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1.3 コロナと難民。

コロナ感染爆発の恐れが高い難民キャンプ、彼らに今必要な支援とは?

さて、この記事では、少し視点を変えて、世界の裏側を覗いてみましょう。裏側というのも、日本の正反対に位置するブラジルのことではなく、私たちには少し遠い「難民」についてのお話です。

難民という言葉は、世界の総人口の約1%にあたる、8650万人もの人々の総称です。どんな人たちなの?というと、1951年に発布された「難民の地位に関する条約」で、難民は:

「人種、宗教、国籍、政治的意見やまたは特定の社会集団に属するなどの理由で、自国にいると迫害を受けるかあるいは迫害を受けるおそれがあるために他国に逃れた」

人々と定義されています。簡潔に「紛争や迫害等により故郷を追われた人々」とまとめることもできます。

コロナ と 難民。

体調が優れない時はすぐに病院にいけて、衣食住が十分、いや、それ以上にある環境の私たちでさえ、これだけ大きなダメージを受けているのに、毎日を必死に生きている難民の人たちはコロナでどうなってしまうの??

医療へのアクセスも悪く、食糧難に苦しむ難民の人たち。たとえ難民キャンプという保護地区に住んでいたとしても、彼らの生活は決して十分な生活とは言えません。

ヨルダン難民キャンプ

↑ ヨルダンの難民キャンプ。
最低限の衣食住の確保はできますが、何よりも問題なのが、プライバシーと…

衛生面 です。

大勢の難民がひしめき合う難民キャンプでは、基本的にテントをはって生活している訳ですが、テントが列をなしている所もあれば、木や布、竹、ビニールでおおっただけのキャンプもあります。建物は、その場所の気候や地理的条件によって変化します。

以下は、UNHCR 日本 公式HPから抜粋したものになります。

難民キャンプの生活で大切なことの一つに、トイレの設置と汚水処理があります。人口の過密度や難民の健康状態は、難民キャンプの衛生環境に影響します。ですから、病気の蔓延を防ぎ、生活環境を整えるために、水と健康を含めた衛生管理体制が必要となります。このためUNHCRでは、難民5000人当たりに公衆衛生専門家1人、500人当たりに公衆衛生補助員1人を採用しています。

これを読んでみて、どう思いますか?個人的な感想として、難民の数とそれに対する衛生担当者数が少なすぎるのでは?と感じました。そう思っても、正直なところ、私たちが直接力になれることは限られています。だから、せめて、現状を知ってみませんか?

国境なき医師団によると、

難民たちは祖国から逃げる際のトラウマに加えて新型コロナウイルスによるストレスで精神疾患を発症する可能性が高く、心理的なケアも必要だということです。しかし、医療体制が縮小されたために住民が診察を受ける機会が減り、隔離をいやがって検査を受けず重症化するケースもある

とのことです…。

では、何は難民たちを守るために必要なのでしょうか?まず、すでに行われている難民キャンプでの感染対策の強化です。全体(UNHCRや国境なき医師団等)の対策と、正しい食料の調理法、衛生状態のあるべき姿、正しい手の洗い方など、個々人が気をつけるべき対策の二つがあります。対策を感染予防のための物資と情報の提供、それに現地で活動する医療や援助関係者への支援が今すぐにも必要です。それには、国境越えた強力と情報定常、人材派遣、何より財政負担と責任を公平に分かち合うことが大切です。

次に、各国それぞれ国内に抱える難民や難民認定を待つ人たちの保護と支援の強化です。日本で去年難民認定された人は44人。認定を受けられなかった人のうち人道的な配慮により滞在を認められた人は37人でした。他の先進国よりケタが3つ、あるいは4つ少ない数です。難民認定を待つ人たちは、日々の生活を支援団体に頼らざるを得ませんが、新型コロナウイルスの感染拡大後寄付や財政支援が減り生活が極度に悪化した人が少なくありません。

最後に私たち一人一人の行動です。日本でも当面は自分たちの身を守ることで精いっぱいというのが多くの人の思いでしょう。ただ、祖国を追われ危機的な状況に置かれている人たちに連帯の気持ちを送ることはできるのではないでしょうか。世界難民の日には東京や札幌、陸前高田、京都、長崎など全国25か所で難民支援の輪を広げようと青くライトアップされました。自宅にいながら難民を励まそうという音楽や映画のイベントもオンラインで行われています。皆が苦しい時こそ、人のために何ができるか、自分なりのやり方を考え行動することも重要ではないでしょうか。

私は、世界難民の日である6月20日に、個人のインスタグラムでとある投稿をしました。以下、写真を掲載します:

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日本全国で青いライトアップが行われたように、青色は難民の色であり、私は空の青い写真を
#一人ひとりにできることを
#worldrefugeeday
#everyactioncounts
という三つのハッシュタグとともに投稿しました。[ worldrefugeeday ] とは、英語で、世界難民の日を意味し、[ everyactioncounts ] は、どんな行動でも意味があるという意味でうす。この投稿を見た私の友達から、
  このような「国際デー」があるのを知らなかった
  インスタでこのようなムーブメントが行われているなんて知らなかった
など、様々なコメントをもらいました。

私が、世界中の悩み苦しむ人々を助けたいという気持ちから最初に始めたことは、情報発信をすることです。国際デーをインスタグラムのストーリーでシェアしたり、世界的なムーブメント・アクションに私が参加したものを、インスタグラムやFacebookなどのSNSにアップしたり、あるいはその問題について調べてみたり、とにかく一歩を踏み出すことをしました。

もしも、今この文章を読んでくださっていて、何か自分にもできそうだと感じてくださったのであれば、ぜひ、国際デーを調べて見ることをお勧めします。もちろん、ご自身の興味関心のあある分野でも、すでにアクションを起こしていることででも、何でも構いません。アクションを起こす第一歩は、何事でも、「知る」ことです。

1日でも早く、1人でも多く、笑顔で毎日を暮らせる人々が増えますように、自分自身にできることをしませんか??

長々とお付き合いくださりありがとうございました。
最後の部分が、一ミリでも誰かの心に響けば幸いです。

文章:あいみ

参考文献:

UNHCR. (n.d.). 新型コロナウイルスによる経済悪化の影響を大きく受けたシリア難民|. 国連UNHCR協会. Retrieved January 25, 2021, from https://www.japanforunhcr.org/archives/20474
国境なき医師団. (2020, September 4). ギリシャ:難民キャンプで初の新型コロナ感染例 強制隔離による住民の健康悪化に懸念. 活動ニュース | 国境なき医師団日本. https://www.msf.or.jp/news/detail/pressrelease/grc20200904st.html
二村.伸. (2020, June 22). 「世界難民の日 コロナ禍の難民危機」(時論公論). NHK / 解説委員室ブログ. https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/431507.html
朝日新聞デジタル. (2021, January 5). 手洗えないのに…難民キャンプのロヒンギャ、低い感染率. https://www.asahi.com/articles/ASP154K3FP14UHBI022.html

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