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【7月】1報目|科学に触れて変わったちょっとしたこと(みっつ)


 ご無沙汰してます。みっつです。今回は「科学に触れて変わったちょっとしたこと」について書きます。

 たぶんこれまで僕の心は幾度となく変身を遂げてきたのだと思うのですが、改めてその差分を形にするというのは、なかなかに骨の折れる作業でした。いま羽ばたいている蝶々は、自分がかわいい芋虫だった頃のことを思い出すことができるのか。どうでもよいことを考えつつ、書いてみます。

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 目の前の物ごとを、科学的な現象あるいは法則の組み合わせとして眺める癖がついたこと。これは自分が科学と過ごす中で根本的に変わったことかもしれません。生活している中で遭遇した事象を、目には見えないほど、顕微鏡でも見えないほど小さなスケールで想像したり、物質ではなく数式に当てはめて解釈したりすることは、普段当然のようにやっている習慣ですが、科学の世界に生きていなかったらここまで根付いていないかもしれないと思いました。

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 いつだったか忘れましたが友人宅にて、100均で買ったプラスチックのゴミ箱の底に貼られているバーコードのシールをはがすときに「ドライヤーある?」と尋ねると、怪訝な顔をされたことを思い出しました。僕の中では「シールは接着という現象でくっついていて、粘着剤の液体→固体の相転移によって分子レベルで固定されているから、これを一度液体状態に戻した方がきれいに剥がれるだろう。おそらく一般的なシールに用いられているようなポリマーであれば、液体化させるにはドライヤー程度の熱で十分だろう。」という考えのもとでの発言でした。

 ものが貼りついていることと、これをきれいに剥がすという日常の中の課題に向き合うにあたって、もっともらしい手法で取り組んでみる面白さと、それがうまくいったときの快感を知っているから、ついこういう見方をしてしまうのかもしれません。いまどういう状態なのか、そこで何が起これば目的の状態に遷移させることができるのか、これを解くのはパズルや謎解きみたいで面白いと思います。個人的な好みは「無茶しないギリギリの方法で」「できれば手元にあるものを利用して」という制約を付けることかもしれません。

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 シール以外にも、辛みの成分カプサイシンは水に溶けないから、耐えられないほど辛い物を食べたときは水ではなく油や乳化物を含むものを飲むとか、PILOT社から発売されている消せるボールペン「フリクション」で書いたものは高温状態で消えてしまうから、手帳を夏の車の中に放置しないとか、ほぼ無意識で対処していたり警戒していたりすることは色々あると思います。
(ちなみにフリクションは低温下で色が復元できるそうです。ドライヤーと冷却スプレーとフリクションで暗号ごっこができそう。夏の自由研究にどうぞ。)

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 目の前のものをよく観察して、その背景にある原理原則を想像して、自分の持っている知識やもので対処を試みる。こういう楽しみを生活に見出せるようになったことが、僕の思い至った「科学に触れて変わったちょっとしたこと」でした。

 とある漫画に出てくる「狙った通りに獲物が動けばハンター冥利だろ。道中楽しみたい。それだけさ。」という台詞がすごく好きなのですが、日常という途方もなく長い道中をどう楽しむか、この点において科学はいい遊び道具だと思います。



おまけ

 少し前ですが、こういう動画も流行りましたね。これも立派な科学です。(危険性や椅子に対するリスクが明記されているとより良いんですが。)

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