『ホテルマン』

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たしかにお一人●●000円コースで事務所の方から後援会のご予約を承ったんです。会場はツルの間です。1000人近くの規模にミニコンサートも希望されるというお話しでした。
お相手は一国のサイショーですから。毎度ご贔屓にしていただいて、ヤマグチまでご挨拶にも伺いました。私も営業畑でもう20年になります。春先はいろいろとイベントが重なることは百も承知です。ですが、もう最重要の仕事としてご準備させていただきました。

たしかに、今考えると変だな、と思うところはありました。
当初は、ステージにお名前入りの盛大な垂れ幕をご用意していたのですが、事務所の方がえらくイヤがりまして、名前は大写しにしなくてもいいといってこられたんです。かといって出入り口に支柱型の縦置き看板だけだと寂しい感じがしたものです。政治家の方と言えば、まずは名前を出したいものでしょう。宿泊にバウチャーも要らないというし。変な秘書だと思いました。
でも、なにかイワクありげだからといってテレビで報道されているような、そんなダンピングは行っておりません。

部下を信じて下さい、専務。
あの報道は立ち話のような会見ですよ。
何も具体的な書面を出されていませんでしたよね。

私はそんな中抜きのような、オータニの名を貶めるようなことをする人間ではありません。
いやいや、たしかにカンボーチョウカンも「5000円でできないことはない。私どももやっている」とはおっしゃってましたよ。けどいったい、どうやったらそんなことができるのでしょう。居酒屋の飲み会のような金額で.....私がそんなことをするはずがありません！
いや、いや、え、ですから、私がコレまで受けてきた営業を全部精査し直すだなんて、そんな..........

（2019年11月16日公開、12月1日転載）

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