見出し画像

京大院卒AIエンジニアがメルカリ内定を蹴って、西新宿の中小企業に新卒入社した理由

こんにちは、サイシードCOOの叶です。今回お届けするのは、サイシードで活躍する社員の仕事観や、その背景にある思考のプロセスを丁寧に紐解くインタビューシリーズ、その名も「サイシード社員が語る 現実主義で何が悪い?」です。現実主義者として自らが進むべき道を論理的に思考し、合理性を追求し続ける様を、インタビューを通じて紹介します。


全ての判断を貫く「幸福の追求」という揺るぎない軸

鈴木航介
Kosuke Suzuki

エンジニア
京都大学大学院 工学研究科 原子核工学専攻

京都大学で物理工学にのめり込み、大学院へ進学。原子核工学を専攻し、まだ商用的な実用化もされていない核融合というチャレンジングな研究に従事。研究に没頭している時間に何よりも幸福を感じるという鈴木航介氏。彼が、アカデミアの道ではなく一般企業への就職を選んだのは何故なのか。数多ある企業の中からサイシードというベンチャー企業に入社を決めた理由は一体何か。そこで働きながら何を感じ、どんな未来を描いているのか。建前禁止の本音インタビューで、リアリストの価値観を丸裸にします。

<Profile>
京都大学工学部および同大学院工学研究科修了。卒業後は研究者を目指すか一般企業に就職するか悩むも、安定的な生活基盤を求めて就職を決意。現在は、株式会社サイシードにてエンジニアとして勤務。技術開発を行う傍ら、1年目にして音声認識に関するプロダクトマネージャーも務めている。

幸福へのロジックを紐解いていった結果、サイシードに辿り着いた。

-今日はインタビューに協力してくれてありがとう!仕事についてはもちろん、人生やお金に対する考え方まで、本音でお伺いできたらと思っています!

鈴木 もう今日は全てさらけ出すつもりで来ました(笑)。こちらこそよろしくお願いします。

-では早速だけど、そもそもなぜこの会社に入ろうと思ったのかな?

鈴木 一言で言えば、幸せになりたいからですね。と言っても伝わらないと思うので、順を追って話させてください。私にとって幸福は2つの軸から成り立っています。まず、幸福そのものを追求すること。そして、幸せを阻害するものを回避することです。

-なるほど。誰でも幸せになりたいとは思うものの、後者に関してはあまり意識しないかもね。

鈴木 でも、大事な要素だと思いませんか?例えば、私は興味の対象をとことんまで追求していくことに幸福を感じます。同時に、興味の対象を追求する上でQOLを一定の水準に保つことも大事にしているんです。では、どうすればQOLの水準を恒常的に保つことができるのか。パッと思いつくのは、財務基盤が固い大船、つまり大企業に乗り込むこと。しかし大船といえど、何らかの事情により沈んでしまうこともあり得ます。そこで私は、自らの生命力を高めようと考えました。生命力とは、明日全財産を失ったとしても、すぐに仕事や収入を生み出せるような力のこと。そうした生命力を高めることで、どんなことがあってもQOLの水準を恒常的に保つことができるのではないかと思いました。サイシードにはそうした生命力が高い人が多いため、ここで若いうちは自分の生命力を鍛えようと決めたのです。

-企業に寄りかかることなく、自らの生命力を高めることが大切だと考えたんだね。興味の対象を追求するためにアカデミアの道に進むという選択肢はなかったの?

鈴木 たしかに、アカデミックの世界は魅力的ではありました。しかし一方で、競争が激しく安定性に欠けると感じていたんです。私のリスク許容度的には、そうした不安定な環境ではなく、経済的に安定した場所で研究活動を行う方がちょうどいい。

そうしたさまざまなことを考えた結果、興味ある分野の研究にのめり込みながらも経済的に不幸になる可能性を減らすことができ、且つ生命力の高い人々と共に働くことができるサイシードが最適だと判断したんです。

-なるほどね。ちなみに、経済面に関して言えば給与という形で判断しやすいかと思うけど、自由に研究できる環境かどうかは、どう判断したんだろう?

