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【マンガ感想】にじみ出るロリコン、開き直ることすら出来なかったマンガ【親友の娘に迫られ困っています1巻】

40歳のおっさん、清晴の一人暮らしの家に、清晴のことが大好きな女子中学生がやってくる話です。
(サムネは41ページです。)

これはタイトルの通りで苦手な方が多い作品だと思うので、いけるな?と考えてから読んだ方が良いと思います。

ざっくり評価
ストーリー★☆☆☆☆
画力★★★★☆
マンガ技術★★★☆☆

ストーリー★☆☆☆☆

この物語の魅力を一言で表すと?

この疑問に作者の先生が答えらないように感じました。
つまり作中には魅力を一言でアピールするような描写が無いんですね。

そこがもったいなかったかなと。
こういう受け入れられづらい要素を入れた物語を作るなら、語りたい(描きたい)魅力を分かりやすく描いて、ロリコンのように見えるそれはただのエッセンスにすぎませんよ、とやる方法もあったのかなと。

(ロリコンこそ至高の性癖であるという主張だった場合この範囲ではありません。)

一般受けしうるテーマを考えるなら「恋愛に年齢って関係ないよね」とか「こんな子いたら天使のようじゃないですか?」とかそういう点を魅力的に示せればもっと読みやすくなって多くの人に受け入れられたように感じました。

決して否定をしたいわけでは無くて、この話をやるならどうすれば読む人を増やせるかと考えたいのです。

概念的な部分を先に書いてしまいました。
技術的な部分についても触れようと思います。

【主人公のおっさんに誠実さが無い】

誠実さが無い事が物語の魅力につながるのであれば良いんですが、真逆です。

画像1

三本コヨリ『親友の娘に迫られ困っています 1巻』 (FUZコミックス, 2021年)17項。

まず冒頭にいやらしい?妄想をしていますし、全体を通して初めっからまんざらでもない感じなんです。
これだとロリコンのおっさんのところに転がり込んできた女子中学生という構図になってしまっていて妄想を絵にしているだけです。
(なろう系はそういう気もあるので、受けることもあるのが難しいところ)

主人公のおっさんは、女子中学生の裸を見ないように努力したり気を付けているかのようにも描写されますが、同じ部屋で寝たり画像のように下心もあります。
この状態で純愛を出来るとは思えないのです。

年齢差のある恋愛(ラブコメ)をやるなら公序良俗的に純愛である必要があって、たまたま愛し合った二人の年齢が離れていただけです、とやってほしいものです。
今のままでは「女子中学生である」ことに魅力を感じているおっさんが鼻の下を伸ばしているだけなんですよねえ。

開き直って可愛い子供である!天使じゃないか!!と、自分の子供のように可愛がる方法もあったと思うんですけど、それをしなかったのも残念です。
その場合、恋愛マンガやラブコメには出来ないのですが。


【子供であることを自ら強調する女の子】

画像2

三本コヨリ『親友の娘に迫られ困っています 1巻』 (FUZコミックス, 2021年)41項。

かわいい女の子を描写しようと努力しているとは思います。
しかし可愛いイコール幼い・あどけないではないと思うのです。
それを描きたいなら、残念ですが、同い年の男子を使うか女の子だけの世界を描きましょう。

そこを混同しているのか、「中3!大人でしょ⁉ だから私をお嫁さんにして」(24項)、「るりにはあんなに なでなでしてくれないのに!!」(95項)のような展開が散見されます。

繰り返しになりますが、正しく恋愛ができる精神年齢に達している描写をしないと中学生を食い物にしたいおっさんが浮き立ってしまいます。

女の子がなぜおっさんを好きなのかの掘り下げを後回しにするのは百歩譲って良いとしても、精神的に子供であることを描写するのは絶対にダメなのです。

世のアニメで頻繁にロリババアなるものが登場する理由はこれです。
えっちなシーンをやるにも、恋愛エピソードをやるにも、「精神的に成熟しています」と後から言い訳できるような要素が必要なのです。少なくとも現代の創作物には。

ここまで書いて不安になってきました。
LOのような特定の読者のみを対象にした雑誌に掲載されている可能性もあります。私がそれを知らずに購入しただけの可能性も。
それであれば問題ないです。

調べてみましょう。

んー違ったぁ。

「ごちうさ」「NEW GAME!」「がっこうぐらし!」と同じ出版社です。どうやら普通の方向けではあるようです。「ごちうさ」などは可愛い女の子を描きたいというメッセージをしっかり表現できていると思います。
ここで注目したいのは「妻、小学生になる。も連載されているところのようです。

こちらの「妻、小学生になる。」の方がそういった部分に気を使ってちゃんとやっています。こちらは一般の方でも楽しめると思います。
そもそも妻を愛していて、小学生を愛しているわけではないのでテーマは違うのですが。
でも扱う要素(女児)が非常にデリケートなモノなので、良く良く注意されたい。ほんとに。


画力★★★★☆

るりちゃん(女子中学生)を可愛く子供っぽく描くことは出来ています。
それ以外の女の子もOLさん含めてみんな可愛いです。

女性キャラクタを魅力的に描けていると思うので、それを活かす設定でないことがなおさら惜しいです。

背景もあったり無かったりですけど、パースもちゃんとしていたように思います。
普段パースとか意識しませんが、たまたましっかりしてる!って気づきました。


マンガ技術★★★☆☆

こちらも特に悪くは無いと思います。

良いコマや構図がたくさんあるわけではないですが、読みにくいわけでも無いです。

キャラクタの顔の大きさには気を使っているようで、大きい顔でリアクションしているページもあってそれは良かったです。

あとストーリー的に動きの少ない作品なのでそういった描写が必要ない事も良い選択なのかなと思いました。


さいごに

一読したときは、チグハグで惜しいなあと思ったんです。
しかし、記事にするにあたって何度も読み返したらちょっと気になる点が多くて酷評になってしまいました。

この作品が表現したいことが何なのか、私が正しく受け取れてない可能性もありますが、ロリコン漫画と揶揄されないように多少婉曲的に描くことも必要なのかなと思います。

こんな内容になってしまいましたが
最後までお読みいただきありがとうございました!

セール中なら96円ですし、買ってそっ閉じしても後悔の少ない値段だと思います。

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