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白石監督『オカルト』のラヴクラフト的解釈をネタバレ抜きで語ってみる【フェイクドキュメンタリーを止めるな】


白石晃士監督のフェイクドキュメンタリー【オカルト】を鑑賞しました。

それにしても↑このジャケットは内容を伝えきれていないなあ。幽霊とも違うし、オーパーツってのもなんか違うし、そもそもドッペルゲンガーて何の話すか?ドッペルゲンガーは別に出てきませんよね。

まあしかし無差別殺人というのは正しいですね。映画の物語は、観光地である妙ヶ崎海岸で起きた通り魔事件の取材で幕を開けます。

※ちなみに、この妙ヶ崎というところはどこにあるのか映画鑑賞後に調べたが、どーもそういう土地は存在しないらしく、ロケ地は静岡県伊東の海岸らしい、、、あー「存在しない奇妙な海岸」だから妙ヶ崎?白石監督にまたしてもひっかけられたかな?

私個人としては、てっきり、黒沢清監督の『キュア』のように、不条理な殺人がどんどん伝染していく話かと思ったが、ちょっと違った。

江野という名前の、とてつもなく観客をイライラさせる変なオッサンの身勝手な振る舞いに、いつのまにか白石監督本人が巻き込まれていくというもの。

怖いっていうか、気持ち悪い映画ですね。身勝手なオッサンの不条理な行動は、なんと白石監督に金を払わせて『インディジョーンズ』を見にいき、「俺、インディジョーンズ好きなんだよね」というしょうもない講釈に付き合わされるという珍展開に突入する。たぶんこれ、インディジョーンズの第四作のことですよね?やだね、今後、「インディジョーンズ4」見るたびに江野のことを思い出しちゃうじゃないですか。

作品としては、サイコな犯罪者の言動をひたすらカメラが追いかけていく、というのが物語の基軸なんですが、この怪人物江野が予告する通りに奇怪なモノがカメラに映るので、どうもこの男、ただのサイコ野郎というだけではなく、何かしらの超自然的なモノの庇護(?)を受けてるのは間違いなさそう。

それがなんなのか、明確な答えは映画の中には出てきませんが、ラストを見る限り、良いモノではなかったのでしょうね。

ベタベタのベッタベタな解釈で申し訳ないのですが、私個人は、ラヴクラフト流儀の、何か悪意に満ちた「邪神」の類が関わっていたのかなと思いました

そう解釈すると、途中で出てくる、古代遺跡の話や、「ヒルコ」の話なんかも繋がってくる。古代から日本に潜んでいる邪神?そんなところなのかな?

あと、途中で出てくる、娘さんを事件で亡くしたお母さんが、「娘が玄関に帰ってきて、こーんな大口を開けて笑ったんです、こーんな大きな口」という話のところは、映像表現はなかったにも関わらず、めちゃくちゃ怖かった。

子供の時の私を夜な夜な悩ませてくれた、、、しかし、今は大事な「自分の精神世界の仲間達」となった、夢日記の登場キャラクター達と一緒に、日々、文章の腕、イラストの腕を磨いていきます!ちょっと特異な気質を持ってるらしい私の人生経験が、誰かの人生の励みや参考になれば嬉しいです!