鈴木 業務委託という形で実際に働いてみることにしました。学生の身分ながら社員と同じようにフェアな評価に基づく給与をもらい、日々勤務させてもらう中で、どのような労働環境なのか、好きな研究に力を入れることはできるのか判断したんです。

-具体的に、好きな研究にのめり込めると感じた部分は、どのような風土や制度だったんだろう?

鈴木 一番大きいのは開発スタンスだと思います。私は他社での勤務経験がないので他人から聞いた話を元にした想像にはなりますが、SIerをはじめとした他社の開発職の場合、セールスやマーケターが拾ってきたユーザーニーズをもとに「こんな機能を追加して欲しい」というオーダーが寄せられ、そこから開発が始まるイメージがあります。

-そうした開発フローの企業は多いよね。

鈴木 叶さんもご存知の通り、受託開発や、既存プロダクトの細かい機能追加では、弊社でもそうした開発フローを採用していますが、自社プロダクトの初期開発では、技術ニーズ起点で開発が進むことが多いじゃないですか。サイシードには、興味分野がはっきりしたエンジニアが多く、開発業務の合間で各々リサーチを進めていると感じました。すると、時に「これは、うちのサービスで実用化できるのでは?」と思うものが見つかる。それをセールスやマーケターの力を借りながら、マーケットにフィットする形で実装へと落とし込んでいくことができる。これはエンジニアにとっては理想的な開発フローであり、ここでなら思う存分自分の幸福の追求ができると確信しました。

誰もが部署や役職に縛られず、自分の興味を起点に動ける環境。

-たしかにエンジニアには理想的な環境かもしれないね。サイシードでは、何故そうした開発フローが成立しているんだと思う?

鈴木 まず、各々の自由な研究が許されているということが大きいのではないでしょうか。私の場合は業務委託を始めた頃に、CTOから直々に「50%は会社から指示された業務に割いてくれ、残りの50%は自分が好きな研究をしてもらって構わない」という言葉をもらっています。学生だったので、優遇された条件だったとは思いますが、業務時間内にこれだけの時間、好きな研究ができるという環境は他社にはなかなかないのではないでしょうか。

-たしかに50%というのは当社の特徴かもしれないね。

鈴木 実際に、私が今プロダクトマネージャーをしている音声認識系の新規プロダクトも、50%の時間を使って個人的に研究と実験を繰り返して事業化したものです。いい意味で、仕事とプライベートの線引きがあまり明瞭ではないのかもしれません。

-私はエンジニアサイドではないため、開発スタンスについてすごく詳しいわけではなかったから、今の話は初めて知ったよ。個人的な興味をそこまでスムーズに事業に接続できるんだね。

鈴木 そうですね。そしてそうした環境であることは、上層部や現場の方の理解がもらいやすいとも言えると思います。感受性が似ているというか、共有できている感覚があるんですよね。特に、他社だとエンジニアとセールスの間に技術リテラシーの壁があるケースが多いと思います。「これは面白い技術だ」と思って現場へ持っていっても、何が面白いかわかってもらえない。「そんなことより、顧客はこういうものを求めているから開発してくれ」みたいなコミュニケーションが多発しているのではないでしょうか。

-よく聞く話ではあるよね。

鈴木 ところが、弊社の場合はセールスも同じ温度感で「それ面白いね!」と反応してくれますよね。だから、同じ目線でどうしたらプロダクトに落とし込めるか一緒に考えてくれる。開発業務においては、様々な人と協働しながらプロジェクトを進めていくのですが、職種間の壁は全く感じませんね。

-たしかに、職種や役割に縛られず自由に働いている人が多い気がする。

鈴木 叶さんはわかってくれると思うんですが、多分、社長の影響が大きいんじゃないでしょうか。弊社の社長って、経営を行いながら、自分でめちゃくちゃ営業に行きますよね。CTOも研究やマネジメントばかりしているわけではなくて、現場に行って自分で数百分にも及ぶコールセンターの音声を聞いて分析するなど、泥臭い仕事も厭わない。

-わかるわかる、そうだよね。

鈴木 同様に、開発チームも日常的に現場に触れているからこそ、社会実装しやすい技術の感覚がズレにくい。だから現場レベルでもみんな職種や部署に縛られず、領域をオーバーラップしながら自由に働いているし、自由でありつつも、常に技術力をアップデートし続けることができている。役割をこなすというより、自分のやりたいことを追求し、スキルを高めていきたい自分にとっては申し分ない環境です。

お金も仕事も日々を彩る手段の一つであり、目的ではない。

-仕事内容や職場環境について色々と本音を聞いてきたけれど、最後に一番気になるお金の話を聞かせてもらえる?(笑)

鈴木 やっぱり、そこは聞かれますよね(笑)。

-ぜひお願いします!ズバリ、今の報酬には満足している?

