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ハカタブルクにて芳雄閣下を拝んできました -エリザベート@博多座-

【1/30の配信で色々思い出したのでこっそり加筆しました】

ちゅうもーく!!!
(by ルキーニ)

博多座
黒い羽根があちこちに

ということで、念願の博多座観劇してきたよ!!!

あらゆる先行で落ちまくり、一般発売でなんとかして1枚取れた、井上芳雄トート回。

個人的な旅の思い出は別の記事に書こうと思っているので、ここでは博多座の印象と、エリザの観劇レポを興奮冷めやらぬうちに書いていきます。


近所に欲しい博多座

博多座は前々から良い評判しか聞いていなかったのですが、その通りどころか、評判以上の素晴らしさでした。

アクセスが良い。

私は飛行機で来ましたが、そのまま地下鉄乗ったら10分足らずで最寄りへ。
しかも、直結!
便利すぎて通いやすいったらありゃしない!

人が良い。

劇場内で色々買い物したのですが、お店の方々みんな優しかったし、私のような遠征民に情報教えてくれる方もいらっしゃって、開演前からめちゃくちゃ充実した気持ちでした。
お店のアクリル板にもトートの黒い羽根いっぱい付いてて、そのことをお店のおばちゃんに言ったら
「いちおうね~、付いてるんです~(笑)」
ってお茶目に話してくださいましたw

サービス精神。

博多座さんはSNSでも日頃から面白い発信をされていますが、それは現地でも同じ。

階段を撮ろうとすると人がいっぱいで撮れない〜とか、アクスタと一緒に撮るのが上手くいかない〜との声に応えて、ミニチュアのフォトスポットがあちこちに!

フォトスポットにて芳雄閣下と

こちらが、からくり。

後ろはこうなっているわけです


観やすさ。

私は3階からの観劇でした。
でも、遠いという感想は出てこなくて、上から全体を見渡せる視界の良さがむしろクセになってしまったほど。
開けた感じで、帝劇の2階から見えなかった何かが博多座の3階からは見えました。
(帝劇をディスっているわけではなくて、博多座が他にない何かを持ち合わせているということよ!)

音の響き。

音響もとても良かったです。
音がピタッと止まるようなとき……
例えば、2幕でトートがルキーニにナイフ渡すときとか、シシィがルキーニに刺されるときとか、そこで止まった音の余韻まで響いてきました。
もちろん、台詞が聞こえないなんてことは全くないし、歌声も演奏もバランス良く聞こえてきましたね。


ということで、博多座が近くに欲しい人生でした。
(引っ越せば可能だけども)


エリザベート本編の感想

20230128@博多座
エリザベート

キャスト

キャストボード

上山ルキーニはじめまして。
子ルドの巧くんもはじめまして。
個人的に、今期のルキーニと子ルドをこの回で制覇することができました。
古川トート、シュガンツ、たーたんゾフィーだけ観られなかったのは寂しいですが、作品観られるだけで感謝よ……。

私が帝劇で観てきた昨年秋の感想も貼っておきますね。
過去ログを辿れば、他の回もあります。


芳雄トートとの(一方的な)再会

私、初めて井上芳雄さんを生で観たのが、2019年のエリザベートだったんです。
そこで一気に落ちました。

登場の瞬間に、この日のことを思い出してしまって、何故かそこで涙目になるという。

あのさ、芳雄さんさ、本当に博多座だけのために今回「トートの練習」してたの?それとも地元パワー?
あのね、すっごくパワフルでした。
キング感、増しまし。

前回からの変化や今回の特徴を箇条書きすると、こんな感じ。

  • トートのために痩せたはずなのにビッグに見える井上芳雄

  • いつでも手先が妖しい

  • ネチネチ度も増しまし(2019年比)

  • ドクトルめっちゃ老けたね

  • ピストル食べちゃいそう=ルドルフが食われそう

  • シシィに感化されて感情剥き出し

  • “笑い”のバリエーション増えた

  • 笑みが怖くて最高

  • 「死」なのにめっちゃ生き生きしてる=シシィの写し鏡?

