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産院飯日記 #1

幼馴染Mと、おいしすぎる産院飯に励まされた出産記録。
(#1は産院飯でません)

10/10 0:00〜3:00ごろ

10分から20分間隔の前駆陣痛
痛みはほぼなし、感覚もバラバラ、お腹の張りが強くてねれない。スマホ画面が明るくて陣痛タイマーつけるのも面倒になってきた。やめち。

4:00
どうしても寝れない。諦めて起きよ。なんとなく冷蔵庫に寝かせっぱなしの生地を焼いてしまっておかないといけないような気がする。でも朝パンを焼くための復温を待ってたらいつの間にか寝てた。

5:00 ごろ
再び目が覚める。張り、痛みなし。今から焼いても健診にギリ間に合うか間に合わないか。でももったいないし、途中で保存する技術もない!焼くしか!とりあえず朝は晩御飯残り物の肉じゃが少し。

6:00 ごろ
身支度、朝の雑用を済ませるあいだも、この期に及んでパン生地の二次発酵。笑 半には焼成に入ってなんとか焼き上げて、55分に家を出発。「もうでてきてもいいよー、待ってるよ」って声をかけながら病院に向かった。

7:40 病院着

時間外の入り口から入れてもらって、幼馴染Mが待つ二階へ。荷物を持って上がってくれた警備員さんが入院やね、頑張ってね、とエールを送られて、陣痛のきてなさに、「う〜ん、帰されるかも」と返事していた。このときはほんとに蜻蛉返りするかと思ってた。

Mが、職人の顔つきで、診察室に入って下着を脱ぐように言う。羞恥心はなく、まさか小学生のころ校庭を駆け回った相手にそんなことされる日がくるとは、ほんとに夢にも思ってなかったなあ、などと懐古厨になっていた。でも彼女の仕事への向き合い方とか、人となりとか、産まれて歩んできた人生のほとんどの時期を近くで過ごしてきたからこそ信頼できるし安心できる。Mに委ねられる、どうなってもついて行こう。

ためらいなく、いや実際にはカーテンがあったからわからんけど、わたしの子宮口に手を突っ込んだMが「2cm!完璧や、今日産まれる」と嬉しそうに言った。
わたしはと言うと、彼女の小さい手でどうやって子宮口まで指入れてるんだろうと、変に感心したりした。

NST 40 分 ちょこちょこ張りがあるが痛みはない。


9:30 医師による内診 4cm 破水


ま?!全然陣痛感じないけど、、1時間ちょいで2センチも開いたらしい。なんて優秀なわたしの子宮口…

9:45 分娩誘導開始
陣痛を待ってもいいけど、痛みが全然きてないということで、破水してるし、4センチ開いてるし薬で促進することに。ちょっとこわい。陣痛の様子をみながら薬の量を倍量に増やしていくらしい。

しかし夜勤明けのMにそんなことは関係ない。

ずんずん突き進んで言ってくれて、わたしがためらうまもなく針を刺して促進剤をいれた。
展開が早すぎて思考が追いつかんまま流されるまま、痛みに意識を引き戻される。

もう1人のMが挨拶に来る。

陣痛室にいる女性みんなイニシャルMなので、この女性はNとする。Nさんは病院についてるエステティシャンで、アロマ分娩なるものを導入するためにMといろいろ勉強しているらしい。

わたしは栄えある被験体1号に選ばれたわけだ。

おぉ、これが陣痛か!
薬が効いてきた感想はまさにコレ。いきなりの4分間隔 

下痢とか便秘のしんどい腹痛やなーっていうレベル

アロマ分娩では、事前に好きな香りをカウンセリングされ、わたし好みにブレンドされた3種類のアロマを使ってお産を促したり、集中させたり、落ち着かせたりしてくれるらしい。ちょっと楽しみにしていた。


最初は好みの柑橘系の香り、痛みがきたら香りをたどってリラックスする。すごい効果的。

夫がアロマ分娩を知ってか知らずかバラ呼吸なるもの教えてくれた。

なんでも、薔薇の香りをかぐように呼吸すると力まなくてよいらしい。分娩室に漂う香りも相待って効果覿面、すごいアドバイスだ。

(あとでググってみてもバラ呼吸はヒットしなかった。笑
夫よ、ソースを教えてくれ。)

10:00 はやくも2分間隔

11:30 6cm
Mの容赦なさすぎる内診グリグリが陣痛中に2回。ほんとにつらい。「思ったより硬いなー、おさん進んできて、初産らしく子宮口がぱつぱつになってきた。」とのこと。

え、ここにきて停滞?!この2分間隔の陣痛で?!いやいや、甘んじて内診受けます〜。

トイレに行かされ、帰ってきたらスクワット10回一緒にさせられる。

一緒にがMの優しさ…涙。

強気のM、きみ、ふつうの患者には絶対こんなスパルタやってないでしょ!?


