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学校にいる”自分”と”周り”の状態を知ることから対話が始まる Part1

みなさん、こんにちは。
NPO法人学校の話をしようの寒川です。

先日、チームを考える学校 for Leaders 4期説明会を行いました。
説明会では、3期に参加していた
静岡聖光中学校・高等学校 齋藤泰正(さいとうやすまさ/以下、呼び名の「やっくん」と表記します)さんからチームを考える学校 for Leadersでの「学び」や「学校の中ではどのように活かしているのか」などをシェアいただきました。皆さんにはその内容をnoteを通じて共有できたらと思っています。

内容に入る前に・・・突然ですが、皆さんに質問です。

学校の中にいるときに
自分の状態
一緒に働く一人ひとりの状態
にどのくらい目を向けることができているでしょうか?

やっくんがチームを考える学校に参加して、たくさんのことを受け取りご自身の言葉に変換してお話をしてくださいました。その中でも「自分自身が良い状態でいること」のお話は、私自身も読みながら自分へのリマインドをあらためてもらった部分でした。
誰かに働きかけて何かをしたいと思う方にはとても重要なのですが、ついつい私たちは忘れてしまいがちなことでもあります。

プログラムに関心がある、ないに関わらず、「対話」「関係性」「協働」のキーワードに関心がある皆さんはぜひ読んでみてください。


※6月12日(月)の説明会でお話しされた内容を文字起こしをしています。(文章にしたときに読みづらい部分の調整は行なっています)

「あの人は、ああいう人だからしょうがないよね」で終わらせたくないけど、どうしたらいいのかがわからない

3年前くらいから学年主任をやることになり、それまでずっと担任をしていたので、生徒とどう関わるか?生徒をどう伸ばすか?ということにずっと重きを置いてやってきていました。
それが自分が教員になる目的でもあったし、生徒がトラブルを起こしたり、ケンカをしたりしますが、そこから得られる学びを学校で過ごせることが一番ステキだなと思って教員をやっておりました。
学年主任になったことと、理科主任もやっているのですが、30半ばに入ってきて、主任の仕事や、プロジェクトの取りまとめなどを任されることが多くなりました
子供と関わる機会が減って、大人の方と関わる機会がめちゃくちゃ増えたな、というのが、学年主任になったばっかりの時に、特に感じていたことでした。
いつもだったら毎日ホームルームに行って、クラスで生徒と関わりがあるのですが、その機会がかなり減ったなと。授業はもちろん持っていたのですが、機会が減ってしまったことに違和感があって、ちょっとさみしいなと思っていました。
加えて、大人の方とどう付き合っていけばいいんだろう?という悩みがあったんですね。
年が近い先生もいたり、すごく年配の先生もいたり、母校に勤めているので自分の恩師もいたりして、あと卒業生のOBの方が保護者にもいて、そういう中で、自分の想いを伝えたり、目的を達成するために色々動かなきゃいけなかったんですが、そこがうまくいくこともあれば、うまくいかないことも多くて、特に”対大人”のところですごい悩みを抱えている時期がありました。

いろんな人に相談しても、「あの人は、ああいう人だからしょうがないよね」って言われて終わることがすごく多くて、結局それって何の解決にもなっていないなと悩んでいた時に、このチームを考える学校のことを知り合いから紹介していただいて、これは今の仕事にも使えるし、子どもたちや保護者との関わりの中でも活用できるスキルがあると感じて学ぼうと思いました。


8ヶ月の学びで一番大事だと思ったのは「対話」

ベースとしては対話です。自分の感情・立場・性質、そういうものを対話すること。
自分がどういう人間か?を理解した上で、他者と関わり、チームと関わり、対話を中心にどんどん組織を良くしていこうねということが8ヶ月で学んだことでした。
最初、気づかなかったんですけど、一つ一つ学ぶ中で、これはこういうのに使えるな、これはこういうことに使えるな!とそれぞれ思っていたが、終盤になって、これらの学びがすべて合致した瞬間があって、ガシャーン!って。これが合致した時のイメージです!

