光をあてると変化する

どうも、先ほどまで時をかける少女のアニメ映画を見て号泣していたえふみです。ストーリーはもちろんのこと、作品を印象付ける音楽がいいところが本当に魅力です。タイムリープはSFとしても面白く、”時間”という概念は科学でもかなり議論されている部分だと思っています。”時間”が有限だという普遍的事実に焦点を当て、青春時代の恋愛と人間模様を綺麗に表現していて涙腺が崩壊しました。まあ何回見てるかわからないですが(笑)

さて、そんな休みの私の映画鑑賞話は置いておきまして、今日のテーマは光をあてると変化するものです。はい、私の学生時代の研究テーマについて少しお話させていただければと思います。最後に私が参加しました国際会議のProceedingsのURLを添付させていただきますので、ご興味ありましたらご覧いただければと思います。また、今回は単語の説明少な目になってしまうのもご容赦いただければと思います。


私の研究室では半導体における”励起子”と呼ばれる準粒子を扱っていました。この励起子は電子と正孔がクーロン力でお互いにある距離を保って、それ自体が粒子として振る舞っているものであり、この励起子についてのさまざまな現象が非常に興味深く、多数あります。私の研究室では半導体についての研究を行なっておりました。その中で取り扱っていた興味深い現象は「光シュタルク効果」と呼ばれる現象です。
この現象は簡単に言うと「光をあてると色が変わる」という現象です。かなり雑な言い方をしているので正確には異なりますが、なんのこっちゃの人にとってはこのくらいの説明の方がわかりやすいかと思います。今から正確な話をしますね( *´艸`)

光シュタルク効果とは物質の高強度の光をあてると、電子のエネルギー準位が変化する現象のことをいいます。エネルギーとは、先の記事でも説明しております位置エネルギーや運動エネルギーと同様のものと思ってもらえればいいかと思います。電子はこのエネルギーが飛び飛びの数値しかとれません。この一つ一つのエネルギーをもつ状態のことを準位という言い方を使い、エネルギー準位と呼びます。すなわち、光シュタルク効果とは高強度の光をあてると物質の状態が変化する、といった現象のことをいいます。

さて、ここで高強度な光とはどういうものか、皆様お気づきかと思いますがレーザー光です。特にパルスレーザーと呼ばれるものを使っておりました。なぜならこのレーザーの方が高強度の光を照射することができるからです。すなわち、このレーザー光をあてているとき私の研究対象の半導体は状態が変化しているということです。では、この変化ってどういうものなの?という話になりますね。
その変化というのはエネルギー準位が分裂する、というものになります。ぱっくり2つにわかれるんですね。不思議でしょ?(笑)
じゃあ最初の色が変わるってなんやねん!って話に戻るわけですが、半導体はそれぞれにバンドギャップエネルギーと呼ばれるものを有し、このエネルギー以上のエネルギーを外から加えると”励起状態”と呼ばれる状態になります。この励起状態とは不安定で、元の状態に戻ろうとします。戻る際にはバンドギャップエネルギー分のエネルギーを光として放出して安定化します。これが「発光」と呼ばれる現象です。この発光する色はエネルギーによって決まっています。すなわち、このエネルギーが変わる、ということは出てくる光の色が変わるということになるのです。

じゃあこの光シュタルク効果って何に役立つの?って話です。
本来基礎研究をしている人間にこの質問って「それはみんなが考えればいいんじゃね?」ということなんですが、こういう興味があるからやっている!っていうことが、事学問に関してはあまり認められていない節がありますのできちんと役立つ面もあるんだよ、というところをお話する必要があるかと思います。
この光シュタルク効果とは、超高速応答する光スイッチや量子情報デバイスなどに応用が可能だと言われています。もうなんのこっちゃですよね。少しだけ説明しますね(^^)
光スイッチとは我々の日常生活では使われることはほぼないですが、光通信で特に使用されています。光通信はこの情報社会では欠かせない存在であり、今後5Gの世界になればさらに我々を取り巻く情報量は増えていきます。そのときの情報の分岐点を電気信号で行っているとイメージ的には情報の渋滞が起こるわけです。この世で最速のものは光ですので、光に応答するようなスイッチは必要であるというわけです。光スイッチはすでに使われていますが、先ほど申しました通り、情報量は増えていきます。これに対応するような超高速で応答する光スイッチっというものも必要となってきます。この光シュタルク効果はそのようなスイッチを開発するのに応用できる可能性がある、というわけです。

本当はここから数式やら実際の実験系やらの話をしたいのですが、それはまたの機会にします(笑)
ご興味ある方是非コメントをお願いいたします。泣いて喜びます。
ではこちらにURL貼っておきますのでご興味ありましたら是非ご覧ください。

明日は交流会~♪楽しみですね~( *´艸`)
ではでは…!





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?