■宮島達男に縁のある地、別府でワークショップを開催
大分県は、宮島達男と縁の深い場所です。NPO法人BEPPU PROJECTに招聘いただき、2006年に別府市で『Counter Voice in the Earth』の滞在制作・発表を行い、国東市成仏地区には住民のみなさんとワークショップを通して制作した『Hundred Life Houses』が恒久設置されています。
今回、別府での「タイム設定ワークショップ」は、『ベップ・アート・マンス2022』のプログラムのひとつとして開催しました。『ベップ・アート・マンス』とは、別府の町じゅうを舞台に、文化・芸術に関わるたくさんのイベントを集めた市民文化祭です。今年で13回目を迎えます。
11月13日、B-Con Plaza(別府国際コンベンションセンター)にて、午前・午後の2回ワークショップを開催しました。ご家族三世代にわたってご参加くださった方や、ご友人やご夫婦での参加など、計60名の方にご参加いただきました。
別府でのワークショップがスタート!
一人でじっくり、家族や友人と話し合いながら考えるタイム設定の時間
「時の海 - 東北」プロジェクトについて、宮島からの解説が終わった後は、いよいよ秒数を決める時間です。
対話から、また呼び起こされる記憶や想い
タイム設定が終わった方、一人ひとりと宮島が対話し、お話を聴いていきます。この時間が、アーティストにとっても大事な時間です。対話のなかから、改めて想うことやふと思い出すことなどがあり、記憶が連鎖していくような感覚になることも。
■誰かの想いを声に出して読む。
別府のワークショップでも、参加者のご了承を得て、みなさんが決めた秒数とエピソードを私が代読し、会場にいる参加者のみなさんと共有しました。その中から、こちらでもいくつかご紹介します。
※エピソードの記載は、書き手の表現を尊重し、句読点、余白などを記している。
■デモンストレーション作品『時の海 - 東北』を鑑賞
別府では、ワークショップ終了後に、会場内に仮設展示した『時の海 - 東北』のデモンストレーション作品をみなさんと鑑賞しました。
一つひとつ異なる数字の瞬きを見つめながら、今さっき、自分が決めた秒数も、いつかこのように作品の一部となっていくのを感じていただけたなら嬉しいです。
参加者のみなさんと記念撮影
ご参加いただいたみなさま、ご協力いただきましたYamaide Art Office株式会社、NPO法人BEPPU PROJECTのみなさま、本当にありがとうございました!!
■これからも各地でワークショップに取り組みます
来年2023年は、震災から12年を迎えます。「時の海 - 東北」プロジェクトでは、これからも一人ひとりの東北への想い、命への想いに耳を傾けながら、これまでの経験や記憶、そして、これからの未来について想いを馳せる時間と場を積み重ねてまいります。そうした体験の共有が、参加者一人ひとりにとって、『時の海 - 東北』の作品が「私の作品」だと思う、大切に育んでいっていただける一歩になると信じています。
震災の記憶と経験と思いを紡ぎ、他者への想像力を育んでいけるような場を目指して、これからも全国各地でワークショップに取り組みます。
▼「タイム設定ワークショップ」の開催にご関心をお持ちのかたへ
「時の海 - 東北」プロジェクトの活動に賛同いただき、一緒にワークショップに取り組んでくださる組織・団体・個人の方がおられましたら、お気軽に以下のご連絡先までお問合せください。
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