鈴木 満足していますよ。冒頭でお話しした通り、私の場合はとにかくお金を稼ぐのが幸せというわけではありません。あくまで、生活基盤を確立して不幸を回避するために必要十分な収入を安定的に得られれば十分だと考えているので。

-なるほど。とにかく高給を求めるというわけではないとすると、待遇面で求めるものはどんなものなんだろう?

鈴木 一番は評価制度への納得感でしょうか。自分が出した成果を、きちんと会社は評価してくれているのか。会社に貢献した人に報いようとしてくれているのか。そうした部分は、給与額よりも働くモチベーションに直結するので、入社時にも社長に直接確認したくらいです。その上で入社を決めているので、評価制度への納得感という意味でも、今の職場には満足しています。

-労働環境としての満足度はかなり高そうだけど、強いて言えば不満な点はあるかな?

鈴木 あまり大きな声では言えませんが、オフィス環境はもう少し改善してくれたら嬉しいですね(笑)。単純に席が足りてないんですよ。今はリモートワークを活用してなんとか回っていますが。

-耳が痛い……。改善できるように努力します!

鈴木 でも、それも事業成長スピードが速すぎるからなんですよね。事業の急進に伴って、必然的に社員も増強し続ける必要がある。一方で、そんなに頻繁にオフィス移転もできませんから、仕方のない部分ではあるんです。それだけ事業が順調ということでプラスに捉えています。

-大人な考え方だね。最後に、お金に関連しての質問を一つだけ。もし、今すぐ1億円もらえるとしたら、今の仕事を続ける?

鈴木 そうですね、しばらく続けるのは間違いないですね。中途半端で投げ出すのは嫌なので、例えば株式上場するとかM&Aされるなど、わかりやすいゴールを達成するまでは働くと思います。ただ、その先も働き続けるかは、正直わかりません(笑)。何度もお話ししているように、私が幸福を感じるのは、興味ある分野の研究に没頭しているとき。経済面の心配がなくなったら、アカデミアに戻って、研究だけに100%集中する生活を送りたい気持ちもあります。

-リアルな回答だね。これまでの話を聞いていて、とても納得感があるよ。

鈴木 でも、ずっと働き続ける可能性は全然ありますよ。お話ししたように、今の職場でも好きな研究ができていますし。それに、居場所としても心地良いんですよね。本当に好きなことに没頭している人たちと、フランクに意見交換しながら毎日刺激をもらうことができる。

-人間関係も大事だよね。

鈴木 結局、お金も仕事も、日々をどれだけ彩れるかの手段にすぎないと思うんです。それ自体が目的ではない。この先、どんな選択をしていくのか、どんなキャリアを歩んでいくのか。今はっきりとしたことはわかりませんが「どうすれば幸せになれるか」という判断基準が全ての軸であることは、死ぬまで変わらないんじゃないかなと思っています。

リアリストの余談

このコーナーは、本記事の内容は全く関係なく、自由に述べてもらうコーナーです。興味があること、読者の方に伝えたいことなど、とにかく自由に語ってもらいます。

家を建てたい方はぜひ、兄の建築事務所をご検討ください!

私の兄は一級建築士で、設計事務所を構えているのでぜひここで宣伝させてください(笑)。実は私の兄と弊社CTOの西田はスイス留学時代の友人で、西田の別荘も設計しております。
"ヨーロッパの知識人の間では、別荘を持ち休日にマインドフルネスを行うことが基礎教養として認識されている"と主張する西田の美的センスも満足させる腕前なので、ぜひHPだけでも見てもらえたら嬉しいです!

CTOの別荘
鈴木岳彦建築設計事務所HPより引用


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?