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第10回ス茶会(SCHR会)を開催しました。今回のテーマは「気候変動と人権、COP26を振り返る」
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第10回ス茶会(SCHR会)を開催しました。今回のテーマは「気候変動と人権、COP26を振り返る」

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#SCHR会 #ス茶会 #ビジネスと人権 #オンライン #朝活 #開催報告 #気候変動 #人権 #COP26

■日時:2021年11月25日(木)午前8:15−8:45(日本時間)
■テーマ:「気候変動と人権、COP26を振り返る」
■スピーカー:SCHR共同創設者 佐藤暁子、鈴木真代、土井陽子

「ス茶会」とは、お茶会のような場で気軽な雰囲気で「ビジネスと人権」についてわかりやすく語っていこう!という主旨ではじめた活動で、いわば、オンライン朝活カフェです。

今回も早朝にもかかわらず、20名近くの皆様にご参加いただきました。どうもありがとうございました!

聞き逃した方がいらっしゃったら、こちらから聞いてみてください↓

Just Transitionとは?

COP26では、日本政府が化石賞を受賞しましたが。。。

人権への取り組みを既存の気候変動対策に埋め込んでいく鍵となるのが、Just Transtionという概念である。

Just Transitionとは温暖化対策を行う中で、その方法が平等で公正であることを担保する。人権の視点を入れていくこと。つまり、脱炭素に合意していたとしても、産業構造を改革する中で、既存の産業で働いている労働者の失業のリスクがある中、人々・コミュニティに対するネガティブなインパクトを与えないように、Justな方法で移行していくことが必要。

World Benchmark Allianceが、Just Transitionのべンチマークを発表した。日本の皆さんが考える最初の一歩として有効。

例えば、GreenでDecentな仕事を作り出せているのか?人材育成のためのスキルトレーニングを提供できているか?(1社だけの問題ではないので)社会的な保護、マネジメントができているか?Just Transitionを推し進めるためのアドボカシー(政策提言)ができているか?という指標。

日本企業は16社がベンチマークの対象となったが、非常に低い結果となった。合計16点のうち、日本企業は最高3点。社会全体に見たマネジメントやアドボカシー活動は0点だった。(参照: World Benchmark Alliance, Just Transition Assessment 2021 Are high-emitting companies putting people at the heart of decarbonisation?

新技術を支える鉱物の問題

脱炭素社会を支える新技術(風力発電、太陽光発電、EVなど)の鉱物の問題は、ここ数十年国際社会やNGOが問題視してきたにもかかわらず、Just Transitionで取り上げられることが少ない。

鉱物資源の開発は環境破壊、水質汚染などの環境面の影響、強制移住、児童労働、紛争を助長するような人権面の課題がある。こうした問題が起きている中で、新技術を支える鉱物として、ニッケル、リチウム、マンガン、亜鉛などが風力発電のタービン、太陽光パネルに使われていたりする。例えば、ニッケルを扱うトップ5社は、人権方針はあっても実践がないと言われている。(参照:ビジネスと人権リソースセンター、Ford財団, "Transition Mineral Tracker")

今求められているのが、ビジネスと人権に関する指導原則で定められるように、企業が人権デューデリジェンスの実施が求められている。

メキシコの風力発電・太陽光発電における人権侵害

新興国の再生可能エネルギー開発事業において、人権侵害が発生しており、メキシコでは風力発電と太陽光発電による先住民リーダーの殺害事件が後を絶たない。NGOやコミュニティの意見として、人権侵害を助長しないようエネルギー政策を根本から変えていく必要性が訴えられている。特に、ジェンダーの問題も存在し、より脆弱な立場が「女性」であり、気候変動の影響を受けやすいと言われている。

ラテンアメリカでは「エスカス条約」が発効され、各国批准しているが、果たしてこれが先住民のリーダーたちを守ることにどれくらい有効なのか?という議論がある。

環境の専門家からすると、気候変動対策のために環境政策を変えていけばいい、ということを考えがちだが、人権侵害をなくすためには人権尊重できるように、エネルギーだけではなく政策全体を変えていかなければならない。これは、先進国・新興国ともに抱える共通の課題である。

また、COP26と照らし合わせてみると、議論しているだけでは足りない、議論に参加できていない国のリーダー、より多くの先住民たちが存在する。

WBAのベンチマークについて、日本企業の評価が低いのか?全体的に辛口なのか?

