秋の引き出し

今日、大学のときによく利用した地下鉄の駅から地上に出た途端、風にもみくちゃにされた。髪が大変なことになった。
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山から吹きおろす風が、地の底からではなく顔に直接ぶつかってきたこと、冷たい空気のなかでも陽の差している部分はちゃんと暖かいこと、冬に向かう秋のにおいがしたこと。
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自分の中の秋という引き出しの中身が、ガチャガチャ騒いでいた。これだこれだ！と歓声をあげていた。無意識に地道に引き出しを増やし補強してきたことに感謝した。
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最近、なんだかよくないスピードで日々が過ぎている。手荒に捌かれた1日1日がそのへんに散乱して、ゴミの日にまとめて捨てられるような。こんなのは引き出しに入れなくていいやと思っていたけれど、丁寧にしまえば何かに化ける日が来るだろうか。
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引き出しよ、気合い入れ直していくぞ。