やっくんが作ったチームを考える学校での学びの繋がり

学びが合致して、くっついたときに、これをうまいことやっていけば、学校はどんどん良くなるし、生徒も保護者も、学校に関わっている人がHAPPYになれるなと思い、ぜひこの学んだことを学校でどんどんやっていこう!という考えに今は至っています。
でも、根本は土台のところの対話のルール
対話がすべての始まりで、対話ができるということがチームに大きな影響が与えるなと思っています。
一番学べてよかったのが、この対話ということだと思っています。

今まで人と話すことすべてが対話だと思っていたんですが、細かく分類すると違うなということが対話を学んでわかったんですね。
雑談と討論と対話があって、それをごちゃまぜにしちゃうことが多いなと。
会議で何かを決めなきゃいけない時に、雑談で終わってしまったり、何か決めなければいけないことが決められなかったりする。相手を理解するためにやっているのに理解できずに終わってしまうということがあった。
対話とは最終的に、言葉を発することで自分がどういう状態かを知れること、また、自分と違う相手がどういうところが自分と違って、なぜその考えに至っているのかを知ることができる。そこを知り得て初めて、組織として動き出すのかなと思っています。
今まで、それをしないで、そこをほったらかして、この仕事をお願いします、この仕事は僕がやりますよっていうのが多かったので、それで仕事としては成り立つのですが、クオリティだったり、チーム力というところが、対話があるとないとでは大きいと思っていて、対話が一番大事だと感じています。


学校での実践

チームを考える学校のモジュールに参加するたびに、それぞれ新しい学びや気づきが多かったのですが、それをモジュール外のところで同じグループの参加者同士で対話したり、コーチングで話す中で、授業と同じでどんどん実践していった方が理解も深まるしいいんじゃないかと思いました。
昨年度は先生同士で集まって対話をする場を定期的につくりました。自分の感情はどのような時に特に動くのか、相手の考えはどのようなところからくるのだろうということを対話しました。
生徒への取り組みでは、例えば、以前は理科の実験をしてプレゼンして終わりだったのを、保護者会と重ねて開催し、保護者に自分の実験内容や思いを説明するにしました。
また、美術大会では、今までは校長先生と美術の先生が作品を選んで表彰しておしまいだったのですが、お互いの交流の場にしたいというアイディアが出たので、お互いの絵について聞いたり伝えたりする中で自分と違う見方、考え方があるんだねという対話の場にしてもらえませんか?という提案をさせてもらって、他学年同士でグループ作って話し合いをするということをやりました。
昨年だけで10回ほど対話の機会をちょこちょこ設けたことになります。
やってみたらとても楽しかったし、生徒も寝る子が誰もいなかったですし、先生もたくさん積極的に参加してくれてやってみてよかったなって思っています。

今年も学年主任をしていますが、同じ学年の先生のほとんどが今年度初めて受け持つ方だったのり、今年度学校にいらっしゃった方だったりでした。そこで、年度始めのタイミングでは、ひたすら自分の話をするという時間を設けてみたんです。それぞれどのような思いでこの学校に来たのか、どのような夢をもっているのかをシェアして新学期を始めてみました。そのコミュニケーションのお陰で、学年会がほとんどなくても、風通しが良く、職員室の中で対話しやすいし、笑顔がよく見られる、良い雰囲気でスタートできています。
今年度の取り組みについては、夏休みに虫取り大会をやろうと思って、企画しています。生徒に徹夜で虫取り大会するぞ!ってアナウンスしています。保護者にも参加募集をしていて、生徒は虫取りをして、その間に保護者とじっくり話す機会になればよいと考えています。学年が上がるにつれて、偏差値や大学進学のことが気になってくるのですが、それだけが大事なのではないということを伝えたいと思っています。保護者の方とじっくり話す機会がすごく減ってきているので、そういう場にしたいと思って、今年度も色々動いています!


ここまで読んでくださり、ありがとうございました!
次回のPart2では、説明会に参加されていたみなさんからの質問に対して、やっくんがお話をしてくれた時の書き起こしの内容をお届けします。
ぜひPart2も楽しみにしていてくださいね。


現在、チームを考える学校for Leadersの4期の受付中です!新たな仲間と会えることを楽しみにしています。

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