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「現代小説好き」と「現代テクノロジー」を結びつける意外な接点は「暗号」だと思う件

ボルヘスやらエーコやらカルヴィーノやらに熱中している小説好きはテクノロジーとは無縁か?

となると、そんなことはない

私が大好きな読書対象のひとつに「暗号論」があります。理系と文系をまさにつないでくれる分野であり、かつ、こんなに奥深い話もないと思う。言われてみれば、ボルヘスもエーコも「物語そのものに暗号を仕組む」ような作風をもって現代の物語作家の前衛に出てきていたわけですしね。

岩波科学ライブラリーの、以下の本を読みました。古代ギリシア以来の「素数」をめぐる古典的な議論が、まさに現代の電子暗号技術を支えているのだという、数学史の帰結としてもとても面白い話。たとえ話も的確で、とてもわかりやすい!

ところが、こうした「インターネット社会においていかなる暗号こそがもっとも安全か」という、ミステリー小説かスパイ小説のようなスリリングな話が、今やブロックチェーン技術のおかげで大変な脚光を浴びているわけです。ブロックチェーンの話は、ボルヘス先生やエーコ先生が存命ならめちゃくちゃ喜んで乗ってきていたはずの話題ではないでしょうか。

そもそも

・「ゼロ知識問題」については、「合言葉を探りたい王様と合言葉を探られずに売りたい商人の話」、

・「ブロックチェーン」については「ビザンチン帝国の将軍たちの話」といった、

それぞれに有名な「説明のためのたとえ話」が付随しているのが、暗号技術やブロックチェーン技術と「物語」の親和性を証明してくれている気もする

このような「現代の暗号技術を説明するコバナシを集めた本」などあれば、めちゃくちゃタメになって、かつ、面白い本になるのでは?もう英語圏あたりでは出ているのかもしれませんが。。。

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子供の時の私を夜な夜な悩ませてくれた、、、しかし、今は大事な「自分の精神世界の仲間達」となった、夢日記の登場キャラクター達と一緒に、日々、文章の腕、イラストの腕を磨いていきます!ちょっと特異な気質を持ってるらしい私の人生経験が、誰かの人生の励みや参考になれば嬉しいです!