西月

noteクリエイター4年目。執筆の合間にプロセカやってます。 https://twit…

西月

noteクリエイター4年目。執筆の合間にプロセカやってます。 https://twitter.com/seigetunote

マガジン

  • 月夜に想ふ(2024)

    2024年の月報がまとめられています。

  • 連続投稿チャレンジ2024年1月

    連続投稿チャレンジ期間中に投稿した記事がまとめられています。

  • 書く習慣1ヶ月チャレンジ(2023.7.16~)

    いしかわゆきさんの著書『書く習慣』を読んで、僕も挑戦してみました。

  • プロセカ体験記

    プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク(通称:プロセカ)のストーリーに関する記事がまとめられています。

  • 創作

    小説やショートショートをまとめました。

最近の記事

  • 固定された記事

冬の日

 無人駅で一対の雪だるまを見た。ベンチの上にちょこんと乗った彼等の存在は、私の心を捉えて離さなかった。  首に提げていたカメラを構え、シャッターを2、3度切る。本音を言えば、このまま持って行ってしまいたかったのだが、それは叶わないと分かっていた。  触れれば、たちまちその形を失ってしまうだろう。今の私と彼の関係のように。  1時間に1本の電車が来たのは、眼前の風景を撮り終えた頃だった。乗り込む直前、バイバイと小さく手を振った。  がらんとした車内で私は撮影した写真を見返してい

    • 月夜に想ふ~2024年4月月報~

      病院月間①人生初の・・・    まさか先月に続けて病院へ行くことになるとは・・・。  新年度が始まった直後、前日の午後から右脇腹に突っ張るような違和感を感じた僕は消化器内科を受診しました。  触診でその部位を押さえられたとき、思わず「痛い痛い!」と口にしたため、急遽血液検査とCT検査を受けることになりました。  特に後者に関しては、この時が初めてでした。自分の体が白い輪っかに通されていく様は、造影剤の投与による火照りも相まって未だに脳裏に焼き付いています。  検査前、担当

      • 成瀬あかりはこれからも~『成瀬は信じた道をいく』を読んで~

         作家の宮島未奈さんのデビュー作『成瀬は天下を取りにいく』(通称:成天)の続編『成瀬は信じた道をいく』(通称:成信)でも、主人公の成瀬あかりの「圧倒的な存在感」(宮島未奈 『成瀬は信じた道をいく』 | 新潮社 (shinchosha.co.jp) )は健在でした。  大学進学とほぼ同時にびわこ大津観光大使に就任した彼女は地元をPRするため、精力的に活動していきます(「コンビーフはうまい」より)。  そして、本作のラストに収められている「探さないでください」では、NHK紅白歌合

        • 長谷川博己さん演じる主人公の明墨の前職が検事であること。 緒方直人さん演じる獄中の男(名字はシミズと判明)は、検事時代の彼が何らかの形で関わっていた人物であること。 謎はますます深まるばかりです。

        • 固定された記事

        冬の日

        • 月夜に想ふ~2024年4月月報~

        • 成瀬あかりはこれからも~『成瀬は信じた道をいく』を読んで~

        • 長谷川博己さん演じる主人公の明墨の前職が検事であること。 緒方直人さん演じる獄中の男(名字はシミズと判明)は、検事時代の彼が何らかの形で関わっていた人物であること。 謎はますます深まるばかりです。

        マガジン

        • 月夜に想ふ(2024)
          4本
        • 連続投稿チャレンジ2024年1月
          6本
        • 書く習慣1ヶ月チャレンジ(2023.7.16~)
          30本
        • プロセカ体験記
          5本
        • 創作
          11本

