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「鬼神」にゴブリンという英語を当てた小泉八雲先生に感服する、というのも・・・

しつこいようですが、昨日の以下記事↓に引き続きの『耳なし芳一』英語原版の読み解きバナシです。

いよいよ芳一が登場し、彼がいかに優れた琵琶法師であったかを語る段で、小泉八雲先生は面白い英語を使っています。先生がアイルランドで育ったことを考えるとめちゃくちゃ印象的です、というのが↓

it is said that when he sang the song of the battle of Dan-no-ura "even the goblins [kijin] could not refrain from tears."

「芳一が語ると鬼神すらも涙を流すと言われた」と言いたいところをこう書いているのです。

そうです、Goblinsと言っています。

「鬼神」の訳語としてバッチリである上に、小泉八雲先生の遠い故郷アイルランドを想起してしまう言葉使い(先生自身はアイルランドに「あまりいい思い出がない」空気満載でしたがそれはともかく)。

ここで「ゴブリン」と聞いていわゆる異世界ファンタジーのザコキャラを想起してしまう人は損をしている。Goblinはもともとは、日本でいう「妖怪変化」「魑魅魍魎」みたいな、摩訶不思議なモノノケの総称的な語。ここで「鬼神」に当てるコトバとしてはバッチリなのです。

それではどうして、現代人がゴブリンと聞くと「ちょいとユーモラスなところもあるザコキャラ」を思い出してしまうのかというとたぶんJ.R.R.トールキンのせいなのだと思いますが、

この小泉八雲先生のワーディング「Goblins could not refrain from tears」に、そのような「本来のゴブリンの語感」をぜひ感じてほしいものと、今日も『耳なし芳一』の英文ウンチクでした。

ところで、どうでもいいことかもしれませんが、

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小泉八雲先生なら島根県公式キャラクター「しまねっこ」もGoblinの一種と認定していたでしょうか?私にはこいつも広義のゴブリンの一形態に見える。敢えていうならネコ型ゴブリン

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