Q. 音楽理論を勉強してないのに、なぜ作曲できるのですか?
こんにちは、スキャット後藤です。フリーランスの作曲家です。
2月末です。とうとう作曲の仕事をはじめて30年が経ちました。この仕事ずっとやっていたいとは常に思ってましたが、こんなに長く続くとは思ってませんでした、、、30年の中で「あの時のあの判断が良かった」みたいなことが沢山あります。運の連続でした。「あの時こうしてれば良かった、、、」という後悔は仕事に関しては皆無なので、良い人生を歩んでるのかもしれません。52歳にもなって毎日機材触って音楽つくってるってほんと最高です。そんなこんなで、人生の転機の話は来月の記事にする予定です。
今日のテーマは「音楽理論を勉強してないのに、なぜ作曲できるのですか?」です。作曲できるだけでなく僕は職業にしちゃいました。僕は音楽の勉強をしたことないです。SNSでよく話題になる音楽理論に関して全く勉強してません。和声とか対位法みたいなのも全く勉強してないです(これも理論?)。シーケンサー(DAW)に打ち込んでは再生し、気になるところがあればどんどん修正していく、それを繰り返して完成度をあげていきました。作曲がどんどんうまくなりました。そしてそれが仕事になりました。仕事はじめてからもずっと、いまだにそういうやり方で上達してます。
「作曲の仕事に必ずしも音楽の勉強は必要ない」
音楽理論は必要な不必要だの議論が毎日繰り広げられてますが、音楽の勉強してない僕が30年間作曲の仕事やってこれたのだから、これを証明してしまいました。事実ですから。
「作曲の仕事に必ずしも音楽の勉強は必要ない」
という書き方をしました。"必ずしも〜ない"と書いてます。「音楽の勉強は必要ない」とは書いてません。あくまで「勉強してない」だけです。音楽理論は勉強してないけども感覚的に音楽理論を理解してる可能性もあります。文章が読めない人がたまにいて勘違いする人がいるので補足してみました。そもそも僕がつくる音楽って、音楽理論の勉強しなくても作れる音楽ばかりなんだと思います。つまり、僕がつくれない範囲の音楽も沢山あるということでもあります。
「音楽理論知ってる人の曲に聞こえる」ってたまに言われます。よく「感覚派」ですねって言われるのですが、僕はどちらかというと作曲する時はロジカルに作ることが多いです。右脳というよりは左脳。音楽理論しらないのにロジカルって不思議に感じるかもしれませんが実際ロジカルです。いろんな人と話してみてわかったのですが、僕みたいな作曲家があまりいないので、こういう感覚で作曲してることにピンとこないようです。(多くは音楽の勉強をしっかりやった上で作曲家やってる)
ではなぜ、僕みたいなケースが生まれたんでしょうか。ハズれてるかもしれませんが自己分析を書いてみようと思います。なぜ音楽の勉強をしてないのに作曲ができるのかってことです。
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僕は大学入学と同時に音楽をはじめました。ピアノをはじめ楽器習ったことなかったです。音楽の授業でピアニカとかリコーダーを吹いてたくらいです。「音楽をはじめた、作曲をはじめた」のは18歳の時ですが、楽器を触る何年も前から実は無意識に音楽の勉強をしてたのです。
作曲はじめる前から音楽めちゃくちゃ好きで細かく聴きまくってました。「この曲のここがすごい」って友達に熱く語ったら「そんなとこまで誰も聴いてないよ」って言われるような中学生でした。
小学生の頃から「良いメロディー」を聴くのが好きで、他にももっと良いメロディーが聴きたいって刺激を求め、次々といろんな音楽を聴いてました。特にフックが強いメロディーが好きでした。
小学生時代は松田聖子とか近藤真彦とか、歌謡曲ブーム、ベストテンなど歌番組が多かったです。高学年になるころには斬新なアニソンが増えてきました。英語の歌詞の主題歌(バイファム)とか、海外の有名作曲家が手がけた楽曲が主題歌になったり(Zガンダムのニールセダカ)、今までのアニソンとは全然違って格段とかっこよくなりました。今まで聞いたことない感覚のメロディーとアレンジが刺激的でした。エルガイムってアニメの「風のノー・リプライ」はメロディーがよすぎて「筒美京平のメロディーやばい…」って思ってました。アレンジがエモくて、コード進行とかいろんなフレーズの響きがエモすぎて変な気持ちになってました。その変な気持ちになりたくて、何度も何度も同じ音楽を繰り返し聴いてました。
中学に入ると、岡村靖幸とか小室哲哉、大江千里など、次の時代をつくる若手が出てきました。中学2年の時に聞いた渡辺美里の楽曲は彼らが手掛けていてどの曲も刺激的でした。「大江千里が書いた「悲しいボーイフレンド」とか小室哲哉が書いた「My Revolution」とか、今聴いてもすごいと思います。高校2年の時(1988年)に大江千里『1234』に収録されてた「Rain」を聞いた時も衝撃的でした。後に秦基博がカバーする楽曲です(2016年)。
こんな風に小学生の頃からどんどんと「良いメロディー」「新しいメロディー」を追いかけてました。アレンジも細かく楽しんでました。作曲をはじめる前から音楽を隅々まで聞いてました。
さて、ここからが今回の本題です。今まで2人にしか話したことないエピソードを書きます。ずっと黙ってたことです。小学生の頃から、誰よりも音楽が大好きで大好きで、気が狂うほど好きだったというエピソードを書きます。
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