M、強気の内診に再び耐えたあと、1時間ほどでどんどん陣痛が強くなり、ここからは自分のメモ記録がない。夫へのラインから状況を振り返る。

12:00 痛みの場所

Nさんはちょこちょこ顔を出してくれて、12時ごろからべったり付き添ってくれた。プロのエステティシャンが、陣痛中に腰をアロマでさすってくれる。もはや金を払うサービス。最強のリラックス。

この時のアロマは陣痛を促進するジンジャーやクラリセージがメインの香り。

「痛みがお尻にきだしたらもうすぐ会えるから!」Mの言葉を頼りに、どんどん痛みの場所が、前から後ろにうつってきているのがわかる。

2回、3回、4回、それぐらい耐えて、どんどん肛門の方に圧迫感が近づいてきている。

MはNSTの波形も説明してくれて、よい形で赤ちゃんが降りてきてると褒められ、赤ちゃんの頭下がってきてるのを感じさせてくれた。

12:33 8cm トイレ→分娩室に移動 

トイレで一回陣痛に耐える壮絶。そろそろ産道に頭が突っ込んでいるみたい。痛いなんて陳腐な言葉で表現しきれない。

分娩台にあがりながらまだフーッの呼吸でいきみ逃しがなんとかできる。M強気の内診再び、恐怖すぎる。

「指入れたら髪触れるぐらい近くまできてる!!」

Mの言葉通り、おしりの方に陣痛がきたらもうやばい。いきんだらあかんのに呼吸ではもう追いつかない。勝手に声が出る。

できんって言うたびに「できてる!上手!」返してくれる。飴ムチうますぎるM。

すかさずNさんもほめてくれる。涙
Nさんはずっといきみのがしを手伝ってくれて、腰をさすってくれる。

分娩台で仰向けにされた後は全く初対面のはずのわたしのてをしっかり握ってくれた。数時間の分娩に最後まで立ち会ってくれた。

5回ぐらいいきんだらあかん陣痛をやり過ごす。
もしかしたらもうちょい少なかったかもしれへんけど、ほんとうに苦しい。

先生入ってきたのが見えてもーすぐか!!と一気に前向きになる。

おじいちゃん先生だったが、Mチョイスの上手くてかわいいじいちゃんらしい、ぜひよろしくお願いします。

やっとこさいきんでいい陣痛の出番!!

出産前から肺活量にはとても自信があるのでこのときを待っていた。ながーーく息を止めていきんで!って言われた瞬間自信満々にいきむ。

すかさずMに「上手!できてる!すごい!」と褒められ安心。

空気中に漂う少しスパイシーな香りが痛みから気持ちを引き戻してくれて、陣痛を待つ間も冷静でいられる。それでも吸う呼吸はなかなかうまくいかない。

12:50ごろ 分娩室移動から約20分後


「あと3、4回で産まれるから!頑張ろう!」

いや、いきめる陣痛の楽さよ!3回で会えるなら全然がんばる!いつのまにかMが夫に電話んかける準備をしてくれていた。

夫にもしもしするのも束の間、陣痛くる!息止めて、踏ん張っていきむ!切られてるのも、赤ちゃん頑張って出てこようとしてるのもすごくリアルに感じられた。

声出したらあかん!とか、Mの声がしっかりと耳に届く。やっぱり陣痛がおさまった間は香りを吸って、集中力を取り戻す。

「もう出るよ!最後にしよう!せーのっ、んっっっ!」

一番長くいきめたかもしれない。
どぅるんと赤ちゃん出るのまで感じる。
夫、ビデオ通話越しに泣いてる。嬉しい。
頑張ってるところ見てもらえてよかった。

13:03 誕生 2752g


胸のとこにきた赤ちゃん。
しっかり重くてあたたかかった。こんなのがお腹に入ってたなんて、愛おしすぎてたまらん。一緒に10ヶ月頑張ったね。ちゃんと大切にできてたかな?わたし気持ち伝わってるかな?あなたに会えるのをずっーと待ってたよ。わたしたちがんばったね。いらっしゃい。今日からまた一緒に、いろんなこと楽しもうね。つらいことがあれば今度は抱きしめてあげるからね。ユウタと、わたしのところに産まれてきてくれてありがとう。

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