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惜しい!この映画は何かが本当に惜しい!『放送禁止:洗脳 邪悪なる鉄のイメージ』【フェイクドキュメンタリーを止めるな!】

こんにちは!noteで夢日記や夢分析をやっているヤシロと申します。私「フェイクドキュメンタリー」形式のホラー映画やサスペンス映画が大好きということもあり、その手の作品のレビューを、本業(?)夢日記シリーズとは別にコツコツと続けております↓

さて、今回は、前々から一作一作、レビューを書き溜めてきた長江俊和監督の『放送禁止』シリーズ、

劇場版『洗脳:邪悪なる鉄のイメージ』を取り上げます!

この作品は私にとって、2024年4月現在でテレビ版7本、映画版3本が作られたこのシリーズの中では一番最後に見たものであり、

視聴するコチラとしても「シリーズコンプリード視聴の集大成」という心持ちで見たものとなりますが、

率直な感想としては、

惜しい!

何かが、惜しい!

と思った、すなわち、

あと一歩だけ、何かが足りなくて、シリーズ最高傑作になれなかった感じがする。別の言い方をするならば、長年続いてきた本シリーズの集大成としてのトリックの精度はかなり、良いと思ったのです。

あるいは、こう言ったほうが私の気持ちが伝わりやすいかもしれません。

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この「邪悪なる鉄のイメージ」は叙述トリックとしてはシリーズとして最も大胆不敵なものを仕掛けてきており、シリーズをずっと見てきた私としても「ついにここまで物語の根本を破壊するトリックを仕掛けてきたかニヤリ😁」とした次第ですが、

俳優の演技力なのか演習のリズムなのか構成なのかあるいはそれらすべてでなのか、何かが追いついていないために、ジミーになってしまった感がある。いや、もったいない、もうすこし、惜しい!トリック自体はシリーズ随一くらいに「攻め」てきているのに!

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どういうふうに「攻め」てきているのか?それを説明するには、多少、ネタバレをしなければいけません。

私の傾向として、いわゆるガチのネタバレはしたくありませんが、しかし今回に限っては、いったいどんな方向のどんでん返しなのかはある程度語らざるを得ない、、、

そこで、以下、カウントダウンをした後に、ネタバレに関わることを書きますので、「たとえ抑えたものであってもネタバレになるものは一切イヤだ!」という方はここで離脱してください!

それではいきます、

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では、ネタバレを多少含めた解説、いきましょう。

今回の「邪悪なる鉄のイメージ」の最大のポイントは、

ストーリー上における人格の交替劇にあります。

つまり、この物語では、「洗脳を解く側」「洗脳を解かれる側」との役割が途中で逆転してしまうところがミソであり、見ている側としても、前半の展開が一切信じられなくなるこの白黒反転感が最大の盛り上げポイントです。

前半で「洗脳を解く側」に見えた医師が、実は患者であり、「洗脳を解かれる側」に見えた患者が、患者の演技をして相手を治療しようとしている本物の医師だ、ということですね。

これは、面白いアイデア!、、、とは思ったのですが、

なんというか、、、「医者」と「患者」の立場が入れ替わってしまうほどの人格交替を中盤で実施してドギモを抜いたわけですから、それでいてオチがハッピーエンドというのはどうも納得感が少ない。だからといってバッドエンドにしろというわけでもないのですが。

「どちらが洗脳されている立場で、どちらが洗脳を解こうとしている立場なのか、今の世の中、もう確信できるものは何もない!」くらいの不安感のまま、明確なオチをつけずに終わっても良かったのではないかな、、、とはあくまで私の好みからの意見ですが。

すなわち私としては、

「患者と思っていた方が実は医師で、医師と思っていた方が患者」とやったならば、「いややっぱり医師と思っていた方が患者で、患者と思っていた方が医師だった」となり、ところが「やっぱりほら患者と思っていた方が実は医師で、医師と思っていた方が患者」となって、、、「今ではもう、彼女ら自身ももはや、どちらが洗脳を解きにきた側で、どちらが洗脳を解かれにきた側がわからなくなってしまったようです」という狂気オチがふさわしかったのではかろうか、、、なんてね。

まあ、この作品、ハッピーエンドで終わるところが、『放送禁止』シリーズの中もたまには「いいハナシ」で終わることもあるんだ、と驚かせてくれて点、そこは貴重でもあるのですがw

ところで、

このタイトル、「邪悪なる鉄のイメージ」。

過去の放送禁止シリーズに慣れている人なら「なんか謎めいたコトバだが、きっとこのタイトル自体にも何か伏線があるんだろうなー」と思っちゃうところでしょうね。

そして、その予感はアタリでして、最後にはこのタイトルに込められていた暗号(?)も解読されるわけです。

このあたりの芸の細かさは、『放送禁止』シリーズに長年付き合ってきた人々にとっても満足な細やかさではないでしょうか。タイトルやDVDジャケット写真にも伏線が仕込まれているのでまったく油断ならない、それが『放送禁止』シリーズ

というわけで、オチの付け方に個人的には「もっと怖くできたかもしれないのにもったいない!」とは思ったものの、長年にわたる『放送禁止』シリーズのひとつの到達点にはふさわしいのではないかと!

ただし、これを観ても、私の中では『放送禁止』シリーズの最高傑作は「大家族編」であるという意見に変更はありませんでしたとは、申し添え。


子供の時の私を夜な夜な悩ませてくれた、、、しかし、今は大事な「自分の精神世界の仲間達」となった、夢日記の登場キャラクター達と一緒に、日々、文章の腕、イラストの腕を磨いていきます!ちょっと特異な気質を持ってるらしい私の人生経験が、誰かの人生の励みや参考になれば嬉しいです!