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光のおり ~偏光板~

こんにちは。カガクテラスの廣瀬公美です。

今日は不思議なフィルターをご紹介します。
そのフィルターがこちらです。

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実験してみよう

さっそくですが、下の動画を見てみてください。
フィルターが2枚重なっているところに注目です。

偏光板

1枚だけの場合はいつも後ろの絵が透けて見えていますが、
2枚重なったところはどうでしょうか?
フィルターの向きによって絵が透けて見えるときと、
見えないときがありますね。

フィルターの正体は…?

実はこのフィルターは、偏光板(へんこうばん)というもので、
3Dメガネや液晶画面などに使われている素材なのです。

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この偏光板は通ってくる光の特定の部分をさえぎるものです。

偏光板を例えるなら

偏光板は、おりのようなイメージです。

檻

このおりの向きによって通れる動物と通れない動物がいます。

例えば、たてに長い動物のキリンと、羽を伸ばして飛んでいるとき、よこに長い動物のツルに登場してもらいましょう。
光にはキリンやツルのようにたて長やよこ長のような性質があります。

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たて長のキリンは、おりがたて向きの時は通れます。

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しかし、よこ長のツルは、このおりは通れません。

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次に、このおりをよこに向けてみましょう。

すると、キリンは通れなくなり、ツルは通れるようになりました。

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おりの向きによって、通れる動物と通れない動物がいることがわかりましたね。

光の性質

偏光板はおりのようなイメージと言いましたが、光にはキリンやツルのようにたて長やよこ長のような性質があるのでしたね。
そして、普通の光はたて長のものもよこ長のものも混ざっています。
キリンもツルも混ざった群れになっているのです。

そこに、偏光板のおりを1つ置くとどちらかの動物は通れますが、どちらかは通れなくなります。
そのため、偏光板の向こうは透けて見えるけれど、光の量が減って、少し暗く見えています。

偏光板2枚では?

そして、いよいよ偏光板を2枚重ねた場合です。

おりをたて向き同士同じ向きに重ねても、ツルは通れませんが、キリンは通ってこられます。
同じようによこ向き同士では、キリンは通れませんが、ツルは通れます。
つまり1枚のときと同じです。

でも、おりを2つ使えば、キリンもツルも通れないようにする方法があります。
それは、1つをたて向き、1つをよこ向きに置くのです。
そうすると、どちらも通れなくなります。

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これが、最初におみせした動画で偏光板の2枚重なった部分が真っ暗になった状態です。

おりの向きを変えることで、通れる動物が変わり、おりの重ねかたによって、どの動物も通れないこともあります。
偏光板も同じ仕組みで、偏光板の向きによって、いろんなひかりの中から特定の光だけがとおれるようになり、偏光板を2枚使うと、光を全く通さず、真っ暗にすることもできるのです。

身近にある偏光板

偏光板は液晶画面に使われています。

液晶画面に偏光板をあててみますね。

液晶

液晶画面には偏光板が使われてるので、画面の前で偏光板1枚の向きを変えると、偏光板2枚のときと同じように、向こうが透けて見えたり、暗くなったりします。

家に黒っぽい3Dメガネがある人は3Dメガネのレンズも偏光板であることが多いので、液晶画面にあてて遊んでみてくださいね。

液晶+3Dメガネ

次回は・・・!

偏光板を使ってステンドグラス風の万華鏡をつくります!

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お楽しみに♪


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