7ページ目 声門ショックとコンディション

声門ショックとは

息と声帯の振動が一緒になって、はじめて声になります。当たり前ですが、どちらかだけでは声は出ません。
理想的なのは、息が先に出ていて、それに声(声帯の振動)が乗る事です。
息をハァ~と出す分には、声帯への負担はかかりませんからね。

歌う以前に、喋ることですら声帯への負担にはなります。ダメージは少ないですが。
つまり、声帯が振動する事自体が負担になる訳です。
ですが、空気が声帯を通りぬけてから声帯が振動すれば、空気がクッションとなっているので大きな負荷はありません。しかし、息と同時に声を出そうとすると、クッションが無い状態で振動するため、より大きな負担がかかるそうです。これを声門ショックと呼ぶらしいですね。これを続けると、声帯が腫れます。

歌う時のコンディションの整え方

えーと、次にコンディションについて、このページには記述がありました。

当時高校生だったので、朝起きて登校して、夕方に件のボイストレーニング教室に通うという生活でした。
で、「調子が良かった日」の項目に、こう書いてあります。

①歌う二時間前まで、寝てた(昼寝)
②30分くらい、教室の外で待ってた(寒かった)
③1時間前に、おにぎり一個食べた

今にして思うと全部大事なんですが、順を追って説明します。
まず。睡眠が不足しているとパワーが出ず、声帯も筋肉だから歌えません……と書きたい所ですが、実際睡眠不足でも歌えたりします。
じゃあ、何が良かったのかというと、眠気の払拭です。睡眠は不足していても何とかなったりしますが、眠気があると駄目です。やはり筋肉だからのようで、眠いとパフォーマンス性が落ちます。高い声が出ません。

次、②はウォーミングアップに繋がってます。
寝た後、と言うこともあって、些かエンジンは掛かっていなかったと思うんです。そのスロットルを上げてくれたのは、立ったまま待つことで、体が起きたことに起因すると思うんです。あと、“寒かった”と記述があるので、尚更、震えたりして筋肉は使っていた(=体は目覚めた)のではないでしょうか。ウォーミングアップは本当大事です。

③は空腹の防止ですね。
ガルネリの小野さん(50歳前後)は、オンステージの二時間前がベストと言ってました。で、小野さんも皆さんも言っている事ですが、これ、人によります。
全く食わない人、歌う直前に食ってる人、「あれを必ず食べる」って決めてる人。食べる時間も違うし、物も違うし、実際に色々と体験していくうちに迷走し始めるんです。何時間前に何を食ったらいいんだろう?って

直前に食っても調子良い時は歌えます。逆に、食事から4時間くらい経ってても歌えます。(4時間くらいが俺は限度。それ以上時間が経過すると空腹感を覚える)
歌う寸前だと、腹部が圧迫されて気持ち悪くなる可能性や、消化液が喉に膜を貼って、発声の妨げになる可能性が高いです。
逆に、食事から時間が経過すれば喉はスッキリして良好なコンディションになる訳ですが、歌う事はスポーツみたいなモンなので、力が出なくて歌えない場合があります。

じゃあ、各人の共通点は何かというと、「空腹にしない」なんです。これ、マジで。歌う舞台ってのは“ケースバイケース過ぎる”んです。メシ食う時間も無い時もあります。で、お腹の調子が悪いときもあれば、緊張でメシが喉を通らない時もある……。

なので、自分の体と相談して、決めるしかないですね。
俺は今、なるべく歌う1~2時間前に軽食、を心がけてます。
あとこれは研究中ですが、胃腸の調子が悪い時は、固形物を数時間前に食べずに、ジュースでカバーできるような気がしてます。
若いうち、もしくは健啖家の皆さんは、1時間前にいっぱい食べておくのがいいと思います。