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behind the scenery - ①コンセプトづくりの裏側

scenery(シーナリー)のカメラバックパック開発の裏側をお届けする、「behind the scenery」はじまりました!

著者(bird and insect 林)がsceneryの開発メンバーの話を伺いながら、sceneryとはどんなブランドなのかに迫りつつ、バッグ作りの裏側を覗いてしまおうというシリーズです!たのしみ!

第一回は、bird and insectの代表でsceneryのイメージディレクターでもあるshuntaroさんの話を聞いてみようと思います。

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shuntaro
1985年、東京生まれ。京都工芸繊維大学で建築・デザインを学び、広告系制作会社を経てフリーランスへ。2013年、University for the Creative Arts で写真の修士号を取得。その後、bird and insectを立ち上げ、代表取締役を務める。2017年には、日本のファッション写真史の研究で博士号も取得した。

Q1 シュンタロウさんは元々デザインが好きですよね。どのような形でデザインに親しまれてきたのでしょうか?

デザイン自体に興味を持ったのは、恐らく両親と雑誌の影響だと思います。
父も母も雑誌社で働いていた経歴があり、デザインなどへの関心が高い家庭でしたし、毎月いろんな雑誌を父が持って帰ってきて、家にたくさんあったので、それをずっと読んで育ったからだと思います。
特に、Casa BRUTUSなどを通じてインテリアなどに興味を持って、中学生くらいの頃からインテリア関係の本などもたくさん読んでいました。その後、大学は医学部に行こうかと思っていたのですが、受験直前にその選択に悩んでしまい、結局大学は建築やデザインの道に行ったので、そこからはずっとデザインに親しんできました。

Q2 好きなデザインのジャンルやテイストについてお聞かせ下さい。

好きなデザイン、とても多いので絞りきれないかもしれません…w めちゃくちゃシンプルでモダニズム的なデザインも大好きだし、反対にかなりグラフィカルで遊びのあるデザインも好きだし、、、ただ、全体に「なぜそうなっているのか?」と言う問いに答えられるようなデザインが好きです。それがアート的なコンセプトであっても、実用的、機能的な理由であっても。

Q3 なぜカメラバッグを作りたいと思ったのでしょうか?

普段、プライベートで撮影するタイプでは無いのですが、去年の自粛期間中は写真を撮る機会が増え、なんだか新鮮な気持ちに。ただ、家では撮るけど外だとやっぱり持ち歩かないな〜と、気づいたことが発端でした。
その理由を考えた時に、カメラは小型のZ6だから、別に持ち歩くのが苦でもない。だけど、四六時中撮るわけでもないので「撮ろうと思った時にすぐ取り出せて、かつ普段はいつもと変わらない」そんな振る舞いにあったカメラバッグがないのは、致命的だと感じました。

普段使いできるデザインのカメラバッグがそもそもあまりなく、普通のカメラバッグだと機能的でカメラを入れちゃうと、取り出すのが面倒、、、かといって、ストラップでずっとぶら下げているのも撮りたい気分じゃない日は邪魔だったりしますw

だから、もしそういう嫌なところを払拭したような素敵なバッグがあれば、もっとカメラを持ち歩いて撮影するんじゃないか?と考えたのが、つくりたいと思った理由ですね。
 
もう一つは、この想いを抱いたときに、ke shi kiで行ってきたバッグ作りのノウハウやクラフトとデザインの融合をしていきたいという情熱、そして何より写真や映像の世界を盛り上げていきたいというbirdの目的とも合致するということがあったので、僕らじゃなきゃ出来ないことかもしれないと思って始める後押しになった形です。


Q4 birdではke shi kiというブランドをやっていますが、敢えて新しくブランドを立ち上げたのはどういう理由があるのでしょうか?

