HOLON|Parure〜Earrings
今回ご紹介するタイポグラフィ作品もバッハ《マタイ受難曲》を題材にした一作です。
↓既にご紹介済みの《St Matthew Passion》↓
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リトグラフ作品|Parure〜Earrings
ペトロの三度の否認の後に歌われる悔悛のアリア「憐れみ給え、わが神よ」が本作の題材——三度の否認への悔悛を三粒の涙に託し、楽譜を涙のような形のイヤリングとして表現したリトグラフ作品です。
「観る音楽」をお楽しみ頂けましたら幸いです。
2016年に開催した霧とリボン イースター企画展《スクリプトリウムII〜音楽を記述する試み》にて発表。写字という行為をより押し広げ、「音楽の言葉(詩と楽譜)」を「カリグラフィ(佐分利史子さま)」と「装飾を重視したオリジナル・アルファベット書体(HOLON)」によって記述した作品を発表しました。
本作《Parure〜Earrings》は、「音楽を身につける」をテーマに、楽譜をジュエリーに見立てたシリーズのうち、「Earrings|イヤリング」を模した作品になります。
《Parure|パリュール》とは、ティアラ、ネックレス、イヤリング、ブレスレット、ブローチの一揃いのジュエリーのこと。
展覧会ではほかに、ティアラ、ネックレス(ロザリオ)はじめ、一揃いのパリュールになるよう作品を制作、他作品も改めてご紹介したいと思います。
題材は、《マタイ受難曲》より、ペトロの三度の否認の後に歌われる悔悛のアリア「憐れみ給え、わが神よ」。
「ドイツ語の歌詞(憐れみ給え、わが神よ、この涙ゆえに)」をオリジナル書体「セメタリー・ゲイツ」で組んでいます。斜めに走っている線部分が書体で組まれた歌詞に当たります。
また、対応する楽譜をオリジナル書体「薔薇窓」のエレメントを音符に置き換えて、縦方向に走る三本の五線譜の上にのせています。
本作に設定した記譜法
キャンソンエディッション紙に菫色と濃灰色の二色刷りリトグラフ作品です。サイン・限定ナンバー・刻印入り。
書体「セメタリー・ゲイツ」は、生と死の狭間に位置する墓地のアイアン細工の門をモチーフにした書体。本作には、「セメタリー・ゲイツ」の書体見本(辞書)も付属します(下記画像)。上から、「A B C ...」と順番に配置されています。
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作品名|Parure〜Earrings
リトグラフ(菫色と濃灰色の二色刷)・キャンソンエディッション紙
作品サイズ|27.6cm×18.1cm
用紙サイズ|30cm×21cm
シートのみ・限定15部・限定番号入り
2016年
オリジナル・アルファベット書体「セメタリー・ゲイツ」の辞書シート付き(ファブリアーノロサスピーナ紙にデジタルプリント)
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