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スクールタクト活用術~主体的、協働的に学ぶための仕掛け~

皆さん、こんにちは!
スクールタクト マーケティング部です。

スクールタクト サマーキャンプ 〜みんなで創る未来(あした)の学び〜 は、スクールタクトと全国の先生がつながり、これからの教育や学びについて一緒に考え、未来に向けてそれぞれの現場での実践につなげていこうと企画したイベントです。

スクールタクトユーザーの先生方にご登壇いただいたDay2 実践編について、数回に分けて詳しくご紹介していきます。まずは、先生方がスクールタクトをどんな場面で活用されているのか「スクールタクト活用術」と題してお伝えします。

今回は「主体的、協働的に学ぶための仕掛け」をテーマに5名の先生方の活用術をご紹介します。

学習指導要領に記された「主体的・対話的」な学びを授業でどう実践したら良いかと日々考えていらっしゃる先生も多いのではないでしょうか。
協働的な学びはスクールタクトの特徴の1つ。5名の先生方の活用術がヒントになるかもしれません。

さまざまな場面でのスクールタクトの活用術をお届けした前々回前回の記事もあわせてご覧ください。


主体的、協働的に学ぶための仕掛け


箕面自由学園中学校・高等学校 新庄秀臣先生(英語)

箕面自由学園中学校・高等学校では、従来の学びを効率的に圧縮し、アクティブラーニングや協働学習、知識伝達に終わらない「新しい学び」に対応するため、ICTが導入されました。

※箕面自由学園中学校・高等学校でご利用いただいているサービスの名称はClassiNOTEです。ClassiNOTEは、Classiユーザー用に提供しているスクールタクトの別名称です。システム上の違いはありません。

コロナ禍に、授業動画やオンライン授業などもある中、全日制の学校という場の役割について改めて考える機会が多かったと話す英語科の新庄秀臣先生。生徒たちの「わからない」「知りたい」「試したい」といったタイミングに合わせて知識伝達や発展的な課題の提供をしていくような、生徒の学びに寄り添う部分が学校という場や先生の役割だと考えていると言います。

生徒の「わからない」を洗い出すのに有効なのが、テストに向けてスクールタクト上にカンニングペーパーを作成する活動。1枚のカンニングペーパーの中に自分がわからないことを詰め込んでいく作業を通して学びが深まっていきます。

1枚のキャンバスにわからないことを詰め込みカンニングペーパーを作る

また、クラス全体で「最強のノート」を作る活動は、生徒一人ひとりが担当する部分のプロフェッショナルになるという役割を担うことで、主体的に学ぶ仕掛けになっていると感じました。例えば、たくさんある助動詞を全て先生から説明するのではなく、「あなたはcan、あなたはshould」といった具合に担当を割り振り、生徒が自分達でノートを作ります。「共同閲覧モード」でお互いに閲覧し、「いいね」が多かったノートを集めたものがそのクラスの「最強のノート」になります。
紙のノートで同じことをしようとすると、ノートを回収した後で先生が中身を確認する必要があります。スクールタクトでは、生徒がノートを作成している途中でも誤りがあれば指摘することができるため効率的です。

生徒が作った最強のノートの一覧

さらに、「生徒たちに授業をしてもらうのもとても楽しいんです!」と新庄先生。知識伝達型の授業を基礎的なことにとどめた上でWebテストを行い、できなかった部分=習っていないことを生徒自身が調べ、生徒同士で授業を行う方法です。自分で調べて内容を作っていくためか、生徒たちはとても自信を持って授業をするそうです。先生が授業をしなかった部分については、授業動画を撮って後から学べるようにしているとのことで、「知識伝達」にも工夫次第でさまざまなやり方があるのだということがわかります。

生徒が作成した授業

生徒の「わからない」「知りたい」「試したい」に寄り添い、主体的に学ぶことができるようさまざまな試みをされている新庄先生が大事にしているのは振り返り。その授業で「残したいこと」をテーマに振り返り、ポートフォリオとして残しているそうです。
こんな学び方ができたら、学校という場や先生の役割や価値は、一層増していくのではないでしょうか。真摯に生徒の学びに向き合われる新庄先生の姿勢から、そんなことを感じました。


高輪中学校・高等学校 髙橋長久先生(高1 歴史総合)