そもそもke shi kiは、妻の瑠璃(ke shi ki 細川)が個人で始めたブランドで、レザーグッズを主体とした製品を扱っています。ke shi kiには明確なデザインコンセプトやトーンがあって、そこには妻の思想が宿っているので、それと今回のバッグの方向性が若干ずれてしまうかも、、と言う懸念があったので、最初から相談して別ラインを立てることにしました。
それと、birdはプロモーションを主戦場としている会社なので、せっかくバッグを作るなら、多くの人に使ってもらうためのプロモーションを実験的な側面も含めてやりたかった。ke shi kiだと、そもそものトンマナに合わないことはできないので、そことは切り分けたかった感じです。

Q5 ke shi kiではビジュアルの撮影も手がけていますが、毎回目を引くビジュアルになっていて面白いですよね。どんなことを考えて撮影しているのでしょうか?

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ビジュアルは基本的には妻が毎回コンセプトを立てて撮影しています。コンセプトは、彼女の最近のインスピレーションから生み出されていて、まずはそれが面白いと言うのが大きいかなと思います。写真的なことで言うと、そのコンセプトに対して、写真的にどんな形で面白く実現できるか考えるのは、チャレンジングで面白いですし、何よりその実験が目を引くビジュアルを作っていると思います。
例えば、モダニズムの絵画表現を下敷きにしたこれらの写真は、絵画的に見えるようにできるだけパースがつかないレンズを使って、かつコントラストのつくライティングをしつつも、コントラストを消すような処理をいろんな形で行って、絵画的な雰囲気を出したりしています。

Q6 bird and insectはプロダクションですが、そのような会社がカメラバッグをつくる意味について伺いたいです。

bird and insectが手掛ける映像作品


Q3の最後にも書きましたが、ke shi kiをずっとやっていたことと、写真・映像業界への貢献ということがまず大きいかなと思います。もっと多くの人に写真や映像の楽しさを知ってもらいたいし、興味を持ってもらいたいと常々思っているので、そこを後押しするような活動の一環として、カメラバッグも位置付けられると思います。
また、sceneryのコンセプトとして、写真を好きな全ての人に届くものにしたい、ということがあります。これはカメラが好きな人、ではないところが結構ポイントで、カメラというメカが好きなだけでなく、写真というアートが好きな人をターゲットにしているということです。

僕自身そうなのですが、カメラは手段でしかないのでそれ自体はむしろ存在を無くしていきたいという思いがあって、カメラを持つことへのストレスとかを写真を撮る時に感じたくないし、バッグの使い勝手に左右されて写真を撮りたい気持ちが少しでも削がれてしまうことが嫌だな〜と思っていて。

なので、このバッグはある意味、カメラのためのバッグではなく、カメラを持っていないのと同じように使えて、でもカメラは身近にある、というような状態を作り出すためのバッグなんだと思っています。そうすることで、より写真を楽しみたい人にとっての障害をなくしていくようなイメージで、バッグを作っています。


Q7 シーナリーをこんなイメージのブランドにしていきたい、という理想をお聞かせ下さい!

sceneryは、写真や映像好きの人みんなに、気軽に使ってもらえるようなブランドにしていきたいです。そして、ゆくゆくは、写真・映像にちょっと興味を持った人が、sceneryを通してもっと好きになってくれたら、それが一番嬉しいです。今後は、グッズだけではなく、写真を好きな人々に貢献できるサービスを作っていくことも計画していたりするので、今後も多岐にわたって、色々と開発していきたいと思っています。


Q8 最後に、シーナリーに興味を持って頂いている方に一言!

僕ら自身もユーザーとして使いたいものを目指して、みんなで意見を出しながら作ったバッグなので、自信を持って勧められるものになると思います。
発売されたら、ぜひ一度手に取って試しみて欲しいです!そして、今後も写真・映像好きの皆様に愛されるようなものを作れるよう、頑張っていきますので、応援よろしくお願いいたします!

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shuntaroさん、ありがとうございました!!
behind the sceneryの初回にふさわしい、すごく熱量の籠ったnoteになった気がします。。!

今回はsceneryというブランドの立ち上げのきっかけをshuntaroさんに聞いてみました。
次回はカメラバッグの1stデザインがどのようにして作られていったのかをレポートします!

おたのしみに!

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