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支配欲を拗らせた非リアが独裁者になったが虚しさしか残らなかった

人間を支配し生殺与奪を握る快感

搾取子として育てられ、本人の努力ではどうにもならない遺伝的な理由でいじめられ、女性にはばい菌のような存在として扱われる。

そのような私が権力を手にした結果、衝動的に他人をボロ雑巾のように扱い、最高に気持ちいい思いをして全てを失った話をしよう。

権力と言っても大したものではない。高校時代に生徒会長とコンピューター部部長を兼任したという程度の話だ。

生徒からの人望はミジンコほどもなかったが、偏差値の高い大学に入って人生をリスタートしたいので勉強だけは頑張ったし内申点をあげるために無遅刻無欠席だった。その結果、教師の評価が高かった。

部長の任命は顧問教師の一存だし、生徒会役員選挙は教師が集計するのだから偽装もお手の物。対立候補がいなくて楽勝だ。

生徒会には文化祭など学校行事に関するある程度の決定権があり、会長には役員への仕事の割り振り権限を持つので気に入らない役員を干せる。コンピューター部のような文化部にも技能を競う大会があるが、部長にはそのレギュラーを決める権利が私にある。

コンピューター部にいる才能のある奴、意欲が高い奴、長年努力してきた最上級生。そいつらを私の一存でレギュラーから外すことができる。理不尽にチャンスが奪われ、彼らの頑張りが報われずに絶望する姿が愉快だった。

陽キャがリーダーのクラスやDQNが集まるクラス。彼ら彼女らの文化祭での出し物(ダンスなど)が「品位に欠ける」といちゃもんをつけて教師を説得し、親や地域の人たち向けの公開を禁止できる。何日間も放課後に練習し、時には部活を休んでまで努力した成果は日の目を見なかった。笑いが止まらなかった。

表向きには優等生なので、成績と生徒会長&コンピューター部部長という肩書きによって推薦で大学合格を決めた。しかし、それを祝ってくれる人間は誰もいなかった。

私は権力者であり敬われて当然と驕る裸の王様

このエントリーを読んでくださっているあなたは驚きを通り越して呆れると思うが、私はこのような暴君のごとき振る舞いをしながら「自分は尊敬されるべき存在だ」「生徒のために尽くしているのだから感謝されて当然だ」と考えていた。

偉い(役職にいる)存在なのだから賞賛を集めて当然。ほら、生徒の諸君。我を称えよ。

口に出せばフルボッコなので言葉にすることはなかったが、傲慢な態度には出ていたと思う。腹の中では常にそう考えていたのだから。

組織の頂点にいる人間は、何をやっても許される。

家庭内で私を虐待する両親や愛玩子の弟、スクールカーストの頂点にいる陽キャ達が私に理不尽な仕打ちをしても許される(むしろ称賛される)経験を通じて、私はそう学んでいた。

理不尽な幼少期を生きたからこそ、私は自分の存在を承認されたかった。人間として価値があり、可能性に溢れているんだと認めてほしかった。

私という人間を誰も認めてくれなかったから死に物狂いで優等生を演じて、他人から偉いと称賛される役職を勝ち取った。私は悪くないと信じていた。

パワハラをする管理職やブラック企業社長の気持ちがわかる気がした。

私は寂しい。だけど潰す。

高校時代の私についてくる人はいなかったし誰も承認してくれなかった。その孤独に心を痛めて残虐性が増していく。その繰り返しだった。

独りぼっちになった私は虚しさしか感じなかった。

私はちやほやされたかった。幼少期の心の傷を埋めるように、幼稚だが昨今の異世界転生なろう系ライトノベルのように英雄になってハーレムに囲まれる人生を夢見ていた。

だが現実は甘くない。どれだけ他人の生殺与奪を握る立場に立っても、親も生徒もその他大勢の人間達も相変わらず自分のエゴむき出しで理不尽な要求を私に突きつける敵ばかりだ。理想郷は2次元の世界にしか存在しない。

散々夢を見て、私を受け入れてくれる人がいるかもと淡い期待をして、そのたびに裏切られた。

そんな私にとって他人は道具なのだ。私の目標を達成するための、そして、欲求を満たすための道具だ。慈悲などない。その程度の価値しか感じない。

人を理不尽に傷つけたとき、私の心が晴れて傷が癒える。他人の輝かしい未来を潰したとき、有能感を味わえる。

私に優しい言葉をかけてくれて、無償の愛を注いでくれる人がいたら。そんな人生も考えたが無理だろう。毒親のもとに生まれた時点で叶わぬ願いだ。

クソみたいな生き地獄の中で、私はこの病気を抱えながら生きている。

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