無題のプレゼンテーション__6_

内発的動機から始まる学びとその仕掛け

おはようございます。cokowillの寒川です。

前回から始まった新渡戸文化学園さん訪問記。今日は内発的動機から始まる学びとその仕掛け、というタイトルをつけました。内発的動機なのに仕掛けるの!?という矛盾を感じられるかもしれませんが、動機を持つ手前にはきっかけが存在します。そのきっかけをどのようにつくっているのか?に新渡戸文化学園さんの面白さがあったので、今日はそれについて書きたいと思います。

当日撮影したものからこのnoteに使用する写真を探していると、下記の写真が。これも今回のテーマの一つの現れですね。学内で行なう行事を完全に学生さんに任せて開催するそうです。

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改めて、そんな新渡戸文化学園さんの今回のnoteは②社会課題に触れることを入り口として生徒の関心に沿った授業のスタートを切るです。

新渡戸文化学園のここが面白い!素敵!
①子ども園の卒園遠足はこどもたちが決める→こちら
②社会課題に触れることを入り口として生徒の関心に沿った授業のスタートを切る→今回はここ
③保護者の「ちょっと辛い・・・」を楽にしてくれる
④小・中・高・短大がそろっていることを活かした場づくり
⑤学校とアフタースクールの連携

新渡戸文化学園さんでは社会課題に触れるきっかけとして、スタディツアーを今年から実施されています。今年は三重県の過疎が進み、町がなくなってしまう可能性がある課題を抱えている地域へ。都内に住む生徒たちが普段の生活からは知ることができない、その地域に住む人たちにとっての日常と未来を学ぶツアー。実際に自分の目で社会課題を見て、感じ、考える機会を創る。そして、継続的にその地域に関わることで単発の学習とするのではなく、継続的な学習と体験に変えていくことを意図されているとのこと。

自分が見て、触れて、感じたところから湧いてきた疑問や課題意識をもとにPBL(プロジェクト学習)がスタートする。

これはとても大事なことですよね。

来年からは海外と国内とスタディツアーの複数の候補地が出てきて、生徒が選択して行く形になるそうです。海外にいくのもいいけど、身近な日本のことは?と思われたりする方もいるかもしれません。でも、海外に行くことは、世界を知り、日本にいたら想像しきれなかったり、どこか自分事には思えない出来事を実際に自分の目で見てくることで自分事の範囲が広がるのと同時に、結局日本のことを考えることにもなります。私はフィンランドの教育視察ツアーを企画して通っているのですが、通うからこそ、日本の教育の現状や歴史的・社会的背景をもっと学びたくなり、学ぶサイクルにはいるので、国外にいってみることも大事だと思っています。

さて、なぜスタディツアーをしてからプロジェクト学習をするのでしょうか?それは、自分で探究のテーマを決めることに意味があるからです。内発的動機から始まり、自分なりの問いをもって探究を行う。そして、その探究によって更なる自分の中に衝動が生まれ、問いが生まれ・・と経験学習サイクルが回っていくのですよね。

無題のプレゼンテーション (3)

平岩さんのお話では、今後、スタディツアーに行くタイミングを学年が始まる最初(5月頃)にされて、本当にすべての学習が始まるタイミングで行くことで横断的な学びや興味関心のきっかけとされたいということでした。

写真は校内のスペース。自由に空間を使うことができるので学習のスタイルも広がりますね ↓

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さらにもうひとつ、面白いお話がありました。ある学年の理科の授業では、学期のはじめに、教科書に書いてある実験の中で自分がやりたい実験をどれでもやっていいので、どれをやりたいかを自分で決めてください、というアナウンスから始まる授業があるそうです。

すると、生徒たちは自分が何の実験をしたいか?を探すために教科書を最初から最後まで目を通す→自分が気になったものを理解するために、読み込む→実験を行うために必要な知識についても学習する!というように、自分の好奇心を基に学習を進めることができるのです。

無題のプレゼンテーション (7)

生徒が選ぶ実験は意外と重ならないそうで、結果、学びあいの効果も生むということ。

自律型学習者を掲げる新渡戸文化学園さんとして楽しく主体的に学ぶということを大事にしていることが細部に宿っているエピソードでした。

一方で、本当に誰もが自分でテーマを見つけ出したり、意欲的に取り組むことができるのでしょうか?

これについては、必ず誰でもその力はもっていて、本人から生まれるまで待つことが大事ということでした。すぐに自分のテーマがみつかる場合もあれば、そうでない場合もある。でも、必ずどこかのタイミングで自分のテーマを見つけることができると信じて待つ。そして、それができる先生方が学校にいてくれて、今は一部の学年で実施したところ、その学年の生徒の様子が大きく変化したので、学校全体に広げていくことを予定されているということでした。

いきなり大きな変化を学校全体に起こすのではなく、小さくスタートをしてみて、試行錯誤を重ねながら新しい学びを広げようとされていることも変化を広げていく上での大事なポイントですね。

無題のプレゼンテーション (1)

直接、新渡戸文化学園さんの取り組みを聞いてみたい方は、12/3のイベントでお待ちしております!

チケットはこちらからhttps://20191203miraiotonalab.peatix.com/

新しい学び、未来を見据えた学校づくり ~社会と学校をつなぐ~ (1)

次回は、訪問記の最後になる予定。③~⑤を1つのnoteでお届けします!

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