        記事

          検察官の不正を暴くのと引き換えに犯罪者(?)を無罪にした明墨。 彼の正義がどこへ向かうのか。 最後まで見届けたい。

          検察官の不正を暴くのと引き換えに犯罪者(?)を無罪にした明墨。 彼の正義がどこへ向かうのか。 最後まで見届けたい。

          『アンチヒーロー』第1話感想

           4月から始まった日曜劇場『アンチヒーロー』は、そのような疑問を挟む余地もないくらいスピーディーな展開で一気に引き込まれました。  同時に、自分たちが無意識の内に抱いている差別や偏見に気付かされるシーンもありました。  中でも印象に残っているのが、弁護士の明墨が法廷の場で事件の第一発見者である尾形の障害を暴露するシーンです。障害を理由に不当解雇され、職を転々としてきた過去が彼にはあったのです。 「あんた人の病気のこと晒してまで勝ちたいのかよ?」  激高する尾形に対し、明墨

          『アンチヒーロー』第1話感想

          成瀬とあの娘の話~『成瀬は天下を取りにいく』を読んで~

          はじめに 冒頭の台詞から、この娘ただ者ではないなと直感しました。  作家の宮島未奈さんのデビュー作『成瀬は天下を取りにいく』(通称:成天)は、風変わりな女子学生成瀬あかりと彼女を取り巻く人々の姿が描かれた連作短編集です。  いずれも彼女がいかに常人離れした人物であるかを物語るエピソードといえます。  本稿では成瀬の同級生2人に焦点を当てていきたいと思います。 成瀬とかえでの話  「他人の目を気にすることなくマイペースに生きている」成瀬と対照的に描かれているのが、高校のクラ

          成瀬とあの娘の話~『成瀬は天下を取りにいく』を読んで~

          アイドルのカタチ~モモジャン初ワンマンまでの軌跡を辿ったら、尊死した件④~

          (*)本稿はイベントストーリーのネタバレが含まれているため、視聴後にお読みいただくことをおすすめします。 ↓前回の投稿はこちら  上の画像は、「MORE MORE JUMP! 」(通称:モモジャン)の桃井愛莉が「QT」というアイドルグループにいた頃のキャッチフレーズです。モモジャン結成後も持ち前の明るさでグループを引っ張っていきます。  今回ご紹介させていただくのは、彼女をメインとした「ハッピー・ラブリー・エブリデイ!」というイベントストーリーです。  みのり、遥、愛莉、

          アイドルのカタチ~モモジャン初ワンマンまでの軌跡を辿ったら、尊死した件④~

          月夜に想ふ(2024年3月月報)

           今月上旬、膝や肘の痛みで整形外科を2回も受診する羽目になってしまいました。  1回目の発症は、信号のない交差点を通った時です。横断歩道を渡りきった直後、左膝がカクッとなってしまったのです。会社に着いてからも違和感は拭えず、その日は急遽午前中で早退することになりました。帰宅後、車で約20分のところにある整形外科を受診。そこに足を運んだのは、中学時代に部活の練習で捻挫して以来でした。レントゲンを撮影してもらった結果、筋肉の炎症によるものと診断されました。その後、薬局で処方された

          月夜に想ふ(2024年3月月報)

          月夜に想ふ(2024年2月月報)

          ローティ『偶然性・アイロニー・連帯』(NHK100分de名著 2024年2月)  今月は「NHK100分de名著」に関する記事を3本投稿させていただきました。  この番組を通して、哲学書を手に取ったのは、アリストテレスの『ニコマコス倫理学』(2022年5月放送)以来で、中々読み応えのある本でした。  また、機会があれば、「NHK100分de名著」の振り返り記事を執筆させていただきたいと思います。 今月読んだ本① ローティ『偶然性・アイロニー・連帯』「NHK100分de名著

          月夜に想ふ(2024年2月月報)

          あの言葉があったから~モモジャン初ワンマンまでの軌跡を辿ったら、尊死した件③~

          (*)本稿は、メインストーリー及びイベントストーリーのネタバレを含むため、視聴後にお読みいただくことをオススメします。 ↓前回の記事はこちらから  イベントストーリー「頑張るあなたにBreak Time!」では、「日々の練習に自主練、学校の勉強やアイドル活動」(プロセカ公式YouTubeの概要欄を参照)に励む遥の日常が描かれています。  また何事にもストイックに取り組む彼女に息抜きしてもらおうとモモジャンメンバー(とりわけ雫)が奮闘する、という内容でもあります。  その中

