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トビタテ高校留学 行く季節ごとの利点と留意点を親の視点で考える

トビタテ奨学金について書いた記事が、私の零細noteの中ではよく見られている。トビタテは文科省が民間企業と共同で行なっている、高校生・大学生向けの給付型留学支援制度だ。

私の子どもがトビタテで高校留学したとき、オフィシャルなもの以外で参考にできる情報が少なくて準備に苦労した。留学する本人が探究テーマを決めて、留学エージェントの既成プランではない独自の活動をしに行くのがトビタテの特徴だ。それには本人の行動力や思いの強さが必要なことは言うまでもない。と同時に、特に高校生の年頃では、計画を立てる段階から行って帰ってくるまでの全期間を通じて親のサポートがかなり必要になる。それが私の実感だ。

場合によってはかなりの部分を有償で「トビタテに対応している留学業者」に依頼することもできるかもしれない。しかしうちではそれは考えなかった。親子揃って苦労しながら、ひとつずつハードルを超えていった。正直、相当大変だった。しかし、親離れが進み普段の会話が少なくなっている子どもとじっくり向き合える、またとない機会でもあった。

今回は、トビタテで留学する季節について私見を書く。先日、高校何年で行くのがおすすめについて書いた記事の続編的なものだ。

トビタテでは2週間から1年まで、色々な留学期間がある。ただ、合格者を見ると7割以上は「短期」と位置づけられる31日以内の留学だ。この記事でも1ヶ月以内、留年しないというケースを想定している。

トビタテ留学では、「行きたい季節」と「行きやすい季節」をどう組み合わせるかを考えることになる。まず、留学テーマに最も適した時期はどこか。探究したいこととそのクライマックスにできる出来事がはっきりしている場合、これは決めやすい。音楽留学で目当ての演奏会や音楽フェスに合わせた時期に行くとか、SDGsを学びつつ関連の国際会議に参加するとか。スポーツなら、競技によってはオンとオフの時期がはっきり分かれている。その場合も季節は限定されてくるはずだ。

一方でトビタテは日本の高校に籍を置いたまま行くので、高校の授業や試験との兼ね合いが出てくる。そのため、「行きやすい季節」は長期休暇だ。「行きたい季節」と上手く一致させられるなら、高校の春休み、夏休み、冬休み期間及びその前後に多少はみ出すというのが無難だろう。

それぞれの長期休暇に、利点と注意すべき点があるように思う。それを書いていく。トビタテは合格後、私の子どもの時は2回まで留学計画の変更を申請することができた。内容によっては事務局の審査により認められるかどうかが判断される。うちはこれを2回とも使うことになった。私の知る範囲でも他に受入機関や留学時期の変更を申請した子がいる。

応募時点の「こうしたい」という理想的計画と、実際に合格してからの「こうだったら成立させられる」という現実的計画には、往々にして違いが出る。そうしたとき、場合によっては行く時期の変更を検討するのもひとつの手段かもしれない。その意味で、この記事はトビタテの申請を検討している家庭だけでなく、合格後に行くタイミングの変更を考えている人にも参考になるところがあるかもしれない。


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