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《20》スポーツ業界の事例(グローバルポーターズ㈱)~野球人口増へ用品再生~

業界別のSDGs事例紹介。

今回ご紹介するのはスポーツ業界。東京都大田区に本社を置くグローバルポーターズ㈱の事例です。

https://www.global-porters.com/


代表の米沢谷さんは高校球児として野球に打ち込んだ経験から「野球界に貢献したい。子どもたちに野球を始めてほしい」との思いを持ち、

1人でも多くの子供たちに野球の楽しさを、そして野球を世界のスポーツへ」を企業理念に掲げ、2017年に野球用品の会社を起業。

いまではプロ野球7球団のオフィシャルグッズを制作・販売しています。

同社の主要事業は野球グローブの修理とリメイク

近年、野球人口は減少傾向にあるものの、野球連盟などの登録者および未登録の草野球プレイヤーが約500万人存在し、流通するグローブは年間約100万個と言われます。

グローブの多くは上質な天然皮革が使われていますが、使用済みのものが廃棄されるケースが非常に多くあります。

また、原材料費や生産国の人件費高騰に伴い、販売価格が年々上昇していることでプレイヤーの経済負担が高まり、野球を継続することが難しくなってきているという課題もあります。

このような市場環境下において、同社は使用済みや休眠中のグローブが廃棄される前に集めて、高度な加工技術で高品質かつ低価格のグローブに再生する「野球グローブ再生工房Re Birth」をオープン。

サーキュラーエコノミー(※)を野球産業の新しい文化として醸成していくことで野球人口の増加に貢献するとともに、地球環境にやさしい持続可能な「未来の野球界」の創造を目指しておられます。

また、グローブの再生だけでなく、長い間大切に使ってきたグローブを自分のお気に入りの場所に飾れるよう、独自の技術で長期間保存可能に加工し、インテリアとして楽しんでもらう「思い出リメイク」というサービスや、

長年使ったグローブを裁断・加工してグローブ再生職人が手作業で革小物など別の製品を作り上げるなどのサービスも展開されています。
 
スポーツは言葉が通じなくても一緒に盛り上がったり悲しんだり、感情を共有できるものであり、そこには人種も男女も経済的格差も関係ありません。

SDGsが目指す一つの目標である「世界平和」の実現に向け、今後も本事例のようにスポーツに関わる業界からイノベーションが生まれていくことを期待したいと思います。

(※注釈)サーキュラーエコノミー・・・廃棄が前提とされていた製品や原材料などを、新たな「資源」として経済活動の生産・消費・廃棄といった複層的な段階で再活用させることで、廃棄物を出さずに資源を循環させる経済の仕組み。

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