ご発表いただいた先生の中には、新庄先生のようなベテランユーザーの先生もいらっしゃれば、スクールタクトを活用を始めたばかりという先生もいらっしゃいます。実は先述の高輪中学校・高等学校の先生方はスクールタクトを使い始めて3ヶ月(イベント実施当時)。髙橋長久先生は、学校全体での試行錯誤の様子や、ご担当の社会科での実践についてお話してくださいました。

高輪中学校・高等学校では、活用を進めるにあたり、まずは日常的なことを共有したり、作品や授業の感想を書き込むといった、簡単な使い方からスタートしたと言います。
一目でクラス全体の意見を確認することができるというスクールタクトの特徴を利用し、中学校では道徳やホームルームでの利用も多いそうです。文化祭のアイデア出しや体育祭の応援旗を「共同編集モード」でみんなで作成するなど、自由に意見を出し合う活動も行っています。

道徳や国語での活用事例

夏休みにはスクールタクトで課題を出すことによって、先生は休み期間中の空いた時間に目を通すことができたと言います。新学期にまとめて提出された課題を確認するのに比べ効率的な上、うまく進めることができない生徒には声をかけたり、ヒントを出したりといったこともできるようになりました。

髙橋先生が高校1年生の歴史総合の授業でスクールタクトを活用して行ったのは、「フランス革命の通信簿」や「日米修好通商条約の調印、賛成か反対か」といった内容。3〜4回、これまで通りの形式で歴史の流れを説明した上で、スクールタクトを活用し理解を深めていくという展開です。

「フランス革命の通信簿」では、人権宣言の内容を読んだ上で他の資料も参考にしながら、フランス革命が人権宣言をどれくらい実現できているかを生徒が採点するという活動を行いました。普段テストなどで採点される側の生徒たちは、大変盛り上がったそうです。

フランス革命の通信簿をつける授業の様子

このように髙橋先生は、スクールタクトの他者の考えを簡単に見ることができる点に着目し、1つの決まった答えがあるものよりも、いろいろな意見が出そうなものを中心にスクールタクトを活用されています。

「日米修好通商条約の調印、賛成か反対か」がテーマの授業では、生徒は資料を読みながら「自分が幕府の重臣として幕末に生きていたら、日米修好通商条約に賛成するか反対するか」について考えていきます。個人で賛成反対とその理由をスクールタクトに記入した後には、グループでの話し合い(会議)も行い、書記担当の生徒のキャンバスにグループとしての意見を書き込みました。

幕末の重臣になった気持ちで意見を書き込む

これまでも同じようなグループワークは行っていたものの、机間巡視だけで全てのグループの状況を把握するのはとても大変だったと言います。スクールタクトを導入したことにより、良い議論が進んでいるグループ、少し詰まっているグループがすぐにわかり、授業の進め方が効率的になりました。グループワーク中に面白い意見をピックアップしておき、授業の終わりに紹介することでまとめがしやすいというメリットも感じているそうです。

さらに、スクールタクトを活用したことで生徒の授業参加度はこれまでに比べて圧倒的に高くなりました。全員がしっかりと取り組むことができ、感想や振り返りをきっちり書いていたことも、これまでになかった変化でした。

また、参加者の高校の先生方から「ぜひ取り入れたい!」と声があがったのは、高校3年生の受験対策での活用です。クラスにはさまざまな生徒がいて、これまで授業内では対策が難しかった論述課題。スクールタクトを活用することで、レベルや志望校別に課題を配信し、個別に添削することができるようになりました。良い回答を簡単に共有することができるだけでなく、生徒たちにとっては書いた後に必ず「共同閲覧モード」にするとわかっていることが良いプレッシャーとなり、間違いやすいポイントなどを生徒同士で共有し合うことに繋がったそうです。

論述課題の添削の様子

最後に、配信した授業やワーク、配布教材などを一箇所にまとめたファイルのようなイメージで、授業の整理に役立っているという生徒さんの声も紹介していただきました。テスト前にここを見れば良いというのは心強いですね。

授業に関連するものを1箇所にまとめるファイルのように活用

このように、スクールタクトには生徒の活動や先生方の作成した課題が蓄積されていきます。髙橋先生は、担当する歴史以外の授業での生徒の様子や、他の先生の課題を見ることが楽しみだと話してくださいました。普段授業で接する中では見えないような生徒の一面を知り、多面的な生徒理解に繋がることもあるそうです。
「スクールタクトのオープンな空間で生徒も教員も学びを共有」という髙橋先生の言葉から、より良い学びのために試行錯誤されている様子をうかがうことができました。


