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映画とかのはなし

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観た映画やドラマのはなしを書いたnoteが入ってます。シナリオ創作に役立つ技術よりのはなしを書いているつもりです。
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#映画レビュー

映画『They Live』(ゼイリブ)は、1988年の話?それとも2022年現在の話?

ジョン・カーペンター監督をご存知でしょうか? ぼくは正直、知りませんでした。タランティーノ監督や、J・J・エイブラハム監督などが愛してやまない監督だそうです。 で、開催中の『ジョン・カーペンター レトロスペクティブ』で上演していた『ゼイリブ』をみて、びっくりしました。 「これ、いまの話じゃないの?」 『ゼイリブ』はこんなお話主人公は、仕事を求めて、とある町に流れついた用心深い男。 男が身を寄せるドヤ街にある教会が、警察の手によって襲撃されてしまいます。怪しんだ男は、後日

デ・パルマ監督、焦らしますね!映画『アンタッチャブル』主要人物の登場シーン

名作『アンタッチャブル』は、『主人公は、暖簾を分けてサッとでる』 のお手本のような主要人物の登場シーンがにくい作品です。主人公の登場シーンにひと工夫したい方は、参考になること間違いなしです! 『アンタッチャブル』[午前十時の映画祭 公式サイトより] 1930年代、禁酒法時代のシカゴ。財務省から派遣された捜査官エリオット・ネス(ケヴィン・コスナー)は、シカゴの暗黒街を支配するアル・カポネ(ロバート・デ・ニーロ)率いる犯罪組織撲滅のため特別チームを編成する。ベテラン警官ジミー

ドラマの深度が変わる視点の置きかた。『タクシー運転手〜約束は海を越えて〜』

視点をどこに置くか。 シナリオを書くうえで大切だと、新井一も『シナリオ作法論集』の中で言っています。 人生いろいろな見方があるものです。 よく言うのですが、忠臣蔵を書こうとするとき、大石蔵助の方からのゆき方もありますし、視点を全く変えて、吉良上野介の方から見た「裏返し」もあります。『シナリオ作法論集』p25より 2018年4月公開のチャン・フン監督、ソン・ガンホ主演『タクシー運転手〜約束は海を越えて〜』をいまさらながらAmazonプライムで観ていて、「視点ひとつで、観客を

ハッピーエンドの新・教科書。映画『シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!』の秀逸な構成

「ハッピーエンドを書きたい!」と思ったら、ハッピーなエンドまでどう持っていくかが重要。 しかも、ハッピーエンドにしようと思うと、ただのいいお話になってしまいがち。そうならないための教科書的な映画が『シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!』ではないでしょうか。 『シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!』の3行ストーリー 劇作家として鳴かず飛ばずのエドモン。自分に自信が持てず、大スランプの中、ひょんなことから、大物俳優コクランの舞台の作品を書くことに。 しかも舞台までの期限はわ

アメリカの絶望と希望が見える『mid90s ミッドナインティーズ』『行き止まりの世界に生まれて』

基本的にアメリカのスケートボードカルチャーには、接点もないのですが、映画『mid90s ミッドナインティーズ』を10月13日に観に行って、「こりゃ、『行き止まりの世界に生まれて』も観なくちゃな」ということで、17日に観てきました。 『mid90s ミッドナインティーズ』は、「『21ジャンプストリート』などの出演でも人気の実力派俳優ジョナ・ヒルが監督としての才能を開花させたデビュー作。ジョナ・ヒル自身の半自伝的な10代の想い出をもとにした珠玉の青春映画」 公式サイトより 「

セリフは少なくても雄弁。映画『ソワレ』にみる会話とセリフの違い

8月の終わりに、映画『ソワレ』を観に行きました。季節感も、この時期にぴったり。なので、いま、観ておくことをお勧めします。 主演は、類稀なる吸引力で日本映画の台風の目になりつつある村上虹郎と、独特の存在感で鮮やかな印象を残す新星、芋生悠。監督は、センシティブな感性で唯一無二の世界観を作り出す新鋭、外山文治。そして、プロデューサーは、この若き才能とともに日本映画の未来を見つめ、手探りで映画初プロデュースに果敢に挑んだ豊原功補と小泉今日子。 映画『ソワレ』公式サイトより そんな