  • シシィに拒絶されると途端に「無」に戻る


前回と変わらなくて「私の知ってる閣下だ~」って思ったのは、以下の通り。

  • シシィに拒否られて蠟燭の灯りを消すのは己の手

  • エーヤンで鞭打つタイミングがピタリ賞

  • 芳雄トート特有のマントさばき


ざっと読んで分かることと分からないことがあると思うので、ここから詳しく書いていきますね。
あと、私は今期の古川トートを観ていないので、「それ今回うちのトートもやってたよ!」みたいなのもあるかもしれませんがご容赦ください。
いずれにせよ、山崎トートと比べようとしても今回の芳雄トートで一気に塗り替えられたので、比べるもんじゃないな!とは思っていますけどね!


愛と死の輪舞で再び落ちる

芳雄さんに完全に落ちたのが19年のエリザだった私ですが、そのとき以上に、歌にもやられました。
「返してやろう」の伸ばし方が、前よりも強くなってて好き!
最後にシシィの顔の前で手をふわっとさせて気絶(?)させる仕草も好きです芳トト。
落ちずにはいられない……。


最後のダンス

「皇帝陛下と争う」〜「私から逃れて」のあたり、嘲笑いながら歌ってたんです。
「お前、あんな奴がいいのか?」みたいな感じで。
‪万里生フランツ‬だから余計かもしれない。笑

このときの閣下はハイパー無敵モードなので、「俺」しか見えてない。
シシィがつぶれてしまいそう。
そして、自分に酔っている。
そんな楽しそうな芳トトを見ているのが私は好きです。


長女ゾフィーの死

芳トト、TD(トートダンサー)たちが持つ棺を操るように手を動かしていて、そこはまだ冷淡な死神の表情なんですけど、長女が死んでしまってシシィが悲鳴を上げたあたり、めちゃくちゃ悪い表情で笑ってたんですよ!!!
なんですか……あの素晴らしく変態な閣下は……
ちょっと私の情緒がおかしくなりました。


エリザベート泣かないで

椅子の後ろからトートが出てくる場面、上から覗くところまでは育トトとほぼ同じ。
だけど、そこから一気に上から目線になるのが芳トト。
俺様度が強くて、絶対シシィに拒絶されるわけがないって思いこんでる。
だけど、拒絶されて虚無になり、その表情のまま、手で灯りを消してしまうんですよね。
拒絶されるまではめっちゃ余裕でニヤニヤしてるのに拒絶された途端に表情が固まるので、その一連の表情の変化を見るのが、未知の生き物を観察しているかのようですごく楽しかったです。


粘着質ナンバーワン

19年のとき、花總シシィに対してはねちっこさを感じていたのですが、対ちゃぴシシィだと、それほどでもないな?と思っていたんです。
ちゃぴが退団して最初の作品だったのと、私が当時観たのが初日近かったのもあるかもしれませんが。

でもね、今回はちゃぴシシィに対しても、だいぶねちっこさ増してましたよね。
(言葉を選びたいんですけど私の中では最大級の褒め言葉なので許してほしい)

「私が踊る時」、19年だと花總シシィの首元から指先までベタベタ触っていた閣下だけども、今回のちゃぴシシィだと、触る行為よりも、シシィの首元から指先にかけて、自分の顔というか目と口元をベタベタ近づけていたので、それはそれでだいぶ変態でした。
(めっちゃ褒めてる)


ルキーニに対するアクションとルキーニの反応

ルキーニが狂言回しの作品なので、やはりトートの存在って“ルキーニが思う黄泉の帝王”だと思うんです。
それゆえ、トート閣下からもルキーニに対するアクションが多かったですね。
去るときにポンポン叩いたり、ギューっとしてみたり。
対シシィのようにネチネチしていました。
(私は何度この表現をすれば気が済むんだ……?)
しかも、それを受けて上山ルキーニがうっとりしてるんですよね。
上山ルキーニの芳雄トートへの陶酔っぷりもすごかったです。


タイミングピタリ賞‪

2幕、エーヤンで芳トトが鞭打つときのタイミングがぴったりだというのは19年のときから思っていますが、今回もそうでした。
私が観てきたどのトートの中でもやはり芳雄トートがピタリ賞でビジュアル的にも好きなんです……。


「私が踊る時」バトル

これについてはちゃぴシシィもすごくて、今回のちゃぴシシィは意志の強さがすごいと思っているんです。
めっちゃ好き!
「私だけに」のラストも、1幕ラストの三重唱も、とにかく強い。
そして、それがMAXになるのが、「私が踊る時」。
ここ、ちゃぴシシィと芳雄トートがそれぞれ感情MAXで強いから、観ていて張り合いがありました!
バチバチのバトルって感じで、ものすごく見応えあって大好きです。
どっちも勝ち気というか負けん気が強い~!


