効率的に知識を習得し、他者と協働して課題を解決する力を育む「ジグソー法」
夏休みまっさかりの8月。子供たちはいったんの区切りを迎え、夏を楽しみつつのお休み期間となりますが、先生方は二学期からの授業準備や、早くも新年度に向けた方策の検討も始まっているのではないでしょうか。
今回は、クラスの基盤が固まってきた二学期から導入しやすい、「ジグソー法」の実践をお伝えします。
ジグソー法とは?
一つの学習課題について、学習者はまず自分の担当箇所について理解を深め、他を担当した仲間とそれぞれ説明し合います。それらを関連付け、さらに考察を進めた後に意見交流をすることで、最終的な自分の考えをまとめます。ジグソーパズルのピースを組み合わせて一つの絵を作るように、学習者がそれぞれ持っている知識のピースを、グループで共有して一つの大きな問題について考える学習法です。
ジグソー法の効果
学習者が主体的に担当課題に取り組みつつ、全体の学びの深まりに貢献できる
効率的に知識を習得し、個人・グループ・クラスで対話的に学ぶことに注力できる
ICTを用いることで個人・グループで行う作業を効率的に進めつつ、常に進捗確認ができる
スクールタクトでジグソー学習をしてみよう!
教員は児童生徒をいくつかのグループに分けます(図1)。そして、スクールタクトでキャンバスを作成し、学習課題を発表します。児童生徒は、各グル―プで学習課題を解決するために必要な分担テーマをそれぞれグループの誰が担当するかを決めます。
分担テーマを学習するそれぞれのグループ(図2)で情報を共有しながら課題に取り組めるように、教員はスクールタクトを「共同閲覧モード」にします。児童生徒は、あらかじめ決めた分担テーマのグループに分かれて、インターネットや本などで、テーマに関する事柄を調べ、スクールタクトのキャンバスにまとめます(図3)。共同編集モードを使うことで、複数の人が1つのキャンバスにまとめることもできます。作成中のキャンバスをリアルタイムで確認することができるため、誤りがあれば教員が共有前に指摘することもできます。
分担テーマのグループでの学習の成果を元のA~Dのグループのメンバーに共有し、考えを深めながら学習内容を習得します(図4)。前述の課題のまとめ(エキスパート活動)でそれぞれのメンバーが学習してきた内容をグループ全体で理解できるように協力するため、コミュニケーションやプレゼンテーション、合意形成といった活動が起こりやすくなります。
学習の応用編として、ジグソー法で学習課題の基礎が定着した後に、調べ学習を行い、個人が興味を持ったテーマを掘り下げて学習を進める方法も有効です。
スクールタクトで学習内容の振り返りを行います。他のグループの振り返りを見ることで、新しい視点やまとめ方に気づくことができます。
ジグソー法×スクールタクト
スクールタクトを使ったジグソー法の概要、効果、実践など導入を進める際に活用いただける資料をまとめています。ぜひチェックしてみてください!
ジグソー法 レシピ
スクールタクトを活用したジグソー法学習の概要、効果などを活用レシピと題してまとめています。ジグソー法の導入を検討する際の概要資料としてもご活用いただけます。
ジグソー法 活用事例1
奈良時代の「天皇中心の国づくり」の単元で、ドリルアプリで知識の土台を揃えた後に、ジグソー法を用いて「相手に伝えること」を主眼に置き、テーマに沿って要点をまとめていく実践をご紹介しています。
ジグソー法 活用事例2
英語の授業で「あなたはcan、あなたはshould」といった具合に担当する助動詞を割り振り、生徒たちが各自で助動詞の解説やわかりにくいポイントをまとめたノートを作成し、そのノートを共有し合ってクラス全体で「最強のノート」を作成するプロセスをご紹介しています。
主体的・対話的な学びで、学力は上がるの??~ジグソー法を用いた学びとその効果~
当社コードタクト内に組織されている「教育総研」にて行ったジグソー法に関する実証研究をご紹介しています。同じ単元で、アクティブ・ラーニング(ジグソー法による授業)を行ったクラスと、従前の知識教授型(一斉型)の授業を行ったクラスでの学習効果の比較から、ジグソー法を用いた学習で培われやすい力を分析しています。
学習者が主体的に、協働的に学べる教育設計として広がっているジグソー法。一連の活動により、知識の定着だけでなく知識を活用する思考力を身に付けることで、深い学びにつながりやすいとされています。学習設計の新たな手立てとして活用してみてはいかがでしょうか。
4月より毎月1テーマで、はじめてスクールタクトを使う方も導入しやすい活用法やさまざまな実践での子供たちの変化を「スクールタクト 活用レシピ」と題してマガジンでご紹介しています。ぜひあわせてご覧ください!
それではまた。
学びとマナビが、ひびき合う。
スクールタクトでした。
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