3ページ目 アトノメソッド

某ボーカル教室に通い始めて割りとすぐに、今度は別の教室に通い始めました。教室の正式名は忘れてしまいましたが、声楽を医学的な面からも分析して、正しい発声法を身に付けていく……といった感じの教室で。その発声方式(メソッド)は当時アトノメソッドと呼ばれるものでした。

俗に言うYUBAメソッドとか、何とかメソッドとかあるじゃないですか。そういった類のもので、「メソッド」ってのはそのボイストレーナーが教える発声形態を表してると思って貰えれば大丈夫だと思います。
※ちなみにYUBAメソッド

……いいですよね。僕が始めた時よりもこういう情報が増えて、どんどんネットで公開されてるんですから。
さておき、その教室・メソッドは後野さんという声楽家と萩野さんという医師が開発したものらしいです。

一般的なボイトレ教室なんかだと、「歌う時は(お腹以外)力むな!」って言われるんです。でもその逆で、通ってみると、このメソッドの特徴は「歌う時に全身を使う」というものでした。
これは人によって意見が分かれる所です。確かに、歌う時に全身を硬直させて歌うのはナンセンスです。ですが、必要な部位に最小限力を入れて歌うのは必要だ、と今の僕は思っています。(この教室もそういう考えなんだと思います)

つまり力を入れていい部位と、入れてはいけない部位があるって事ですね。このメソッドで使うのは主に腹筋と背筋、それから下半身でした。喉には勿論力を入れません。

具体的に言うと……
顎を引き、喉仏を下げる。腹式呼吸で呼吸を支える
顎、首、喉仏はどんなピッチでも動かしてはいけません。
喉に力を入れて歌ってる人には厳しいと思います。
力を入れる腹筋の部位もこれ、へその下(丹田:学校の音楽やクラシックではよく言われてる?)とかへその上(ボーカル教室で言われた)とか諸説あるんですが、この教室ではへその上だったと思います。
今となってはですが……、腹の支えなんて殆ど必要ありません。なくても歌えます。ただ、声を張る時やヘッドボイスで響かせる時は使ってるようです。で、へその上ですね……僕は。(上述の学校の音楽やクラシックとは発声もレンジも違うから異なるのか……?)

次に、姿勢ですね。足を軽く開き、尻を上げます。この時背筋を使ってますね。そしてこれが大事なんですが、重心を下げます。下へ、そして後ろ向きにです。倒れる一歩手前くらいでいいんです。複数の動作をしながら歌う事になるので、初めはうまく行かないと思います。

・顎、首、喉仏は動かさない
・腹式呼吸
・足を開いて尻をあげて、重心を下げる


試行錯誤しながら歌っていて、「あ、今日はうまく歌えるなぁ」っていう日は確実に重心のコントロールが出来ている日です。(他にも要因はたくさんありますが)

こうやって、体を使って歌うという事をこの教室では教わりました。喉に負担をかけない為、喉で歌うんじゃなくて、全身を使って歌ってあげるというのは大事だと思いますし、今の僕のスタイルにも繋がっていると思います。
必要な部位に、必要なだけでいいんですね。
それからこの教室のポリシー(?)で賛同できるのが、下記の内容。ノートに書いてありましたので、僕なりに加筆して終わります。


口角を上げるとか響きを良くするとかは、言わば“調味料”。それよりもまずは正しい発声方法とメカニズム。“ダシ”から知る事が大切。

あと最近、打ち込みでデモ用の音源を作ったので、僕の歌も載せておきます。メタルですが。