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見てくれる人が楽しめるように音楽を設計する。

こんにちは、スキャット後藤です。フリーランスの作曲家です。

今日から音楽担当したドラマ「推しが上司になりまして」がU-NEXTで配信はじまります。テレビ放送は来週からです。出演は元°C-uteの鈴木愛理さん、最近バチェラー5にも出てた片寄涼太さん(GENERATIONS)も出演してます。

5月末にプロデューサーから「コミカルでかっこよく、ポップ感ある電子音、恋愛はラブ的メロディなどなどイメージしており、後藤さんしかいないと思い」って感じの依頼メールが届いたのが最初。プロデューサーが監督に僕の名前を出してくださったようで、候補の作曲家の音楽を聴き比べて作品に合いそうということで選んでくださったようです。

実は今回、劇伴制作苦戦したのですが、第一話を見て音楽がかなり良い感じにハマっててホっとしました。なぜ苦戦したかというと、僕の劇伴ってニッチでマニアックなところが持ち味だと思ってるのですが(王道を避けてる)、台本読むと定番で王道な音楽を作らなきゃいけない内容で。自分が得意なニッチと王道とのバランスをどうするかで悩みました。実はこの解決策として、一曲だけ作曲家・櫻井智子さんに王道のわかりやすい短い音楽を作ってもらいました。予告でも使われてるストリングスのキラキラときめき曲です。第一話のMAに立ち会って「よしよしよし、めちゃハマってる..」とニヤけました。こういうプロデューサー的采配は面白いです。メインテーマは今までの僕だったら作らなかったような「わかりやすさ」を重視しました。珍しく自分でストリングス部分のアレンジもしてます。僕の音楽をよく知ってる人にとっては新鮮だと思います。

あと苦戦した原因の一つは、台本を読んでもピンと来なかったんです。ドラマを見る人がどんな風に楽しむかの想像ができなかった。ドラマの公式Xを見ると「2.5次元俳優を引退して消えてしまった「最推し」が、上司となって現れた!夢のジレきゅんラブコメ」って書かれてます。女性がこのドラマを見てキュンキュンして楽しむ、みたいなドラマなので、おじさんの僕にはその楽しみ方があまりわからなくて、、、かわいいものは好きだけど、キラキラした世界は僕自身とも無縁で、僕が音楽を作るにはひねくれすぎるなーと思いました(来世ちゃんみたいな内容の音楽は得意)。陰だから面白いみたいな作品に関わることが多すぎて、、、めっちゃ陽気な作品って今までなかった気がします。まっすぐでピュアでキラキラし続ける30分を楽しむ女子を想像しながら音楽作りました。石原さとみ主演の「失恋ショコラティエ」見た時の感覚に似てるのかもって思ったりもしました。見てくれる人がちゃんと楽しめるように音楽を設計するのはすごく大事ですね。ちゃんと考えたおかげで、作品にとってプラスな音楽が作れたと思います。

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話変わって、、、
ここからはこれからはじまる案件の話です。

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