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#1 テレビリサーチャーのオススメ 書籍3選「闘うもやし」

私たちは番組制作にあたって様々な本を読みます。
本に書いてある情報はネットでは見つかりません。
ネットで見つからない情報を探すために2週に1度、図書館に行き、目についた本を借りています。
読むのは年間100冊ほどでしょうか。
数ページ読んで本を閉じることもあれば、1ページ読んだだけで引き込まれる本もあります。
これらの本は、本を開いてすぐに引き込まれた本です。
とても面白い本だと思います。

絶望的な状況からでも、闘う勇気が湧いてくる1冊

深谷市で親子2代、50年にわたってもやし栽培業を営む飯塚商店の飯塚親子は、大手スーパーから「いまどきの大量生産もやしをつくるか、従来のもやしづくりにこだわるか」と迫られ、後者を選んだため、あっさり取引を打ち切られました。 資本の論理の前に「当たり前のきちんとしたもの」が屈服するのか? 「もやし屋」飯塚雅俊52歳がいまなお継続する奮闘の軌跡を、自らのペンで綴ります。


スーパーや大手食品メーカーの台頭で、地元の小さな食品業者が廃業を余儀なくされる。グローバル経済という津波は、小さな地方都市・埼玉県深谷市をも飲み込んでいます。
 深谷市で親子2代、50年にわたってもやし栽培業を営む飯塚商店の飯塚親子は、大手スーパーから「いまどきの大量生産もやしをつくるか、従来のもやしづくりにこだわるか」と迫られ、後者を選んだため、あっさり取引を打ち切られました。
 この仕打ちに息子の雅俊さんは、経済的打撃以上の疑問を感じます。大量生産のもやしは、見栄えと食感を優先したために「本来の味を失った」もやし。一方、飯塚親子がこだわり続けるのは、「見栄えはよくないけど、きちんともやし本来の味がする昔ながらの」もやし。資本の論理の前に「当たり前のきちんとしたもの」が屈服するのか? 
 それから数年後、病に倒れた父親の跡を継ぎ、いよいよ雅俊さんが「もやし屋」の主となったとき、最初に彼が発見したのは、1億を超える借金でした。
 スーパーの要求どおり、本来の味を失ったもやしをつくる道もありました。しかし飯塚さんは、昔ながらのもやしで闘う道を選びます。奥さんも娘たちもその選択に賛同します。
 家族一丸の闘いは今も続いています。彼は言います、「お金持ちになるのが勝利とは思っていません。当たり前のことをやって、家族が普通に食べていけるかどうか。安全で普通においしいもやしをつくって生活をしていけるかどうか。その闘いです。いまの日本は、当たり前のことをやっている人が、食べていけない、家庭生活ができないような社会にどんどんなっているような気がして…」
 「もやし屋」飯塚雅俊52歳がいまなお継続する奮闘の軌跡を、生まれついてのユーモアとともに自らのペンで綴ります。

闘うもやし 食のグローバリズムに敢然と立ち向かうある生産者の奮闘記

飯塚雅俊 (著) 発売日 ‏ : ‎ 2016/11/30

数十円で叩き売りされるもやしの生産者の格闘の物語。
もやしがなぜ安くしか売れないのか。
それは誰ももやしの魅力を語らず、消費者にプレゼンテーションしなかったからだったのです。主人公はそこに気づき、各地でもやしの試食会を開催。最終的に高級もやしの生産者としてブランディングに成功するという物語。

序盤、主人公はとにかく深いどん底に落ちていきます。
底に落ちた時に武器は数十円でしか売れないもやし。借金はどんどん膨らんでいく。
誰もが絶望する状況で、それでももやしで闘うのは、生産者が誰よりももやしの魅力と可能性を信じていたからだと思います。

