北欧ドライブ紀行 '22夏 ①6/23 ストックホルムへの道中
注)本記事内での数字表記は、現地であるヨーロッパで主に使われている表記を主に採用している(23/06/22→2022年6月23日、1.000→千、1,000→一の小数第3位まで表記、等)。CEST:中央ヨーロッパ夏時間(GMT+2,JST-7)。
夏至が過ぎ、夏本番が到来した。日本列島は日々灼熱に揉まれている。
夏至の時期になると強く思い出されるものがある。昨年度ベルギーに1年留学していた私は、夏至祭および白夜を見るべく、友人と夏至の時期を狙い北欧へと旅をしていた。
日本での夏は2年ぶりだが、北欧の記憶があまりにも恋しくて毎日生きるのがつらいので、記録を兼ねて振り返ることにした。なお、ヨーロッパ各地を巡ったその他数多の旅についても、追っていつか振り返りたいと思っている。
留学中の私にとって、旅のはじめはいつもこのバスであった。居住地ヘント(Gent)から、ベルギー随一のLCCハブ空港であるシャルルロワ空港(Aéroport de Charleroi Bruxelles Sud)まで100kmあまりを1本で結ぶ。最安値の飛行機は必然的に乗客の少ない早朝便となり、飛行機が飛び始める朝6時台の便に乗ろうとすると朝4時台には空港に着いておく必要があるが、その願いを叶えるべく2:50にヘントを出発し、高速を駆け抜け無停車で4:10に空港に着く神のバスである。貧乏旅行者である私が、このバスを捕まえるべく睡眠不足の体で朝2時のヘントを自転車で駆け巡った回数は計り知れない。
そんなこんなで朝4時に空港に着く。居住地はオランダ語圏だが空港はフランス語圏なので案内表示はすべてフランス語であり、来るたびに異国に来た気分になるが、100kmしか離れておらずバスで1時間少し寝ていたら着く、れっきとした国内である。日常のこのような瞬間がベルギーのおもしろいところである。
そんなこんなで搭乗手続きを済ませて、約2時間のフライトののちストックホルムに降り立つ。
大嘘である。実は、ワルシャワ経由の方がフライトが安かったので、前夜祭として1日ワルシャワ観光をした。安さを求めた旅行者の末路である。FR1057便、37,97€、国際手数料込みで日本円での決済額5.514円。本題からは逸れるため、ワルシャワでの1日を手短に振り返る。
駆け足観光ののち、来た道戻りで空港に戻り、今度こそストックホルムを目指す。FR4670便、104,70zł、3.385円。
1時間40分のフライトのちストックホルム入り。21時近いが夏至時期なのでもちろん明るい。採光にただならぬこだわりのある北欧建築であるが、ここアーランダにも、そのエッセンスが凝縮されている。こんなにもやさしく美しい夏の光を見ていると、やさしいデザインと調和させて最大限採光したくなるのが痛いほどわかる。自然環境と調和したやさしい建築に心が洗われる。
建築は穏やかだが、旅程は穏やかではない。バスで1時間ほどかけてストックホルム中央駅に到着、先にストックホルム入りしていた友人と待ち合わせる。友人はデンマーク方面から夜行バスを2日連続乗り継いで到着した、みたいなことを言っており、死にそうな顔をしていた。そりゃそうなる。
エキナカのCOOPで買った冷凍弁当を夕食とし、明日に備えゆっくり就寝する。北欧の食には何の期待もしていなかったので(実際大したことはなかった)、この旅を通して安く済ませる方針である。COOPにはこの旅で幾度となくお世話になることになる。
友人はホステルのベットとの相性が悪く、共有スペースのソファで一夜を過ごしたらしい。2日連続夜行バスの翌日にソファ泊である。私には理解できない。
その②に続く。
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