さいたま市立浦和高等学校 柚木翔一朗先生(理科)

さいたま市立浦和高等学校では、令和3年度から1人1台のiPadを導入しました。ICTの活用を目的化することなく効果的に活用するため、ICT教育推進部では「ICT教育推進ビジョン」を作成し、学年ごとに目標を設定しています。柚木翔一朗先生は、このビジョンに沿って、授業や行事、部活動といったあらゆる場面でICT活用を進めてこられました。

※さいたま市立浦和高等学校でご利用いただいているサービスの名称はClassiNOTEです。ClassiNOTEは、Classiユーザー用に提供しているスクールタクトの別名称です。システム上の違いはありません。

各学年のステージや目標を設定した「ICT教育推進ビジョン」

この2年間で、先生の業務のICT化が進んだことはもちろん、それまであまり行われていなかったアクティブラーニング型の授業も増加したと言います。また、進路指導部が行っている学習状況調査によると、「わからない問題があったときにどうしますか?」という質問に対する回答にも変化が見られました。これまでは「そのままにする」「先生や友達に聞く」といった回答が多かったのですが、「自分で調べる」や「自分で解き方を考える」といった回答が飛躍的に伸びたそうです。

柚木先生ご自身は、授業の目的を達成するための促進剤としてICTを活用することを意識していると言います。柚木先生が理科を教える際に目的として置いているのは、コミュニケーション能力や表現力、論理的思考や批判的思考を身につけること。その手段として、反転授業(※1)や知識構成型ジグソー法(※2)といった手法を活用しています。その際にICTを活用することで目的達成が促進されるといったイメージです。
※1 反転授業は、先生が講義を行い宿題として復習を行う従来の授業から順番を反転させた授業形態。講義形式の部分を児童生徒が事前に学習した上で、授業では演習や議論に時間を使います。
※2 知識構成型ジグソー法はアクティブラーニングの手法の1つ。クラス全体に課題を出した後、児童生徒をグループに分けてグループごとに異なる資料を配布。担当の資料を読み込みスペシャリストになった後、それぞれ別の資料を担当するメンバーでグループを作り、知識を持ち寄って最初の課題の答えにたどり着くという方法です。

続いて、具体的にどんな風にスクールタクトを活用されているかをご紹介いただきました。

まずは演習課題を配布したり、その解法アプローチを共有する使い方。この活用法は校内の他の先生方にも広めやすかったと言います。

演習課題を配布し、解法アプローチを共有する使い方

オープンな問いや仮説を考えさせるような課題を配布し、取り組んだ後にお互いに閲覧しコメントし合うこともあるそうです。柚木先生は、難しい課題でも生徒に仮説を立てさせ、生徒同士で評価することを大切にしています。「投票」機能を使って意見の集約をしたり、クラス全体の傾向をつかむといった取り組みも行っています。

また、グループ分けに「いいね」機能や「発言マップ」をうまく活用した例には「なるほど!」という反応がありました。探究型の授業で研究課題としたいテーマ案を各自提出し、その後「共同閲覧モード」で自分の関心に近いものに「いいね」し合った上で「発言マップ」を確認するという方法です。発言マップでは「いいね」などのコミュニケーションの濃淡を視覚的に確認することができるため、関心の近い人たちを簡単に見つけることができます。柚木先生はそれをもとにグループ分けを行っているそうです。

続いて、「概念地図法(Concept mapping)」を使った授業を体験させていただきました。概念地図法とは、生徒が複数の概念を線で結んだり位置関係を示すことによって概念構造を視覚的に表すもので、理科教育でよく使われる評価方法だそうです。
柚木先生はこの方法を使って、授業前後に作成した概念地図を比較することによってその単元に対する理解度を自己評価したり、他者のものと比較することによって学びを深めたりといった活動をされています。生徒たちはスクールタクトで他者の考えに触れることに慣れていて、紙で実施していた時と比べて抵抗なく進めることができていると言います。自己評価を低めにつける傾向にある生徒でも、他の人と比較すると「自分の回答も意外と悪くない」と自信度が上がることもあるそうです。

