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#新大学生におすすめする本ーディストピア小説『1984年』

こんにちは、scherzです。

新大学生のみなさま、ご入学おめでとうございます。

大学生になると自由時間が増えるので、今までよりも本を読む機会が増えるという方も多くなることでしょう。私もそうでした。通学中、バイトのスキマ時間、講義中に読むなんてことも。小説やビジネス書、研究書、語学書などなど読む本の種類も増えると思います。

そこで、私がおすすめする本をご紹介したいと思います。ちなみに、冒頭の写真はオーストラリア・メルボルンにあるビクトリア州立図書館です。

『1984年』(ジョージ・オーウェル著)


全体主義国家と近代科学技術が組み合わさったらどうなると思いますか?

いわずと知れたディストピア(反ユートピア)小説の金字塔です。1950年代に起きた核戦争によって、1984年現在、世界はオセアニア、ユーラシア、イースタシアの3地域に分断されたという設定。

作品の舞台となるオセアニアでは、思想・言語・結婚などあらゆる市民生活に統制が加えられ、物資は欠乏し、市民は常に「テレスクリーン」と呼ばれる双方向テレビジョン、さらには町なかに仕掛けられたマイクによって屋内・屋外を問わず、ほぼすべての行動が当局によって監視されている。wikipediaより。2020年5月6日閲覧。太字は筆者による)

歴史記録を改ざんする業務についている主人公の男性スミスが、この体制に疑問を抱きます。そして自分の考えをノートに記しはじめます。これは、「思考犯罪」行為と呼ばれ、極刑に相当する行為とされています。同じく体制を疑問視する女性ジューリア。彼女は青年反セックス連盟の活動員です。

体制への疑問という共通点を介して次第に惹かれ合うスミスとジューリア。政治的な言動だけでなく、日常の行動、誰かを愛することでさえ監視される世界で彼らが見つける信念とは一体何でしょうか(そもそも見つけられるでしょうか)?

真理省、愛情省、スターリンをモデルにした指導者・・・。全体主義国家を過去の遺物と笑い飛ばす方もいるでしょう。しかし、相互監視、国家による監視は我々が実際に経験していることです。その果てに何が待っているか、覗いてみたいとは思いませんか?


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