【声劇台本】029「夏を感じて」

本日2本目の更新はイラストレーターのカミヤマルイさんの作品とのコラボレーション作品となっております。

Twitterでカミヤマさんの絵を見て、一目惚れしてしまい、いきなりお願いしたのですが、それにも関わらず、作品のコラボを快諾していだきまして、本当に感謝しかありません! ありがとうございます!

イラストがとても素敵なので、それに負けない話を書けるのいか、それが実はすごく苦しかったです!(笑) でも頑張って書きました! 

それでは早速、作品をご覧ください!

■人物
誠(17)高校2年生。
夏子(17)高校2年生。

■本編
夏子「あの雲の先には何があると思う?」

誠のMO「夏が間近に迫った青空に流れる、白い雲を指差しながら、高校の屋上で君は僕にナゾナゾを出した。これは難問だ!」

誠「ううん……。外国、とか?」
夏子「君の回答は、ホント、夢がないね!」

誠のMO「どうやら僕の答えは彼女にとっては不正解だったらしい……」

誠「じゃあ、何が正解だったったの?」
夏子「そんなのわかるわけないじゃん!」
誠「えっ……?」
夏子「わからない、が正解です!」
誠「そんなあ……」
夏子「だって、あの雲の先みたいに、私たちの未来だって、明日だって、今日だって、どうなるかなんて先の事はわかんないんだよ? そうじゃない?」
誠「まあ、それはそうかもしれないけど……」
夏子「ただ一つだけ、はっきりしていることがあります!」
誠「な、なに……?」
夏子「これから言うことをよーく聞いてね。一度しか言わないからね」
誠「うん……」
夏子「私の大切なものはなんでしょう?」
誠「またナゾナゾ?」
夏子「答えられたら、キスしてあげる」
誠「えっ……?」
夏子「本気だよ」
誠「……そんなあ」
夏子「キスじゃ、不満?」
誠「そ、そうじゃないけど! だって……ええと……!」
夏子「必死に考えてよね。ヒントはなし、答えられるのは一回だけ」
誠「ええっ……わからないよ」
夏子「本当に?」
誠「わからない……」
夏子「それが、正解!」

誠のMO「そう言って、君は僕の頬にキスをした。あまりに急な展開に僕の頭はついていけない。動揺する僕を見て、君はそっと微笑んで、そして、くるりと回った。夏の風が僕たちを包んでいた」


               (おわり)

イラスト:カミヤマルイ

https://twitter.com/kamiyamarui


今後の執筆と制作の糧にしてまいりたいと思います。