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サスティナブルシーフードにはどんな食べ物があるの?

SDGsと同じように、最近耳にする機会も増えている「サスティナブル」。
飲食業界にもその取り組みは広まっているんですよ♪

その代表的なものが「サスティナブルシーフード」。

サスティナブルシーフードとはどのようなものなのでしょうか?サスティナブルの基本的な内容と合わせてご紹介します★

■サスティナブルとは持続可能なもののこと

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「サスティナブルってなんのこと?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか?実は、英語にしてみると分かりやすいんです!

サスティナブルは英語で「Sustainable」。

これは、sustain(持続する)とable(~できる)が合わさった言葉。つまり、「継続することができる〇〇」という意味であることが分かります。現在では「持続可能な〇〇」という意味で使われる環境的なワードです。

同じくサスティナビリティというワードも耳にしますよね。

サスティナビリティはサスティナブルの名詞形。
「持続可能性」という意味に訳され、文章によって使い分けられています。

【持続可能性とは】
未来に向かって継続できるシステムやプロセスなどのこと。

もちろん、ただ単に継続することがサスティナブルなものとして認められることはありません。

現代の国際社会では、環境保全や経済、人間社会など、あらゆる分野を平等に考慮することを前提に、未来に渡って続けられるシステムやプロセスが求められています。

人・社会・環境にとって優しいサスティナブルな社会の実現は国際社会の目指すものとして取り組まれており、SDGsにも深く関係しているんですよ♪

■サスティナブルシーフードってどんな魚介類?

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サスティナブルシーフードとは、環境に配慮した漁業の仕組みによって漁獲された魚介類のことを指して使われる言葉です。

普段、私たちがよく口にする魚介類ですが、危機的状況に陥っています。なかには、近い将来食べられなくなるかもしれないものも!例えば、人気のマグロは、IUCN(国際自然保護連合)が絶滅危惧種に指定しています。

水産庁は『平成28年度 我が国周辺水域の資源評価』にて、漁獲可能量制度の対象魚種のうち50魚種84系群が枯渇していると公表しています。

未来でも安心して好きな魚介類を食べるためには、サスティナブルな漁業による水産資源の保全と海洋汚染の問題をクリアしなければなりません。

■漁獲量を適切に管理しよう!

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魚介類は、人だけでなく他の動物の食糧としても存在していますよね。

通常であれば、食糧として個体が減っても自然に繁殖、成長するため全体数が急激に減ることはありません。しかし、人が過剰漁業や違法漁業を行うことで自然な循環が阻害され、個体数が急激に減ってしまいます。

当然のことかもしれませんが、実は世界で約33%の魚介類が余分に獲られているとの報告も!

漁獲量を管理することは、需要と供給のバランスの問題や漁業者の収入減少にも直結するため、過剰漁業を無くすことは困難なのが現状です。

■忘れちゃいけない食品ロス問題

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食品ロスとは、食べられるのに捨ててしまうこと。
今世界中で深刻化している問題です。

漁業では、傷がついたものや規格外のサイズのもの、需要が無い種類の魚介類なども廃棄されてしまっています。廃棄される魚介類の中には、他の魚と同様においしく食べれるもの、また知られていないだけでおいしい味の魚介類もいるので廃棄するのはもったいないですよね。

しかし、現在では廃棄されてしまう魚介類を買取り提供する飲食店も少しずつ増えてきています。なかには、日替わりの魚料理として一般的な魚から高級魚、珍しい魚などを安価に提供している人気店も!

日本の飲食店にもサスティナビリティが浸透していることが分かります♬

■サスティナブルシーフードが認証マークがある!

サスティナブルシーフードには2つの認証マークが付いています。

その認証マークが「MSC認証」と「ASC認証」。
この2つの認証マークがサスティナブルシーフードの証です。

ここからは2つの認証マークについて見ていきましょう!

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MSC認証は、「海のエコラベル」として天然魚に付与される認証マーク。
MSC漁業認証を取得した漁業者によって獲られた魚介類に付与されます。

MSC漁業認証は3つの原則があるんですよ♪

原則1:資源の持続可能性
過剰な漁獲を行わず資源を枯渇させないこと。枯渇した資源については回復を論証できる方法で漁業を行うこと。

原則2:漁業が生態系に与える影響
漁業が依存する生態系の構造、多様性、生産力等を維持できる形で漁業を行うこと。

原則3:漁業の管理システム
地域や国内、国際的なルールを尊重した管理システムを有すること。また、持続可能な資源利用を行うための制度や体制を有すること。

(引用:サスティナブル・シーフード・ウィーク2020|MSC認証を取得している日本国内の漁業

2020年9月現在の情報で、MSC漁業認証を受けているのは日本の漁業者は以下の通りです。

・北海道漁業協同組合連合会:ホタテガイ漁業
・明豊漁業株式会社(宮城県塩釜市):カツオ・ビンナガ一本釣り漁業
・石原水産株式会社(静岡県焼津市):カツオ・ビンナガ一本釣り漁業
・マルト水産株式会社(兵庫県相生市):垂下式カキ漁業
・株式会社臼福本店(宮城県気仙沼市):タイセイヨウマグロはえ縄漁業

(引用:サスティナブル・シーフード・ウィーク2020|「サステナブル・シーフード」とは?

MSC認証マークが付けられた魚介類を消費者が積極的に消費することで、環境を考慮した上で営む漁業者を支える支援に繋がります。

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MSC認証が天然(漁業)の魚介類にのみ付与されるのに対し、ASC認証は養殖(養殖場)の魚介類に付与される認証です。

現在、養殖魚は水産生産量の半分を占めています。

近い将来に予測される食糧不足を解消する意味でも重要な役割を担っている養殖ですが、養殖魚のエサとなる天然魚を乱獲したり、養殖場自体が環境破壊の一面を持っていたりすることも少なくありません。

ASC認証が付与されたものは、環境へのダメージが少なく、地域社会にも配慮している養殖場が出荷した魚介類に付与されています。

ASCもMSCと同様に、養殖場そのものを認証するASC養殖場認証と養殖水産物の加工・流通過程の組織を対象としたASC CoC(チェーン・オブ・カストディ)認証があります。

ASC養殖場認証は以下の3つのポイントを審査して認証を付与します。

・自然環境や資源を持続可能な状態で利用しているか
・養殖漁場からの環境負荷を軽減しているか
・労働環境や地域社会に配慮して運営されているか

(引用:intertek|ASC CoC 認証【水産養殖管理協議会認証】

現在、日本では67の養殖場がASC認証を受けているほか、ASC CoC認証取得企業は144社、約300の商品が日本で登録されているそうです★

■サスティナブルシーフードを選んで食べよう!

サスティナブルシーフードは、日本ではあまり認知されていないのが現状ですが、パナソニックの社員食堂で提供されるようになったり、サスティナブルシーフードを取り扱う飲食店ができたりと今後が期待されています。

MSCやASCの認証を受けている漁業者の魚介類を選んで消費し需要を増やすことは、未来にとってプラスに!

スーパーマーケットなどで魚を購入する時は、ぜひ認証マークの有無を確認してみてください★

以上、「サスティナブルシーフードにはどんな食べ物があるの?」でした!

▼参考サイト
サスティナブル・シーフード・ウィーク2020|ASCとは?

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