A. 日本企業全体の遅れが目立っている状況。指標が辛口とは言えないが、ビジネスと人権に関する指導原則に則って取り組む方針と照らし合わせると指標自体は合理的な内容である。評価が低い、と認識してから、どのように改善していくべきかを検討していくのが、このようなベンチマークの使い方として適しているだろう。(参考:スコア一覧はこちら

Just Transitionへの取組みについて、企業はどう伝えるのか?

新しい技術をどう活かせるのかを話せている企業はあるが、先住民の権利を尊重する方法や採掘産業を通じた人権侵害に対するメッセージを発信できている企業はまだ少ない。

企業全体としてJust Transitionをどのくらい重きを置いているか、を強調している海外の企業はある。日本企業からも、もっとストレートなメッセージを出していくといいだろう。

分散型エネルギーについて

NGOからの目線として、分散型エネルギーシステムを浸透させるべき、という意見があり、新興エネルギー事業者は増えているので、そういった地域コミュニティへの裨益を生み出す事業者はJust Transitionを語りやすいだろうが、大規模発電事業者の場合は、負のインパクトも議論されやすいため、なかなかJust Transitionを実践しているとは言いづらい状況に思える。SDGsの観点では語られてる場面も多いはずなので、Just Transitionについてもよりさまざまな場面で語られてほしい。

コロナ禍でリモートワークが進んできたので、地方から働く人も増えてきたと思うが、まだまだ日本でも地方で発電された電力を都市で消費する、ということが続いている状態。

コモンズに関する議論

大企業もコモンズについて語れるようになってほしいとは思うが、それはビジネスを後退させることになる可能性があるから難しいのだろうか。

昨日の日経で、Chief Heat Officerを置くという記事を読んだ。マイアミ、アテネ、フリータウンで、熱波から市民を守っていくためのリーダーを各自治体が任命している。これは、「環境から受ける影響は人権である」という議論が国連人権委員会で認められたこともあり、私たちも何が人権かを考えていかねばならないと思う。

<参加者からのコメント>
Just transitionについては必要性を強く感じる一方で、産業革命と同じことが起きている、ということを考えると、どうしても置いていかれる人は出てきてしまうように思い、プラネタリーバウンダリーが迫る中で、どのようにjustを求めていくか、ということは本当に難しいのかなと思いました。
例えば採掘産業などより上流の企業に対してのほうがダイベストメントがされる傾向にあるという研究があるのですが、クリーンエネルギーに移行できない企業に務める人にとっては、将来的に職を失うことになり、それが早いか遅いかだと思います。
そして、それを言い訳にいつまでも既得権益にしがみつく人たちもいるので(化石燃料技術への補助金などはなくなると思いますが、今までは補助されていたということもあり)悩ましいと思いました。

エネルギー産業と労働力

ILOによれば、エネルギー移行により600万人の雇用が失われる一方で、2,400万人の雇用が創出されるだろう、と言われている。ドイツ、アメリカでも危機感を持って政策として、新たな人材育成に取り組もうとしている。

<参加者からのコメント>
気候変動は、非常に多くの側面と社会へのインパクト(政策に限らず)があると思っています。わたしは、気候変動と「難民」(というよりは強制移動)に関して、COP24あたりから非常に気になっています。難民保護の枠組みに入らないという「伝統」が変わりつつあると思っているので、そうしたあたりの議論も取り上げていただけたら幸いです。もちろん企業の役割も小さくないと思っています。

今後も、いろいろなテーマを取り上げて議論していきたいと思います!

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次回は、日本時間12月23日(木)8:15-8:45に開催予定です。テーマは決まり次第、ご案内します!

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引き続き、次回も、みなさまのお越しをお待ちしております!

Social Connection for Human Rights/ 鈴木 真代

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