそれを示してみる。

①紙に透明な立方体をまず完全に描いてみる。
(ここを黒で描くと何をやっているか分かりやすい)
②ある一つの頂点から、既にある三方向の線分と一致しない方向の線分を適当な長さだけ一本だけ描く。そして、他のすべての七つの頂点からも、その線分と同じ方向で同じ長さに線分を一本ずつ描く。
(ここは赤で描いてみよう。この方向が第四の方向だ)
③最後に全ての新しい線分の端点だけを使って、新たな正方形を元々のものと重なるように描いてできあがり。
(ここは青で描くと見やすい)

四次元立方体の二次元上の図形

(※ 紙面なので第三と第四の方向の線分はそれまでの線分と直角に描くことができない。また、ミスと汚れの箇所、それから歪みを許して欲しい)

僕はこの謎の図形を描いて、中に八つの謎の立方体(らしきもの)を見出した。それぞれの二つの立方体は距離を置いて互いに並行であるように見えた。
あとで調べたら、この図形は正八胞体というらしかった。上手に名付けたものである。

これを応用すれば五次元以上の立方体も余さず描くことができそうに思えた。(ある程度のところで紙面が塗り潰されると思うが)

昔図鑑を読み漁ったり、ドラえもんに出てくる四次元ポケットの不思議にハマり込んだり、あるいはその中でワープの理屈について語られたりしていたことが、こういうモノをかつて僕に描かせた原因かもしれない。
ともあれこれを描いた時から空間の魅力が僕の中でさらに膨らんだようだ。

僕はこの種のことを興味を持っていたにも関わらず、今の今まで全く学ばなかった。正直なところどういう分野でこれを学べるのかすら未だにわからない。だがおそらく数学であろうことだけはわかる。

多分、この謎に僕より遥かに早い段階で気付き、そして気になった方も少なくないだろう。だがこれが僕が数学に興味を持った最大の理由のようだ。

体系的に学ぶには時すでに遅しかもしれないが、僕のこの興味と好奇心を満たすためだけにでも、これからも僕は数学をゆっくり学んでいきたい。

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