どんな状況になっても闘う姿勢と、状況を変えていこうとする主人公にとても感銘を受けました。皆さんに購入してもらいたいです。

「天才とはこうゆう人なんだ」と理解できた1冊

史上最速ミシュラン三つ星天才シェフの物語

米田氏の波瀾万丈の半生を経糸に、そしてフランス料理の進化の歴史を緯糸に、実は一般にはあまりよく知られていない最先端の現代料理の驚くべき美食の世界と、大学を卒業し電子機器メーカーに就職しながらその美食の頂点を目指した日本の若き天才シェフの挑戦を描いています。著者の米田肇(よねだはじめ)は1972年大阪生まれ。近畿大学理工学部電子工学科卒業後、コンピューター関連の電子設計の仕事に2年間従事した後退職、エコール辻大阪に入学。卒業後は、関西の有名フランス料理店で修行。2002年に渡仏、ロワール地方の『ベルナール・ロバン』をはじめとする一つ星、二つ星レストランで修行を積み、2005年に帰国。現代フランス料理界の巨星ミシェル・ブラスが北海道オープンした『ミシェル・ブラス トーヤジャポン』で肉部門シェフに就く。2008年5月、オーナーシェフとして『HAJIME』をオープン。2009年10月、37歳の時に開店後1年5ヶ月というミシュラン史上最短記録で三ツ星を獲得。2010年10月発売の『ミシュラン・ガイドブック京都・大阪・神戸編』でも2年連続で三つ星を獲得した。

三つ星レストランの作り方: 史上最速でミシュラン三つ星を獲得した天才シェフの物語

石川 拓治 (著) 発売日 ‏ : ‎ 2012/11/9

NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」でも取材されたフレンチの天才シェフ 米田肇氏の半生と仕事の流儀を記録した1冊。

この書籍の中で度肝を抜かれるのがシェフの緻密なこだわり。
食材への加熱は0.1度単位で決まっており、サラダの葉っぱを置く位置もミリ単位で決めています。
鴨肉の筋を切断するために、人間の眼球の毛細血管の切断用の極細の医療用鋏を揃えたり・・・。
店に入った時の印象までコントロールしたいので、「できれば、ドアの取っ手の温度も調節したい」というセンスには狂気すら感じます。

そんなシェフには、師匠からはこんな言葉を送られています。
「これで完璧だと思ったら、それはもう完璧ではない。この世に完璧というものはないんだ。ただ、完璧を追い求める姿勢だけがあるんだよ、ハジメ」

完璧のその先を目指す。
自分には決してここまではできないと思う一方で、本物とはこうゆうことだということが痛いほどわかる一冊だと思います。

パラリンピックが1000倍面白くなる1冊

「お前は伴走者だ。俺の目だ」
伴走者とは、視覚障害者と共に走るランナーである。「速いが勝てない」と言われ続けた淡島は、サッカーのスター選手として活躍しながら事故で視力を失った内田の伴走者として、パラリンピック出場を賭け国際大会で金メダルを狙う。アルペンスキーのガイドレーサーを描く「冬・スキー編」も収録。

伴走者 (講談社文庫) Kindle版 浅生鴨 (著)  発売日 ‏ : ‎ 2020/2/14

元NHK職員の浅生鴨さんのスポーツ小説。
視覚障がい者のマラソンとスキー競技を題材にしています。

スポーツバトルものとして緊張感があり、かつ「伴走者」が目になり2人1組で競技に挑む人間ドラマがとても熱いです。
目が見えないという状況の中、音でプレッシャーをかけたり、伴走者との会話でハッタリをかましたり、レースに駆け引きの要素も大きいのがパラスポーツの醍醐味だと思いました。

この1冊を読むと「パラリンピック見てみたいな」と思えます!
元NHKということもあり、丹念な取材のうえで書かれてあり、ドキュメンタリーといってもおかしくない内容だと感じました。

最後に・・・

今回は書籍について書きましたが、今後は書籍に限らず様々なメディアの情報を発信していければと思っています。
ポッドキャストや漫画、映画など、テレビリサーチャーという目線で感じたこと、面白い情報が見つけられるものなどを紹介していきます。

興味がありましたら、フォローよろしくお願いします。

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