授業前後の概念地図、自分と他者の概念地図を比較し、自己評価する活動

実際に生徒が描いた概念地図も紹介していただきました。単語があまり出てこないために概念図が描けない生徒もいれば、ペーパーテストでは高得点が取れるにも関わらず位置付けの整理ができていないために概念図を描けない生徒もいるそうです。そういったケースから、いかにペーパーテストが概念理解を測れていないかがわかると柚木先生。生徒には、頭の中を可視化することによってわかっていること、わかっていないことを再確認すること、知識の丸暗記だけでなく文脈を理解することの大切さを実感してほしいと言います。

実際に生徒が授業前に描いた概念図

授業前後で起きた変化が可視化され、生徒自身が学びを俯瞰することができることが大事だと柚木先生。生徒が変化を実感できるシステムとして、今後もICTを活用していきたいと言います。今回ご紹介いただいた概念地図法の実践では、スクールタクト上にその記録が蓄積されていくという点でも意味があるのではないでしょうか。


さいたま市立浦和高等学校 井川寛太先生(現代社会)

さいたま市立浦和高等学校で柚木先生と同じICT教育推進部に所属する井川寛太先生からは、現代社会の授業の中での活用事例をお話いただき、授業を体験させていただきました。

普段の授業では、ワークシートとしてスクールタクトを活用することが多いという井川先生。例えば、選挙制度について考える授業では、比例代表制と小選挙区制のどちらが望ましい選挙制度なのか、自分の考えを書き込んだ後(ワークシートの「1回目」)他者の意見を閲覧し、それを踏まえて再度自分の意見を書き込みました(ワークシートの「2回目」)。1回目と2回目それぞれで「投票」機能を活用し、クラス全体の意見の傾向をつかみます。他の人の考えに触れて傾向が変わるクラス、そうでないクラスとありますが、クラス全体の意見を可視化することが、その後に考えが変わった生徒に話を聞くなどのコミュニケーションを生むきっかけになっていると言います。

「共同閲覧モード」で他者の考えに触れた後に再度自分の意見を書く

普段の授業での活用の他に、設定によって生徒がスクールタクト上のパーツを動かすことができる「ムーブパーツ」機能を使った事例もご紹介いただきました。事前に設定しておいたパーツを動かしながら、つながりのありそうなものを線で結び、関係図を作ります。それにより、SDGsのそれぞれの目標は関連しているということを学ぶ授業です。教科書に書かれていることを学ぶだけではなく、問題の構造が繋がっているということや、1つの問題を解決するには複数の選択肢があること、1つの問題を解決しようとすると他の目標が叶わなくなることなどに気づいてほしいという意図で行われた実践です。

グループに分かれて話し合いながら、「共同編集モード」でリーダーのキャンバスに全員が集まり図を作成しました。

「ムーブパーツ」機能を使ってグループで話し合いながら関係図作り

実はこの授業は、コロナ禍で遠隔授業が必要になった際のシミュレーションとして行ったもの。実際にはその後、遠隔授業を行う機会はなかったそうですが、教室にいながらzoomを繋ぎ、各自がスクールタクトにアクセスしてグループごとに関係図を作りました。オンラインでもスクールタクトを使って簡単にグループワークができることを実感することができたそうです。

もし、この授業を紙で行おうとすると、グループの数に応じて模造紙やパーツを用意する必要があり、さらに、クラスを複数受け持っている場合にはクラス数分の準備も必要で、非常に大変だっただろうと井川先生は振り返ります。先生目線で授業準備が楽になっただけでなく、生徒も間違ってもすぐに修正できる、遠隔でもグループで集まって作業することができるといった良さを感じたのではないかと言います。こういった活動に一人で取り組むのはなかなか大変ですが、グループで行うことや他のグループの様子を閲覧できることでハードルが下がったそうです。

授業体験では、実際にこの関係図作りに各自で取り組みました。

授業体験での回答一覧画面

実際の授業では、グループワーク中に生徒たちの状況をリアルタイムで確認し、「◯◯のグループがこんなことを書いているよ」などと共有することもあるそうです。井川先生は、生徒自身が自分の考えと他者の考えの違いに気づくことが大切だと言います。「共同閲覧モード」をONにしておくと、生徒たちはそれを聞いてすぐに他の人のキャンバスを見に行き参考にすることができます。このように他者の考えから学ぶことができるということも、スクールタクトを活用するメリットではないでしょうか。


