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【個人的に注目している糞便微生物叢移植(FMT)について…】
日本ではまだまだ一般知名度は低いが、今後の進展に期待!!!!
※FMTはざっくり言うと…健康な人の💩を移植して体調改善しよーみたいな感じです。
内容は至っ真面目でアカデミックです。
※参考文献1
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/apt.17703
無作為化臨床試験: 下痢を伴う過敏性腸症候群(IBS)に対する糞便微生物叢移植(FMT)
FMTを4週間隔で2回実施してもIBS症状重篤度尺度は有意に低下しなかった。
しかし、多くの患者で腹部膨満感の改善が認められ、これは硫化水素産生菌の減少と関連していた。
過敏性腸症候群(IBS)は世界的に一般的な胃腸疾患で世界人口の11.2%が罹患している。
腸管感染症後の患者を対象とした前臨床試験や疫学調査から、腸内細菌叢の異常がIBSの発症に重要な役割を果たしていることが示唆されている。
参考文献2
IBSは多くの異なるサブタイプを持つ疾患であるため、糞便微生物叢移植(FMT)の無作為化試験では相反する結果が得られている。
IBS改善におけるFMTの一貫性のない結果を説明する他の要因としては、介入の頻度、投与量、患者の選択の違いが挙げられる。
今回の研究ではIBS患者におけるFMTの有効性を評価するために無作為化試験を実施している。
下痢優位のIBS患者56人を、ベースライン時と4週目の2回の十二指腸経由のFMT群とプラセボ群に1対1で無作為に割り付けている。
主要アウトカムは12週目におけるIBS症状重篤度尺度(IBS-SSS)スコアの50点以上の低下
副次的アウトカムは12週目の腹部膨満感の改善と腸内細菌叢の変化
12週の追跡後、プラセボ群には非盲検FMTが割り付けられた。
12週目に主要評価項目を達成したのはFMT群で57.1%、プラセボ群で46.4%であった。
腹部膨満感が改善した患者はFMT群でプラセボ群より多かった(72% vs 30%)
非盲検延長試験では65.2%と82.4%の患者がそれぞれ主要評価項目と腹部膨満感の改善を達成した。
FMT群の患者の便中マイクロバイオームでは、12週目にRuminococcus gnavus のような細菌の減少とLawsonibacterのような細菌の濃縮が認められたが、プラセボ群では変化はなかった。
機能解析の結果FMTを受けた患者では硫化水素産生経路が減少しそれに伴って寄与菌が減少した
盲検期には合計20件の有害事象が報告された(FMT群で11件、プラセボ群で9件)が、これらの事象はいずれも診療所の独立した臨床医によって介入に直接関係するものではないとされた
一般的な有害事象は、胃腸炎(n=5)、上気道感染(n=4)、歯痛(n=2)、腹部膨満感および下痢(n=1)、アレルギー性鼻炎(n=1)、耳感染(n=1)、手湿疹(n=1)、眼感染(n=1)、クレアチニン高値(n=1)および新たに診断された高血圧(n=1)であった。
2人が重篤な有害事象を経験したFMT群の1人は最初のFMTから10日後に発熱が1回あり入院した。
この患者は2日間入院し、すべての敗血症検査を終了し、すべての結果は陰性であった。
発熱源は特定されず自然に回復した。
プラセボ群のもう1人は再発性のうつ病のため入院した。
非盲検延長期間中合計7件の有害事象が報告された
内訳は吐き気1例、肛門周囲膿瘍1例、口腔内疼痛1例、酸逆流1例、咽頭不快感1例、扁桃炎1例、右下腿のやけど1例
生命を脅かす有害事象は報告されなかった
治療に関連した有害事象のために治療を中止した患者はいなかった
結論として、FMTを4週間隔で2回実施してもIBSにおいて臨床的に有意な反応は得られなかった。
しかし、FMTにより、自己申告による腹部膨満感と全身症状の大幅な改善が認められた
腸内の硫化水素産生菌が減少したことが腹部膨満感の有意な改善につながったと考えられる
※一部引用
シ ン バ イ オ株式会社
ありがとうございます!!!