祝!『新聞記者』最優秀作品賞!!お手本にしたい葛藤の作り方
『新聞記者』が、第43回日本アカデミー賞で作品賞、主演女優賞、主演男優賞で三冠獲得!へんなノイズは置いといて、映画として葛藤の描き方はとても参考になるんじゃないかな、っと。
男だからか、僕はエリート官僚杉原に感情移入をしちゃったわけです。エリートと縁のない人生なのに。さて、なんでだろう……
『新聞記者』のあらすじ
正義感がつよすぎる若き新聞記者と、優しすぎるエリート官僚が、政権からのさまざまな妨害にあいながらも、事件の真実に迫ろうとするお話しかな、と。
ぼくが注目したのは、シム・ウンギョンさん演じる突き進みまくる新聞記者吉岡よりも、松坂桃李さん演じる揺れまくる杉原。だって、揺らし方がうまいのだもの。
もちろん、松坂桃李さんの揺れる演技もすばらしいわけです!
主人公を追い詰めて葛藤させる大切さ
障害にへこたれず突き進む人はステキです。でも、障害にいちいちへこたれて、それでも進もうとする人は、なぜかもっとステキに見えるものです。
たぶん、誰もがもつ弱さとだぶるから。葛藤している人に、ぼくら観客は思わず感情移入しちゃうわけです。
だからといって、むやみやたらに主人公に障害をぶつければわけではありません。やっぱり、その主人公だから葛藤すること、で追い込む方がいいわけです。
『新聞記者』の主人公の追い込み方
『真実を暴くのに協力しようと決意する』
⇅
『今の情報を捨てれば、外務省への復帰させるとささやかれる』
しかも、この間に子どもが生まれています。
『正義感』VS『エリート官僚&家族』。杉原にとってどっちも同じくらい大切。だから、迷う!葛藤の種をまく、田中哲司さん演じた内閣情報調査室の多田、すげぇこわい。
個人的には、そんな組織やめて告発すればいいのに。と思うけど、そうじゃないところが、官僚とかプロパー独特の感覚なのかもしれない。
『大企業を退社するとき、辞めたら死ぬと思っていました。仕事がなくなって野垂れ死ぬのだと』(高橋晋平さんのNoteより)
https://note.com/simpeiidea/n/nd9a277ac5889
あなたならどうする?って結論をゆだねる
さぁエリート官僚杉原が追い詰められてどうしたのか……
『新聞記者』は、ここ、観客にゆだねます。これがまたいいわけです。
一番最悪なのは、ナレーションでの心情吐露。結果報告はいらんのです。ドラマは頭じゃなくて、心に訴えるものだから。
『新聞記者』。ぼくは映画として、十二分に受賞に値するできだと思うんだけどなぁ~
だからこそ、シム・ウンギョンさんと松坂桃李さんの演技が光るわけだし。
テレビでも観たいね!
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今年は取材に行けなかったけど、去年の取材記事。テレビで取り上げられない部分が案外おもしろいですよ。
アカデミー賞つながりで『パラサイト 半地下の家族』についても書いてます。お暇なときに。
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