高輪中学校・高等学校 君島直人先生(中2 物理)

続いて、高輪中学校・高等学校の君島直人先生による中学2年生の物理分野の授業体験。参加者の方からも「面白かった」との声が多くあがっていた授業です。
君島先生のこれまでの授業は、プリントで課題を出し、生徒同士で討論した上で可能なものは実験を行って結果を出すという展開。それをスクールタクトに置き換え、「豆電球、電池、導線1本のみを用いて豆電球を点灯させるにはどのように接続すればよいか」という課題をスクールタクトで配布。まずは各自が自分のキャンバスに回答を書き込みます。

参加者の回答一覧

リアルタイムで回答を見ていた君島先生、記入時間が終わると「回答のパターンは2つ」と、その2パターンを「先生メモ」に描いていきます。それぞれをA、Bとし、Cにわからないを加え「4択投票」を行いました。普段の授業では、その結果を見て人数が少ないところから自分の意見を発表してもらうそうです。「わからない」の回答の場合にも意見を出してもらうと、難しくてわからないだけでなく問題の定義が不足している、場合分けが必要などの考えを知ることができます。

生徒の回答2パターンを「先生メモ」に記入し投票を行う

通常の授業ではここで討論を行いますが、今回はそこは割愛し、実験で結果を確認しました。Bの豆電球の口金に導線を接続することで点灯した時には司会進行役のスタッフも思わず「点きました!」と盛り上がっていました。

Aの実験(左)とBの実験(右)

実験で正しい結果を確認した後には、再度スクールタクトで正しい回答を各自で書き込みます。すると、回答一覧の中に間違いを見つけた君島先生。実は最初に出てくることを予想していた回答だったと言います。そのキャンバスをピックアップし、正しい実験結果と比べ接続する箇所が異なっていることを解説し、再度実験を行い点灯しないことを確認しました。

回答一覧の中に間違い(左下)を見つけ、ピックアップする

授業中に生徒の間違いを共有することについては、中学1年生の一番最初に「間違いからお互いに学ぶことができる」「授業の中ではたくさん間違おう」と伝えているため、生徒の抵抗はないと言います。このような安心して間違えられる環境を作るきめ細やかな指導が、生徒の主体的な学び、協働的な学びを支えているのだと感じます。実際の授業では、間違った回答を見た正解を知っている生徒がフィラメントがどう繋がっているかを説明してくれたりするそうです。

正解の図を踏まえ、「回路は電池、導線、豆電球がひとつながりになっていないと電球はつかない(電流が流れない)」など、課題からわかることを各自で記入し、感想や疑問を書き込んで授業は終了です。

正解の図を踏まえ、この課題からわかることを記入する

君島先生は、最初に生徒の考えを書き込む課題で、いかに生徒の誤認識を見つけるかを大事にしています。プリントで実施していた時にはそれを回収して授業後に行っており、なかなか全てに目を通す時間を取れなかったそうです。スクールタクト導入後は、簡単に確認したりコメントをつけたり、また後から再度見返すといったことができるようになりました。綺麗にまとめを行っている生徒から学び、次の授業につなげるといったこともしているそうです。


「未来の学び」は始まっている!?


ここまでスクールタクト活用術として「ICTは子供たちの文房具」「子供たちが学びを深める学習環境をつくる」「主体的、協働的に学ぶための仕掛け」の3つの記事であわせて12名の先生のさまざまなスクールタクト活用術をご紹介しました。
どの事例からも、スクールタクトのさまざまな機能をうまく活用し、子供たちが主体的に、そして相互に学び合い、それによって学びを深めていく様子、また先生方がリアルタイムでそれを見取りながら関わっていく様子を感じていただけたのではないでしょうか。

スクールタクトを使い始めたばかりの先生も、何年も活用してくださっている先生も、子供たちのより良い学びのために試行錯誤を繰り返してくださっています。
これから使い始める先生、まずはご自身やクラスの状況に合わせて取り組みやすそうなところからスタートしてみるのはいかがでしょうか。すでに活用してくださっている先生も、ぜひこの中の実践を1つでも参考にしていただけたらと思います。その先にはきっと新しい学びの世界が広がっています。



それではまた。
学びとマナビが、ひびき合う。
スクールタクトでした。


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