皇后陛下の体操室

まず、芳雄ドクトルが前よりも老けましたね。
声色全然違う!
おじいちゃんみが増していて、やはり人間チック。
「性的な」が強かったのも、シシィの感情を動かすためというか、感情を寄せたかったのかな……。

シシィの胸元のリボンを解いた怪しい手つきのまま、ブラウスのボタンの線に沿っておへそまで撫でるように手を下ろしていって、コルセットを外す……。
その一連の動作がどう考えてもエロくて、あの、これ文字で書くと誤解を招きそうなので(?)見ていただきたい……(??)
とにかく、あれはやばい。
(語彙力をなくし始めました)

「待っていた!!!」から一気にリミッター外れてしまう閣下がもはや愛おしいです。


ルドルフへの扱い=ピストルの扱い

ママ何処、今回も子ルドの「猫を殺した」を聞いた途端に目を見開いた状態で子ルドを凝視する閣下。(ここ好き)
最後、ピストル向けるのは前と同じだけども、向けるまでの間の取り方が変わった気がしました。
もうね、ピストル食べちゃうんじゃないかってくらい、愛おしそうに眺めて口元に近づけるんですよ。
その後で、子ルドの背中に向ける。

その後、青年ルドルフに対して「死にたいのか?」って言う場面。
「死にたいのか?」を言ってからの、ピストルを上に掲げる動きが、ものすっっごくスローモーションで、間の取り方がすごかったんですよね。

というのも……タイミングは前後しますが、子ルドにピストル渡したとき、芳トトは小指が立ってるんですよ。
そこからの、青年ルドに向って「死にたいのか?」の後にピストルを掲げたときの手元を見てみると、ここでも小指が立ってるんですよ!!!
ここで繋げてきたのか~!!!

間の取り方について。
閣下としては、ルドルフが死を決意するのを「待ってました!」って思ってるはずなのに、芳雄トートはここでめちゃくちゃ焦らすわけです。
ということは、ピストルを大切に扱う=ルドルフのことは時間をかけて大切に葬ってやりたいみたいな感情が、そうさせたんじゃないかなぁ。
芳雄さんがどういうアプローチでそうしたのかは分かりませんが、私はそう思いました。

ルドルフとピストルといえば、もちろんその後のシーンもありますよね。
トートがピストルをルドルフに渡す場面。
渡すまで焦らすのは、これまでもそうだし、他のトートもそうなんだけど、芳雄トートはとにかくピストルをとっても大事に扱うんです。
大事というか、本当にピストルを口に含みそうな勢いで、じとーっと、恍惚とした目つきでピストルを眺めてから、ようやくルドルフに渡すんです。

まぁそもそも、ピストルの有無に関わらず、芳雄トートが口元を怪しく撫でる?拭う?ような仕草が今回本当に多くてですね、それだけで妖艶なんですよねってことも記しておきます。


ルドルフの最期

キスの時も、芳トトはやはり間がありました。
立石ルドが覚悟したのを確認してからキスして、それを受けた立石ルドも、すごく間をとって、覚悟を決めてから、笑って撃ち抜いていました。
この瞬間、私の中で何かが弾けました。
すごく清々しい表情が、立石ルドの最期だったんです。
昨年初めて帝劇で立石くんのルドルフを観て、「彼のルドルフ、好きかも」と思ってはいましたが……
今回、それが確信に変わりました。

そんな立石ルドのことを考えると、芳トトの行為や表情は、ルドルフへの優しさであり、ルドルフのことを愛おしく思ったからこそのものだったんじゃないかなぁ。

芳雄トートも、立石ルドも、それぞれ笑みが怖くて、最高でした。
「すげぇもん見た」って感じです。


「闇が広がる」が広がる

博多座は、闇広の影コーラスの響きがすごかったです。
やはり音響が違うんですね。
他の劇場だと、トートとルドルフの密かな世界を包み込むようなコーラス。
それが博多座だと、トートとルドルフの世界に融合して世界が増大していくようなコーラスでした。


死神が一番生き生きとしている悪夢

全編通して感情的でいろんな笑みを見せていた芳雄トートですが、「悪夢」での楽しそうなことこの上ない。
黄泉の帝王なのに一番生き生きとしていたよ?!

