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タニ―フェイの瞳

ジェシカ・チャステインが好きだ。「女神の見えざる手」が特に好き。
そんな彼女がアカデミー賞主演女優賞を受賞した作品

とはいえ、
なんでこの映画がアカデミー賞取れたんだろうっていうのと、
なんで日本では劇場公開されずに、ディズニープラスだけで配信されてるのはなぜか?と思っていた

アカデミー賞受賞2023

それは、タニ―フェイがアメリカでは有名なTV宣教師で知名度があったことと、宗教がらみのクレージーさを表した映画であったってことで、日本ではなじみがなく興行的にも望めなかったんだろう。
アカデミー賞とったからと言って日本人が楽しめる映画とは限らないのはよくある話。 アメリカの社会のひずみを描いた映画とか黒人映画とか、日本ではよくわからない映画は多い。

「ウルフオブウォールストリート」に近い「アメリカンビューティー」ぐらいから続くアメリカ狂ってますよ映画だった。
そりゃ日本人は引いちゃうよ。

始めはダルい

アメリカのテレビ伝道師タミー・フェイ・ベイカーとジム・ベイカー夫妻の生涯を描いた伝記映画。1970年代から80年代にかけて、彼らはテレビ番組『PTLクラブ』で絶大な人気を博し、えげつなくお金を集めましたが、金銭的な不正やスキャンダルにより、彼らの築いた帝国は崩壊していく。

PTLは「Praise The Lord」または「People That Love」の略で、ジム・ベイカーが設立したテレビネットワークおよびその看板番組の名前。この番組は、キリスト教福音派のメッセージを広めることを目的。

PTLを立ち上げる前、宗教番組の司会をやってる時のタニ―フェイの純粋さは、なんか気持ち悪い。吹き替えで見たけんだけど媚びるようなその場の波風を立てないようにする変な笑い方が象徴的。それはずっと続く。
なんだかんだあるけど、結構ダルい


まぁそうなってくんだろうなって展開で、えげつなく献金で金を集めて、不倫して金を使って堕ちていく。
タニ―フェイなんか知らなくても先が読めるシナリオ
自伝物はだいたいそうだし、劇的な演出がない限り人生はそんなもんだ
大きい波か小さい波かの違い。


そして、転落していく

映画でも史実としても、ジム・ベイカーは性的暴行や脱税の罪で告発され、有罪となり投獄される

彼らが築いたPTLからも遠ざけられ、タニ―フェイは教会からも離れていく
その後PTLは崩壊する

資金面も厳しくなっていくんだけど、貧しくなった象徴がホンダのアコードってあんまりだ。まぁいいけど

1994年 そしてエンディング

映画的には、最後に大学に招かれて歌を歌いきるところでエンドロールとなるきれいな終わりかただ。
実際は、獄中のジム・バッカーと離婚し、不動産開発業者のロー・メスナーと結婚した。そして2007年大腸がんで65歳で亡くなる。
その間もTV番組にいくつか出演している

「ウルフオブウォールストリート」でも思ったけど、アメリカは一度成功すると、転落しても服役してもなんとなく金持ちに戻ってる。
支援者がいるんだろう。 不思議な国だ

後は厚化粧過ぎて、ジェシカ・チャステインの顔がもうわからない



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