祝!『新聞記者』最優秀作品賞!!お手本にしたい葛藤の作り方

『新聞記者』が、第43回日本アカデミー賞で作品賞、主演女優賞、主演男優賞で三冠獲得!へんなノイズは置いといて、映画として葛藤の描き方はとても参考になるんじゃないかな、っと。 男だからか、僕はエリート官僚杉原に感情移入をしちゃったわけです。エリートと縁のない人生なのに。さて、なんでだろう…… 『新聞記者』のあらすじ正義感がつよすぎる若き新聞記者と、優しすぎるエリート官僚が、政権からのさまざまな妨害にあいながらも、事件の真実に迫ろうとするお話しかな、と。 ぼくが注目したのは

『さらば青春の光』他、UKユースカルチャーが好きになる映画5つ選んでみた

イギリスが好き。なので、イギリス映画も好き。ブリティッシュユースカルチャーが、明日から気になってしょうがなくなる映画を5つだけど、選んでみました! 映画『さらば青春の光』のデジタルリマスター版の上映を今まで知らなかった自分ですが…… こんな日々こそ、「We are the mods!」と叫びたい! これを観ずに街を歩けるのかい? 『さらば青春の光』(1979)イギリスのユースカルチャーを語るなら、欠かせない作品。The Who『Quadrophenia』というロックオペラ

映画『パラサイト』のシナリオのすごさ、ネタバレないから言わせて

今年の米アカデミー賞は、何といっても『パラサイト 半地下の家族』。 ある仕掛けによって、個別的な話から社会的な話へと、一気に観客を引きずり込んじゃうんです。 この部分のシナリオ的なすごさ、ぼくなりに整理したので、言わせてほしいのです。 ある一点だけ、だからネタバレないし! シナリオ・センターは、1970年からシナリオ(脚本)、小説を書きたい方向けに講座をして50年。ジェームス三木さん、内館牧子さん、岡田惠和さんなど600名以上の脚本家、小説家が誕生しています。https:

映画『ボヘミアン・ラプソディ』を起承転結で分解、分析したら、ヒットの理由がわかったよ

先日、ゲーム制作会社さんの研修で、映画『ボヘミアン・ラプソディ』のシナリオ分析をしました。せっかくなので、Noteでも公開してみます。 シナリオ・センターは、1970年に優秀なシナリオライター・脚本家、プロデューサー、ディレクターの養成を目的に、新井一が創立。 ジェームス三木さん、内館牧子さん、岡田惠和さんなど600名以上の脚本家、小説家を輩出するの学校です。2020年で50周年! URL:https://www.scenario.co.jp/ 全編をそこそこ細かく分析し

『パラサイト 半地下の家族』と『ヘヴィ・トリップ』。教養と趣向のはざまで惑う

米アカデミー賞にもノミネートされている話題の映画『パラサイト 半地下の家族』。もうね、誰がどう観ても面白い映画なわけです。 なにより、観た後に語りたくなるもの。 でも……僕にとっては、星4つ。★★★★☆ で、『ヘヴィ・トリップ』が文句なしの星5つ。★★★★★ 『ヘヴィ・トリップ』は最高に面白い映画!でも、正直言って、ポップコーンを片手に観るのが似合うタイプの映画。 だって主人公は、気が弱すぎるヘヴィメタルバンドのボーカルで、緊張すると吐いちゃうんだもん。 でも、『

『マリッジ・ストーリー』。弁護士ノラに気を取られて、感情移入できなかった件

Netflixで話題の作品『マリッジ・ストーリー』。第77回ゴールデングローブ賞で最多6部門にノミネートされてるし、口コミ評価も高い。 だから観に行ったのです。脚本家養成学校で働いているわけですし。 でも、アップリンク渋谷からの帰り道、「あれ、全然グッとこなかった……」と思ってしまった。 だから、軽くパニック。脚本も演技もたしかに素晴らしかったのに、まったく感情移入できなかった。 これはもはや、ぼくの感性の問題かもしれない。やばい……と思ってあわてたのであります。 ス