          あの言葉があったから~モモジャン初ワンマンまでの軌跡を辿ったら、尊死した件③~

          会話を続けるために~ローティ『偶然性・アイロニー・連帯』第4回振り返り~(NHK100分de名著 2024年2月)

          ↓前回までの記事  この1文にもある通り、第4回は、「連帯」をキーワードに番組が進行していきます。  ここでいう「小さき断片」とは、「小さな共感や、一人ひとり個別の人間に対しての同情やシンパシーといったもの」(テキストp.81)を指しています。ローティは、「他者の苦痛に対するわれわれの感性を高める」(同掲)というところに文学の役割を見出したのではないでしょうか。  また、『偶然性・アイロニー・連帯』の第9章で、ローティは「連帯」について次のように述べています。  「「われ

          会話を続けるために~ローティ『偶然性・アイロニー・連帯』第4回振り返り~(NHK100分de名著 2024年2月)

          パステルブルーの指先で描かれたものは~潮井エムコ『置かれた場所であばれたい』レビュー~

           『置かれた場所であばれたい』(通称:置かあば)は、noteクリエイターである潮井エムコさん初のエッセイ集です。  今回は全26編の中から印象的だったエピソードをいくつかご紹介させていただきます。 学生結婚と子育て  近年、教員のブラックな労働環境が新聞やテレビなどで報じられています。  そのような状況でありながらも、生徒を教え導こうとする先生の姿に光明を見出しました。  高校時代、その先生に巡り会えたことは、作者にとって僥倖だったのではないでしょうか。 やさしい裏切り

          パステルブルーの指先で描かれたものは~潮井エムコ『置かれた場所であばれたい』レビュー~

          ローティ『偶然性・アイロニー・連帯』第2、3回振り返り(NHK100分de名著 2024年2月)

          第2回 「公私混同」はなぜ悪い?  アメリカの哲学者リチャード・ローティの著書『偶然性・アイロニー・連帯』の序論には、次のようなことが記されています。  この冒頭部分には、ローティの根本思想が集約されているといえます。  「リベラル・ユートピアの可能性」について考えていく上で、重要なワードが2つあります。  1つは、「終極の語彙」です。  それは絶対のものではなく、「よりよくなる可能性に開かれたもの」(テキストp.37)だといいます。その点では、第1回で語られていた「再

          ローティ『偶然性・アイロニー・連帯』第2、3回振り返り(NHK100分de名著 2024年2月)

          月夜に想ふ(2024年1月月報)

           2024年から他のnoteクリエイターの方々に倣って月報をまとめることにしました。 連続投稿チャレンジ 年明けから「連続投稿チャレンジ」というお題企画に参加させて頂きました。その期間中に投稿した記事は、以下の通りです。 連載「モモジャン初ワンマンまでの軌跡を辿ったら、尊死した件」スタート!  2024年からスマートフォンゲーム『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』(通称:プロセカ)に登場する4人組アイドルユニット『MORE MORE JUMP!

          月夜に想ふ(2024年1月月報)

          ローティ『偶然性・アイロニー・連帯』第1回振り返り(NHK100分de名著 2024年2月)

           アメリカの哲学者リチャード・ローティの著書『アメリカ 未完のプロジェクト』に「ドナルド・トランプ新大統領の誕生を予言したかのような内容」(テキストp.5)が含まれていることに驚きを隠せなかった。  その慧眼ゆえに彼は哲学界で孤立していったのだろう。  それでもなお哲学の新しい形を示そうとしたローティの姿勢に学ぶべきポイントも多いのではないだろうか。  2024年2月の「NHK100分de名著」では、ローティの『偶然性・アイロニー・連帯』を読み解いていく。  残りの3回で「近

          ローティ『偶然性・アイロニー・連帯』第1回振り返り(NHK100分de名著 2024年2月)