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くるはらきみ|くすしき花の香り

 聖書の伝統を踏襲しながら新たな解釈をもたらす、くるはらきみさまの宗教画。本イベントでは、降臨節を祝うにふさわしい二作が届きました。

 くるはらさまの作品に特徴的な、まあるい瞳。聖母マリアの半ば閉じられた目は、生まれたばかりの幼子であり、神秘的な花のように神の言葉を身にまとうイエスを見つめます。

 エサイの根より生いいでたる救い主。背景の絡まりあう蔦は、純なる出自とともに繁栄を暗示する。天使が慎ましく祝福に訪れ、白く可憐な花を差し出します。花はかぐわしい香りを放ち、世に遍く。全体を包み込む柔らかな筆遣いから、立ち込める匂いに吸い込まれていく。

 まんまるの目をつむり、長いまつげを揺らすチャーミングな天使。我を忘れて音楽にのっている姿に、思わず笑みがこぼれます。今では街中が喧騒に沸いているけれど、もしかしたら聖夜に天使もこうやって踊っていたのかも。

 厳かな青色に染まった背景が、生誕の夜を温かく演出します。栄光と苦悩を象徴するのか、金色の螺旋が駆け上り、よく見ればひんやりとした白い蛇の頭が覗く。

 濃厚な色彩に、くすしき花の香りを湛えた2作品。天使たちの喜びが、クリスマスを迎える季節のきらびやかな精神へと誘います。

くるはらきみ|画家・人形作家 →Twitter
東京生れ。幼い頃より自然のある場所に憧れる。大学では油彩を専攻しながら独学で人形制作を始める。2000年に長野県に移住。季節の移り変わりを身近に感じながら制作活動をしています。くるはらきみ & 影山多栄子二人展《夏の夜》(2019年・霧とリボン)ほか、個展、グループ展多数。

維月 楓|詩人・英米文学研究者・翻訳家 →Twitter
幼少期より言葉が織りなす世界に魅了され、現在は詩作を行いながら英米文学の研究を行う。古今東西の女性詩人の作品を読み解くことを通して、彼女たちの人生の軌跡に敬愛を捧げている。また、モーヴ街の図書館《モーヴ・アブサン・ブック・クラブ》では司書を務めている。



作家名|くるはらきみ
作品名|くすしき花は咲き初めけり

油彩・キャンバス
作品サイズ|18cm×14cm
額込サイズ|30cm×26.5cm
制作年|2022年(新作)

作家名|くるはらきみ
作品名|go-go angels

油彩・キャンバス
作品サイズ|14.3cm×15cm
額込サイズ|22.2cm×22.9cm
制作年|2022年(新作)

作家名|くるはらきみ
作品名|ユッタとヒルデガルト

油彩・キャンバス
作品サイズ|33.3cm×24.2cm(F4号)
額込みサイズ|42.3cm×横33.3cm
制作年|2022年

作家名|くるはらきみ
作品シリーズ名|ヒルデガルトの薬草園シリーズ(3種)
*くるはらきみ & Du Vert au Violetのコラボ作品「プライヴェート・ポプリセット」に付属するカードの原画

作品タイトル|
芳しき十字架
ヒルデガルトを包むもの(売約済)
帰天の空

[共通]
作品サイズ|21.5cm×12cm 
額込みサイズ|29.5cm×18㎝
制作年|2022年

作家名|くるはらきみ & Du Vert au Violet
作品名|プライヴェート・ポプリ【ヒルデガルト—祈りの薬草園】シリーズ
詳細はオンラインショップをご高覧下さい

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