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「コロナ後に日本は一人勝ちするか?」ではなく「一人勝ちだったということにしてしまうのだ」(リシュリュー枢機卿に学ぶ)

以下、プレジデントオンラインの記事。とても面白かったのですが、フランス史好きとしては、ヒトコトあります

日本がコロナ後に勝ち組になれるかどうか、というのは予測の問題だけではない。「強引にでも『コロナのおかげで一人勝ちになった』という状況を作るべき」という目標設定の問題と考えたい。歴史的なピンチを、むしろチャンスに変える発想の転換ができるかどうか。コロナ後の世界で復活するか落ちていくかを、サイコロ賭博みたいに受け身で傍観している場合じゃない。

ちなみに、

こうした「不利な展開のはずなのに、うまいこと逆転して、勝ち組に割り込んでくる」というのは(失礼ながらw)フランス外交の得意中の得意技と思います。

ナポレオン戦争で負けたはずなのにウィーン会議で大逆転をしたタレーラン
第二次世界大戦で米英に助けてもらった立場にもかかわらず、うまく戦勝大国の一つに割り込んで、独立自尊路線を守ったドゴール大統領

そして『三銃士』では悪役に描かれていますが、実際は世界史屈指の英雄であるリシュリュー枢機卿(この史実では大英雄なのに、それゆえに物語の中では手ごわい悪役として描かれるというのは、『三国志』の曹操に似てますね)。

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※リシュリュー枢機卿の肖像:画像はウィキペディア・コモンズより引用

彼の時代のフランスは、三十年戦争、プロテスタントの反乱、そしてハプスブルク家による挟撃という圧倒的な無理ゲー状態。ところがこれら悪条件をひとつひとつひっくり返し、最終的にはフランスをヨーロッパ一の大国に仕上げるという離れ業をやってのけました。この点、大国意識に油断していたハプスブルク系のオーストリアとスペインは、絶対王政化におおいに乗り遅れた。

リシュリュー枢機卿に言わせれば「国家のピンチは、見方を変えればチャンスでもある」ということでしょう。

このしたたかさ、たくましさをそのままマネできるかはともかく、

日本も「ピンチの中にこそチャンスの活路あり」の発想で、せっかく苦労したコロナ騒動を復活の端緒にしたいものだ、と思うのでした。

※日本史はもちろんフランス史と違い、虚々実々の駆け引きは得意ではありませんが、追い込まれてからのねばりと挽回力は強いように思うところがあり。明治維新しかり、戦後復興しかり。

なお、リシュリューについての参考文献は以下がオススメ。スペインの話なのですが、事実上、スペインを手玉にとり追い込んでくる隣国のリシュリューのほうが主人公状態(!)という、変化球の歴史書です。フランスびいきにはたまらん。




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