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【やはりリアル書店が凄い!】イスラム世界における「書店文化」にひとつの理想を見る!(前編)

山川出版社から出ている『イスラームを学ぶ』という書籍はたいへん示唆に富む名著ですが、その中に、シリアのダマスカスのある書店を訪問した人がそのレベルの高さに心底感動したというレポートが紹介されています

「紙の本の復権」をテーマとしている私にとって、とても面白い話だったので、是非、紹介させてください!

▽その書店の店主というのが、以下ページの下部に肖像写真のあるアブー・ウバーダさん▽

彼の書店がなぜ凄いのかを、山川出版「イスラームを学ぶ」内の紹介記事からまとめさせていただくと、

・たとえば、ある新規客がこの書店を訪問すると、お茶を出され、お菓子を食べながら、店主と話し込むスタイルになる
・この書店の店主、アブー・ウバーダさんは書籍に関してとてつもない知識を持っており、お茶飲み話の中から客の関心を聞き出し、それに応じてさまざまな書物を見せてくれる。場合によっては他の書店に電話をかけて関連書籍を取り寄せてくれたりして、必要な文献をどんどん紹介してくれる
・そうやって時間が経つのも忘れて居座っていると、この書店の常連客がやってくる。店主はその常連客に新規客を紹介してくれる。こうして、書店に居座っているうちに知識層の友人がどんどん増えていく。これはさながら、昔の知識階級にとってのサロンの役割を、「書店」が果たしているのだと感じられた
当然、新規客もその書店のファンになり、その後もしばしば茶飲み話に訪れる常連客となる

書店は本を売る場所なのではなく、本を愛する者同士がふらりとお茶を飲みに立ち寄って、情報交換をするサロンなのだ」という発想は、大変なヒントとなりました。

そして、シリアでこういう書店を経営している店主という人たちは、「体系的に勉強したわけではなく、書店を長年経営しているうちに、肌身で、どこにどんな本が出回っているか、どんな本にニーズがあるかを知っているプロ達なのだ」ということ。

私もダマスカスという町には行ったことはありませんが、「書店」がこういう役割を果たしているのが本当ならば、とてもうらやましい、ひとつの理想像のように思えました。日本の本屋が今後どのような方向へ進んでいくかを考える上でも重要な参考ケースになりそうですね。

ただし、ここで紹介されているアブー・ウバーダさんの書店は、現在も戦火が続くシリアの首都、ダマスカスのお店。この『イスラームを学ぶ』が出版されたのは2013年。その後のシリア内戦激化のことを考えると、、、残念ながら、この書店が今でもダマスカスにあるかというと、それは厳しいかもしれない、と言わざるを得ません。。。

△こちらが参考文献となります。98ページ目くらいから、ダマスカスの書店をめぐる話になります(山川書店|第一版)


子供の時の私を夜な夜な悩ませてくれた、、、しかし、今は大事な「自分の精神世界の仲間達」となった、夢日記の登場キャラクター達と一緒に、日々、文章の腕、イラストの腕を磨いていきます!ちょっと特異な気質を持ってるらしい私の人生経験が、誰かの人生の励みや参考になれば嬉しいです!