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自作の動画を発表し合う小学生たち。初の試み『キッズシナリオ 子ども動画祭』

3月2日『キッズシナリオ 子ども動画祭』なるものを開催しました。
なんだそりゃ?と思うかもしれません。実際、今年初めて開催したので、世の中のどこにもないものです。

シナリオ・センターでは、小学校や中学校へシナリオの書き方や、物語を面白くするためのポイントを出前授業で伝えるという、キッズシナリオという取組みを、2010年から実施しています。
2021年には、10校程度の小・中学校で、キッズシナリオを実施しました。2021年の特長として、タブレットを使った動画作りをお手伝いする機会が多くありました。

そこで、キッズシナリオにて、動画作りをされた小・中学校に参加を募り、オンラインで繋いで、『キッズシナリオ 子ども動画祭』を開催してみよう、ということを考えました。

3月2日の『キッズシナリオ 子ども動画祭』の様子

キッズシナリオを実施した小・中学校のうち、

・松戸市立北部小学校 様

・横浜市立荏田東第一小学校 様

・横浜市立本町小学校 様

・私立カリタス小学校 様

の4校の小学校が参加をしてくださいました。

動画制作の目的はさまざま

今回、この企画に参加してくださった学校は、動画作りに挑戦した学年も、動画を作る目的も、動画を作る条件も異なります。

松戸市立北部小学校は、松戸市にある重要文化財である『戸定邸』のPR動画作りに取り組んでいます。総合的な学習の時間を使って、1年にわたって戸定邸について調べ、そして、PR動画とポスターを作るという取り組みです。
私たちは、「どうやったら、魅力的なPR動画が作れるのかを子どもたちに教えてほしい」というご依頼から、キッズシナリオを実施しました。

横浜市立荏田東第一小学校は、クラスでショートムービーを作りたいとのことで、シナリオの作り方から教えてほしいとのことで、ご依頼を受けました。

横浜市立本町小学校では、自分たちなりにショートムービーを作ったけれど、ストーリーがめちゃくちゃで、面白くない……どうすればいいんだ……とのことで、キッズシナリオへご依頼くださいました。参加校の中で最年少の4年生のクラスです。

私立カリタス小学校は、6年生が参加してくれました。夏休み前にクラスで映画を作ったのだけれど、『みんなで作っている感』がなく、あまりうまくいかなかった、とのこと。なので、力を合わせて映画を作るためにどうすればいいか、その上で、シナリオや撮影をどうすればよいかをお伝えする役目となりました。

GIGAスクールの恩恵はここに!

GIGAスクール構想というのは、賛否両論あるようですが、キッズシナリオに関していえば、GIGAスクール構想は、吉と出ているのではないかと思います。

なぜなら、子どもたちが動画を撮りたいと思った時に、「このタブレットがあればできるじゃん!」という想いにワクワクし、その上で、「試しにやってみたけど、うまくいかない。何か打開策はないか?」と考えるきっかけになったと思います。

そして、打開策として、キッズシナリオを実施しますが、そこで得たことを、自分たちの作品にどう反映するかは、子どもたち自身の試行錯誤になります。

シナリオの技術を、どう使うか、子どもたち自身が考えるきっかけを、動画作りという楽しい行動の中に入れ込めるというのは、いままでではできなかったことです。

タブレットなどを使って、『ショートムービーの作り方』や『PR動画の作り方』などを、子どもたちがわかるように伝えるというのは、学校の先生には難しい部分です。キッズシナリオの新しい価値ではないかと思います。

動画祭をすることで交流が生まれる

『キッズシナリオ 子ども動画祭』を実施したねらいは、3つあります。

一つは、自分たちが作った作品が、自分たちとは異なる学校や学年の子どもたちが観た時に、どう受け止められるのかを体感する機会を作りたいということです。
学校のなかで実施したことは、その学校内での発表会や学芸会などで完結しがちです。それ自体に価値があることですが、もっと多くの人に、もっと多様なシュチュエーションで発表できる機会を作りたかったのです。

二つ目は、見ず知らずの学校の子どもたちが作った作品に対して、抱いた感想を、創った相手に伝わるように言語化する機会を作りたかったということがあります。
おそらくなかなか他校の生徒同士で、感想や意見の交換をするという機会は、ありません。この点については、参加された学校の先生からも貴重な経験になったと、言っていただきました。

三つ目は、学校間の交流をキッズシナリオをきっかけにしてもらいたいと言うことです。実際、キッズシナリオという共通の経験があることで、子供たち同士が相手の作品の凄いところを具体的に感じる機会となりました。

新時代のキッズシナリオ

キッズシナリオは、これまでは主に、物語作りの楽しさをきっかけにして、他者への想像力、他者に伝える表現力を磨く時間になればと思って始めました。これからは、動画にするという選択肢が身近になった分、キッズシナリオの可能性も広がります。

これからの時代を生きるうえで大切なのは、さまざまな視点から見た中で、自分の行為を美しいと思えるか、否かを判断する力だと思います。どんな正義を振りかざしても、人殺しが美しい、といえる時代はないはずです。

多様な視点をもとにした美意識をもつこと。そのきっかけに、キッズシナリオをしていければと思います。

▼『キッズシナリオ 子ども動画祭』のレポート▼

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創作が好きな子どもたちが日本全国から集まって、切磋琢磨する特別クラスです。創作を楽しみながら、考える力を身につけていきます。
現在、2022年6/23(木)開講 第2期生募集中です。

シナリオ・センターは『日本中の人にシナリオをかいてもらいたい』と1970年にシナリオ講座を開始。子ども向けキッズシナリオも展開中。アシスト、お願いします!! https://www.scenario.co.jp/project/kids_assist/index.html