だけど、これはトートがエリザベートと出会ってから感じてきた思いの集大成だから、きっとそれが爆発したんでしょうね。
最終的に、トートの存在は、シシィの鏡になって、シシィ自身も、トートの鏡になった。
ルドルフが母エリザベートに対して「僕はママの鏡だから」と訴えるけれど、ルドルフ以上に、トートがエリザベートの鏡になっていたんじゃないかなぁ。
そんなことを、今回のキャストで観て思ったのでした。


ラストシーン

トートにキスをしたエリザベートは「生きたお前」ではなくなってしまうので、ラストシーンのトートは複雑です。
そんなトートの表情ですが、前回の芳雄トートよりも、今回のほうが、より深いものになっていたように思いました。
今まで味わったことのない感情を得てしまって、どうしたらいいのか分からなくなっている。
そんな思いを、芳雄トートの最後の表情から私は読み取りました。

それに加えて、シシィが抱きついてきたときのトートがとっても純粋なのがとても良いのです。
あんなにもシシィに執着していたのに、シシィが自分のところに飛び込んできた途端、自分の腕をどうすればいいのか、扱いに困ってしまう。
その一瞬のピュアさが人間らしくて、エリザベートに感化されたのが分かって、すごく好きです。
芳雄トート目線で見た場合、エリザベートから「生」を奪うだけでなく、閣下自ら「人間らしさ」を得ていく過程を、この作品から垣間見ることができました。

エリザベートって、何度観ても解釈変わったり増えたりするし、「死」の概念に正解がないので、いろんな見方ができるんですよね。
そして、「死」を描いているのに、「生きよう」と思える。
「死」を描くからこそ、その思いが強くなるのかもしれません。


万里生の話もさせてください

私は万里生さん推しでもあるのでね、やはりここで田代万里生の話もさせてくれ。

万里生‬フランツ、バートイシュルの銃のところはやはり見てしまうんですよね。
バーンバーン!→「やぁ!」までの一連の表情は必ず見ていたいマリンツ。

あんなにもフレッシュな表情と声色だったのに、どんどん老け込んでいくわけで、それが自然すぎるからマリンツはすごいんです。

帝劇のとき以上に役に没入していた気がしたマリンツ……
歳のとり方とやつれ方がすごかったです。
(全力で褒めています)


まとめ

もちろん、全体的なことも他のキャストのことでも素晴らしいことはたくさんあったのですが、今回ばかりは「博多座井上芳雄トートスペシャル」としてまとめさせてください。

やはり、私のトート閣下は井上芳雄さまでした。

……とか言いながら、帝劇の山崎トートの舞台写真に惹かれて舞台写真版のプログラムを買って帰ってきた私なのでした。
(お写真めちゃくちゃ良かったです)


カーテンコール

芳雄さんはカテコでみんな並んだ時、いつもお隣のフランツのキャストと何か話しながら下がる、ということを19年のときにおっしゃっていましたが、この日も万里生さんと仲良さそうに話しておいででした。
よしまりが仲良しだとみんな幸せになるわ……。

Wカテコでシシィとトートだけが出てくるときのこと。
芳雄さん相変わらず勢いよくお辞儀して勢いよく振り返るもんだから、髪が頬についちゃったんですよね。
それを、ちゃぴがちゃんと払ってあげてたんです。
優しさ……かわいい……。

その後、鳴りやまない拍手に再度2人で出てきてくれたとき、芳雄さん、振り返ったタイミングで、ちゃんと自分で自分の頬をぺっ!って払って、髪がひっつかないようにしていました(笑)
もうねー、こういう頭の回転の速さというか適応力がすごいんですよ、井上芳雄という人は。
ちゃぴもかわいくめっちゃ笑ってて微笑ましかったー!
本編のトートはどこに行ったんか?!ってくらい、楽しいカテコでした。



以上、念願の博多座エリザ、ご当地芳雄トートバージョンでした!
長々と書いてしまいましたが、お付き合いいただきありがとうございました!!!


サポートは不要です。読んでくださったあなたと、またどこかでご縁がありますように。